衝撃の一言

前職の社長から「会社やってみないか?」と言われている話はちょくちょく話ていた。
それで私の反応を見ているんだなというのも分かっていた。
いつもは「そうなんだ。それでどうしたいの?」と聞くと、「断ってるんだけど、会う度に言われるんだよね」という会話で終わっていたので、そこまで本気ではないだろうと思っていた。

しかし式場の帰り道、「結婚するなら稼げた方がいい。会社やってみようかと思う」と初めて自分の気持ちを口にしてきた。
一年前に転職して給料がガクッと下がったこともあってそう考えたのだろうということも分かっていた。

なので、彼のやりたいことを聞こうと思い、
「何をするの?」
「会社をどういう風にしたいと思っているの?」といくつか質問してみた。

「社長の会社を引き継きついで俺が社長になる」とポツリと言われた。

彼は長年この社長の右腕として働いていたので、この社長が曲者だと私は知っていた。
社長は自分で作った会社を人に譲ったり、誰かが会社を作る時に出資をする人だ。
しかし利益のためには簡単に人を切るし、出資した会社の行く末を見ていると、社長は人を見る目もないし人望もないだろうということも分かっていた。
だからこの人の元から離れて自由になった彼を見てよかったと思っていた。

しかしずっと会社をやってみろ。サラリーマンじゃバカらしいぞといい家に住み、いい車に乗る社長をみてきた彼の考えは違った。
社長の細々とやっていた会社を引き継ぐので、自分の持ち出しはなしでスタートを切れる。
しかも返済不要で資金も援助してくれるこんなおいしい話はそうそうないと口にする彼を見て、これは失敗すると思った。

彼の場合、「社長になる」がある意味「ゴール」になっている。
これは危険すぎる。

ただこの状況でそれを言っても彼には伝わらないだろうと思い、
一旦受け止めた。

あなたの気持ちは分かった。
次会う時までに、
・どういう会社を作っていきたいのか
・そのためにはどういう人を集めるのか
教えて欲しいとお願いした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?