私立探偵の研修。

こんなにボンヤリというか天然ボケなのに、探偵にスカウトをされていた時期がある。

訳あって離れていた大阪に帰ってきた頃、軽いつきまといにあっていた。そんなときに街で誰か知らない人がつけてきた。

あいつじゃ無くて?仲間やろか?気が気じゃなかった。

誰?気のせい!ではない。詐欺の人?とにかくまかないと。ちゃんと姿も確認しなくては。でも振り向いたら気が付かれる!とかなんとか気にしながら、ガラス窓やバッグミラーに映るもので確認して、角を曲がって直ぐに隠れてみようか。なんならつけ返して誰か突き止めるくらいの勢いで…等と私なりにいろいろ考えながら良さそうな建物へ引っ込んだ。直後にスキを見て捕まえて何故つけてくるのか質問。いいや、詰問したかも。(なんて無茶をするんや当時の私よ、危ないなぁ)

すると別の人が慌てて出てきて説明を聞くと探偵屋さんの研修のテストだった。そんなものがあったんです。驚き。一般の街ゆく人をちょっとつけるそうです。身分証明書ぽいものを見せられて平謝り。警察に電話仕掛けてたしそりゃあわてはるわね。

めちゃくちゃ疑いながらも立ち去ろうとしたら、グイグイ引き止められ探偵なりましょうよと誘われる。習っても無いのにそれなりにできたてそうです。直ぐに現場出られますよ!とか調子いいこと言ってた。そんなもん断るにきまってる。怪しすぎる。

それから数カ月ぐらいはその辺りに出かけると探偵しませんか?って話しかけてくるあの不審者があらわれるので丁重にお断りしていた。

その人が現れなくなって忘れた頃、探偵を依頼したい人がいたので、残ってた名刺とかフライヤーを見て電話してみたら潰れてたのかもう使われてないアナウンス。

就職しないで良かった。


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