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勝負は結果がすべて。サッカーは結果がすべてじゃない。 #奈良クラブ

3月17日(日)、JFR(Jリーグの下部リーグ)に所属する奈良クラブの開幕戦がならでんフィールド(奈良市)で開催された。初戦の対戦相手はヴィアティン三重。前半終了間際にファールからのセットプレーでゴールを許してしまった奈良クラブは、後半もいい攻めをしていたが0−1で負けた。

奈良クラブは昨年まではNPO法人が運営していたが、今期から新体制(株式会社)になり、雑貨小物で全国にお店を構える中川政七商店の会長・中川氏が社長を務め、監督にはブラウブリッツ秋田でJ3制覇の経験をもつ杉山氏が、そしてGMには23歳という若さの林舞輝氏が起用された。

サッカーのことに全然詳しくない僕は、杉山監督のことも林GMのことも全然知らないのだが、サッカー好きの人たちの中ではかなり話題になっていたそう。

奈良クラブの新体制が話題になっていたのはサッカー界隈だけではなかった。

クリエイティブディレクターには有限会社BACH代表の幅氏(ブックディレクター、選書家)。アートディレクターに高い山株式会社代表の山野氏。マーチャンダイザー(グッズ開発)はmethodの山田氏。などなど、ボードメンバーにクリエイティブ界隈の実力者たちが名を連ねていた。(クリエイティブ界隈じゃない僕でも知っている面々)

上記3名だけじゃない豪華なボードメンバーはこちら

そんなこともあり、試合当日の会場には「今日ってデザインコンペだっけ?」と思うぐらい関西のクリエイティブ界隈の著名人がたくさん来ていたようだ。

タイトルで「サッカーは結果がすべてじゃない」と偉そうに言った理由の1つが、このクリエイティブの可能性を感じる布陣である。サッカーの楽しみ方は試合の勝ち負けだけではない。今日、会場で手に入れたグッズはこちら。(写真の腕前のせいでかっこよく写ってなかったらごめんなさい)

↑林GM監修の戦術Tシャツ(3種類)

↑襟のタグがオリジナルTシャツでよくあるアレじゃないところにも、細部へのこだわりが感じられる

↑新ロゴ「N」をあしらったTシャツ、手ぬぐい、タオルマフラー

今後もどんどん新しいグッズが登場するらしい。
楽しみはグッズだけではない。良い匂いがプンプン漂っていたフードコーナーには、海賊シェフがつくる奈良クラブオリジナルのハンバーガー「N.BURGER」(cooked by sio)と、流しのカレー屋による「島らっきょカレー」(cooked by and CURRY)をはじめ、エネルギッシュな食べ物が軒を連ねていた。

おかげで寒かった雨の前半戦も乗り越えることができたが、前席の二人が食べていた麺屋NOROMA(奈良市)のラーメンの匂いも美味しそうすぎて何度試合中に席を立ち、買いに行きそうになったか。

ファンの裾野を広げるために、どんなクリエイティブを仕掛けてくるのか、楽しみ。

サッカー以外でも楽しめるとはいえ、勝負の世界では結果がすべてであることは間違いない。初戦の戦略が失敗だったと何度も口にしていたのが林GMだった。今期から奈良クラブの試合直後に、戦略を立てる責任者である林氏によるMaiki Reviewというファンミーティングが開催される。ファンクラブ会員(ソシオ会員)だけが事前予約で参加できる。

初戦のMaiki Reviewは、ならでんフィールドの隣にあるスターバックス鴻ノ池運動公園店にて。「負けはしたが、試合運びは想定どおりで、戦術もうまくハマっていた」と林氏。負けた試合でファンの前で話すなんて・・・すごい勇気だ。これがタイ●ースファンの前だったら・・・

↑どのような戦略・戦術をしていたのか、プレーを振り返りながら解説をし、ファンの質問に丁寧に答えてくれる林氏。

残念ながら前半のファールからのセットプレーでの失点、後半途中にはレッドカードによって1人少ない状態での攻防と、生モノである試合ではこうした予想外の展開で明暗がわかれてしまう。どんなに予想通りの試合展開でも負けは負け。勝負の世界では結果がすべてだと林GMも何度も口にしていた。

しかしこのMaiki Reviewは、試合を観戦していただけの僕には、新しい発見とワクワクを与えてくれた。結果だけを見ていたらモヤモヤして帰っていたかもしれない。でも、どのような戦術で試合に臨んでいたのかがわかると、モヤモヤしていただけの帰り道が、次はどんな試合になるんだろうというワクワクに変わる。負けても勝ってもファンの前に出てきて試合を振り返るのが新しい奈良クラブスタイル。

Maiki Reviewには最近オフサイドを知ったというサッカー入門レベルのファンもいたが、チームがどんな戦略で戦っていたのかを知ることで、会場でサッカーを見る楽しみが増えたと言っていた。

林GMは最後に、奈良クラブはいろんなプレースタイルができるチームを目指すと言った。あるときは攻撃型、あるときはカウンター型。相手やその日の状況に応じて臨機応変に対応できるチームスタイル。そのために今はチーム全体の底上げをはかっている。

次戦は23日アウェイの東京武蔵野シティFC。次のホームは31日vsホンダロックSC。

どんなプレーが見れるのか。そこにはどんな戦略があるのか。勝負は結果がすべてだが、サッカーは結果がすべてじゃない。サッカーファンにとってはすでに当たり前のことかもしれないが、これがミーハーサッカーファン(自分)の新しいサッカーの楽しみ方だ。

追伸、雨男雨女夫婦で参戦したのが前半の雨の原因です。奈良クラブとヴィアティン三重の関係者とファンのみなさん、申し訳ございません。

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