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世界を見せてくれるコーヒー季刊誌STANDART

「ニューシネマパラダイス」に出てくる町の映画館が、いまのそれとは違い、町の社交場感がありすごく羨ましかった。でもいまの映画館でワイワイ賑やかに映画を見られたら困るので、映画館以外にそういう社交場が町に存在したらいいなぁと。

大山崎町の場合、そんな社交場的なお店が「大山崎 COFFEE ROASTERS」さんだと思う。大山崎(や島本)の情報が集まる大山崎CRさんに、月に一度コーヒー豆を買いに行く。町外の人には特に興味がないであろうたわいもない町の情報を仕入れることで、町との関わりをもてているような気になる。

今日も水出し用のコーヒー豆を買いに大山崎CRさんへ。そこで主人のケイタさんが寄稿した記事が載った雑誌「STANDART(スタンダート)」も手に入れた。スロバキアで生まれたこの季刊誌は何カ国語かに翻訳されているらしい。

「コーヒー」というテーマをいろんな角度から切り込むSTANDARTは、季刊誌TRANSITのよう。知らない世界を見せてくれる。

最初のトピックは「コーヒー(特に農業での)研究開発」。次に「コーヒーvsお茶:加工編」、スポンサー企業「SWISS WATERのカフェインレスコーヒー」について、コーヒーに関わる仕事をしている様々な人を紹介し、コロンビアの内紛、カフェやロースターのデザイン・ブランディング方法、そしてモスクワのコーヒー(カフェ)事情と、古今東西のコーヒーがわかる。

ケイタさんが寄稿したタイトルは「人工知能の時代にコーヒー焙煎かは必要か?」。手にとって読んでもらいたいので内容は書きませんが、最近読んだ本「虫捕る子だけが生き残る」のなかで養老孟司さんがおっしゃっている感性や感覚の話とつながるところがあって、勝手に興奮した。

学生のころ、コーヒーは世界を教えてくれるメディアのひとつだった。

高校生でコーヒーの違いなんて何もわからないとき、マクドナルドじゃなくて、一杯500-700円する珈琲屋さんで国名なのか地名なのかも知らずに飲んでいた自分は大人になった気分。大人の世界が見えた(気がした)。

大学生になって、国際開発協力を専攻し、フェアトレードサークルに入り、コーヒーから貿易問題、南北格差、過重労働、児童労働を学んだ。(当時は「オルタナ」という季刊誌がよくコーヒー問題を記載していた)

社会人になって、コーヒーの奥にいる人たちを考える機会はグッと減ったけど、広島でバリスタをしながらコーヒーの問題を訴えている友人のFB投稿を見たり、地元桐生の15歳で焙煎家になった少年を遠くから応援したり。

コーヒーを無料で配るという社会実験をしている田中素子さんのことを「グランドレベルとマイパブリック」という本で知り、毎週木曜日に駅前で無料のコーヒー(とお茶の)スタンドをやってみたり。

たまたまだけど台湾のコーヒーイベントにも行った。

そして大山崎CRを通して大山崎町の情報を知る。

いつだってコーヒーは広い世界を見せてくれる。もっと目の前のコーヒーの先を感じることができるはず。STANDART購読しよう。(購読すると世界中のロースターのコーヒー豆が付いてくるらしい)

8月22日(木)19時30分から京都岡崎の蔦屋書店でSTANDARTのトークイベントがあります。中村佳太さんがゲストスピーカーです。残念ながら僕は参加できないので、誰かのレポートを期待しています。


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