再開したが・・・

再開の場所は彼からの指定で、プロポーズされたオシャレな居酒屋。
仕事終わりのせいか、少々お疲れの様子の彼。

下の記事をもう一度読んだら戻ってきてね。

「最後、あんな風にメールでごめんね」と伝えると、「俺、すずちゃんが言ってくれてたことやっと理解できるようになった時に、ホント申し訳なかったって思ったんだよね。俺が悪かった、ごめん」
この言葉を皮切りに、これまでの間に何があったのか堰を切ったように話し始めたので、彼の話を遮らないよう聞いていた。
すると、思ってもみない一言を口にした。
「俺、遺書書いたんだよね」

おっと、想像以上のことが起きてたのね・・・

掻い摘んで話すと、やはり彼が社長と言うのは名ばかりで、あれやれこれやれ指示され、利益が上がらなくなると責められ、社長が言う通りコイツと組めと言われた人と組んだら、いいように利用され、仕舞にはお金も底を付き、自分の貯金もなくなり、ついには借金にまで手を出したそう。

組んだ相手には自分の貯金から給料を払ってあげ、自分は給料なしで働いて、それで俺何やってるんだろうと思い、夜中、昔私と一緒に行った湖畔に行ったそうだ。
でも人間意外と死ねないもんだとポツリと口にした。

それいつ頃?と聞くと、ちょうど白黒で彼が見えていた時期だ。
あの時に連絡しても上手くいかなかっただろう・・・

社長に借金をしてる話をしてないらしいので、「社長になんでSOS出さなかったの?」と聞くと、「散々世話になって、言える訳ないじゃん」と彼。
「じゃ、ご両親は?」
「なんとなく感じたみたいで、もし何かあれば家売るから言えよと言われ、そんなことさせられないと思って言えなかった」冗談ぽく「じゃ、私に連絡すればよかったじゃん」と言うと、「啖呵を切った手前、連絡なんてできないよ。だから連絡してくれて嬉しかった。ありがとう」と彼。

彼は相談できる人もおらず、徐々に視野も狭くなり、物事を自分で決めたという自己決定感がないから、どんどん自信もなくなっていき、何をやればいいのか分らなくなっちゃったんだね・・・
そりゃ鬱気味にもなるわと切ない気持ちでいっぱいでした。

色々話を聞いて、「それでどんな風に感じたの?」と尋ねたり、彼の話を繋げて「こういうことかな?」を確認作業をして、彼の気持ちを理解しようとしていた。
すると「すずちゃん変わったね」と彼に言われる。
おっ、1年の成果があったか!?
以前の私なら「こうしたらいいじゃん!」と言っていたもんね・・・

ここで核心に迫ってみた。
「で、借金はいくらあるの?」
想像よりも少なかったので、1年で彼も会社も立て直すと心に決めたのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?