自爆

しかし、その間に彼は既に会社をスタートさせていた。
これには私も絶句。
だけど行動したということは本当にやりたいんだと悟り
応援しようと思っても、気持ちとは裏腹についつい口を出してしまう。

やるからには経営者になって貰いたい私と、
ただ社長になりたい彼とは交わらない。

当然口論になり「俺は信用されていないの?」と悲しい顔で言われる。
そう言われても「このままだと絶対失敗する」と私は確信していた。

ここまでくると歯車が噛み合わなくなっていく。
どんどん加速していく。

新しいことを始めようとしている男に「話し合い」だとか「女の機嫌」をとっている暇はない。
連絡も途切れ途切れになり、彼が何を考えているのか分からない。

そもそも結婚はどうするの?
すると不安で埋め尽くされ、言いたいことが言えなくなる。
こうなると一気に「別れ」の文字が頭をよぎる。

ただ時間だけが過ぎていく日々に嫌気がさした。

白黒付けたくて、さようならと共に、
最後に思いの丈を長文のメールとして送った。

長い恋があっけなく終わった瞬間であった。


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