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LIMEX

少し前から話題になっている素材です。

これを商標として、世界から170億ほど集めて製品化しようとしている企業がTBMという会社です。

(独自調査のため正確性については保障できません)

原料として使われているのは炭酸カルシウム。

50%以上の割合を炭酸カルシウムとし、残りはプラスチックやその他素材と配合して作る、減プラ素材としてセールスしています。

SDGsを目標とした世界を目指すための一員として動き出すことが投資を集めた理由でもあり、また水資源の乏しい国からの資金援助もあり、出だしは好調となっているようです。

ですが、実際のところどんな製品があるのか調べても、あまりたくさんのデータは出てきません。

本来ならもっと、製品化されたものがアピールされていても良いと思うのですが。

ストーンペーパーというジャンルで最初は動き出しました。

誤解のないように先に言っておきますが、LIMEXの存在意義はかなりあります。とだけ述べて、批判のようなところを書きます。

実際のところ、これがどれだけ自然環境に良いのかという事を考えると、「脱プラスチックを提唱している中で、従来紙を使用していたところを、プラスチックにフィラー素材を混ぜたものを使えば、環境社会に良い」と提案したわけです。

紙は森林資源を切り倒して作っているから、その自然破壊を防ぐという事なのでしょうか?水を使う量がかなり少ないから良いのでしょうか?

日本における紙のための資源というものは、林業で若木を植えることによってまかなっています。大きな木の必要がないからです。次々と木を植えている作業そのものは、CO2固定化に一役買っていますし、紙そのものは生分解性も良いため、あまり問題になるような生産過程を通していません。

使う水の量としましても、一時的に使用する量は多いですが、あくまで触媒としての利用となるので、そこで大きな無駄使いが発生している訳ではありません。また飲料水と工業用水とは別で分けられているため、水資源の枯渇という面に関しては全く問題ありません。

でも、それを大きくHPで書いてしまっている。それが残念なところです。

ちなみに古紙として出してしまうと、逆に異物となってしまうため、ストーンペーパーは紙再利用の業者さんにとってはとても困ってしまう素材です。きちんと紙じゃない事を認識して使ってもらう事が大事です。従って、古紙回収のルートに乗るような場所での商品開発は避けるべきであります。

そして射出成形としてのLIMEXの立場について。

これは、フィラーの種類として炭酸カルシウムがすでに存在しています。したがって名前が違うだけで、そもそも存在している製品になります。フィラーの種類はかなり多様なので、探せば数えきれないほどの、プラスチックとその他素材との混合での成形というものはあります。

ではなぜLIMEXの存在意義があるのか。

それはズバリ、従来のものと比較すると高品質となって、商品価値があまりつけれなかった程度の素材が、実用性が増したからです。

ここが大事なポイントです。

今までそう言ったものはあったし、新しいものとは言えないけれど

「使いようがなかった程度のものが、使えそうなものに変化した」

というものがLIMEXです。

従来のストーンペーパーでは、印刷が難しかった。

でもLIMEXなら、簡単とは言えないけど十分成り立つ。

技術を製品化する技術。

これって、お金がないと出来ない事なんです。これが資本主義の本来あるべき力。

でもまだLIMEXは、製品が足りません。

それは、責任を持って高品質なものを作り上げたいプライドがあるからだと思っています。

uniがボールペンを出しました。LIMEXで。

あの形って、昔の安価なボールペンの形なんですよね。

そうじゃないと作れなかったのかもしれない、と思うと、きっと素材として活用しずらいものなんだなと感じてしまいます。

石灰石です。チョークの粉です。石灰水に息を吹き込むと白い粉になる、中学の実験で使ったやつです。

水に溶ける鉱石。

山が水で削れて侵食する。鍾乳洞ができる。

その場で作れても、経年での耐水性ってどのくらいあるのかは知りません。もし知っている人がいたら教えてもらえると幸いです。

そういった意味で、用途として水に接するのは好ましくないと思います。もしくは試用期間を短いものとするか。

紙コップやら紙トレーとなると、紙のがエコな気もします。

という事で、個人的に一番良いのでは?と思うのは

ペットボトルやその他ボトルなどの、印刷されるラベルです!

ラベルは剥がして燃やすゴミで回収しますよね?
それならばプラスチックよりもLIMEXのが良いと思うんです。問題は厚さなのかな。

という事で長くなってしまうのでまた次回。


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