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2020年に無からIWGPにハマったオタクのIWGP横断レビュー

この間急に池袋ウエストゲートパークの原作を読み急にダダハマりしてめちゃくちゃ混乱したオタクの日記を書いたんですけど、あれから一ヶ月ちょい経ってもまだ池袋ウエストゲートパークのことばかり考えているぐるぐるさんです。

原作完走してからこっちは毎週アニメを見つつ、今触れられるだけの各種メディアミックスをひっくり返す作業に邁進してたわけですが、たぶんもうコンプリートしたと思うので、軽く横断してレビューするエントリを書こうと思いました。誰が得するかは知らん。

2020年に突然無から原作の池袋ウエストゲートパークにハマったキャラ萌え女オタクの戯言として参考にしたりしなかったりしてね。

(なんかリンク埋め込みが機能したりしなかったりしてるんだけど直らないのでそのままにした)


原作

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原作の感想総括エントリ書こうかなとか言ってたけど全然書いてないよねそういえば。ツイッターでうだうだ言ってはいるんですけど、とにかく「よくわからんけど全部めちゃくちゃおもしろい」以上にまとめられなくて…。
ていうかIWGPがどういうシリーズかすらろくに話してないかもしれない。

池袋の果物屋のひとり息子の主人公・マコトが、主に池袋のグレーゾーンで色々なトラブルを解決するトラブルシューティングものの一話完結短編小説シリーズが池袋ウエストゲートパークです。
1シリーズ(=1巻)4篇の構成で現在17シーズン目が雑誌連載中なので、ざっくり60篇くらい短編があるんだけどこれが全部めちゃくちゃおもしろいのでどうかしている。20年以上コンスタントにシリーズ短編書き続けて全部おもしろいってそんなことある????

しかも割と序盤で短編としてのフォーマットは固まるんですよね。元々ほとんどが「マコトが何らかの経緯でトラブルに巻き込まれる」→「何らかの手段(主にGボーイズによる数の暴力による制圧)で解決する」という構成だし、トラブルの内容もだいたいは若者・貧乏人・女の弱者が詐欺にあったり搾取されているというものなので…こう言うとあんまり面白くなさそうなんだよな!?めちゃくちゃシンプルだもん…。

いやでも本当に全部面白い。捨て回みたいなのが全然ないし、最近のエピソードも全然めちゃくちゃおもしろいんですよ。なんでだいたい同じ構成なのにおもしろいの?よくわからん。「昔途中まで読んだな」って人もまた読んでほしい。ずっと全部おもしろいので…。

ちなみにぐるぐるさんは現時点で最新刊の『獣たちのコロシアム』読んだときとか「ここにきてまためちゃくちゃおもしろいことある!?」ってびっくりしたし、今一番読み返しているエピソードはオール讀物2020年8月号、9・10月合併号に掲載されている「P活地獄篇」です。

元々時事ネタが多いしだんだん社会派の側面が強くなっているから現行シーズンを読むとリアルタイム感があってより楽しいというのもあるとは思うんだけど、普通にマジでめちゃくちゃおもしろいんだよな…。何回おもしろいって言うんだって感じなんですけど…。

もちろん20年やってるので結構作品としてのカラーはじわじわ変わってるとは思う。

個人的には、1巻『池袋ウエストゲートパーク』から4巻『電子の星』までは暴力要素が多くてノワール小説っぽい雰囲気が強く、5巻『反自殺クラブ』からファーストシーズン完結の10巻『PRIDE』まではライトなハードボイルド、セカンドシーズンはもうちょっとハードボイルドの空気も薄くなってノンジャンルエンタメになってるという印象です。
これは現実の日本社会および池袋という街が変わって行っているということが反映されてる部分もあるのかなと思う。いや、私は1993年生まれの田舎者なのでこの20年で池袋がどうなってるかとか知りませんけど…。
3巻『骨音』に収録されている「西口ミッドサマー狂乱」とか、ドラッグの話なんだけど、途中で首なし死体が発生するもんね。2020年にそうそう首なし死体が発生してたまるか。(それは2002年当時もそうだったのでは…)

というかIWGPといえば実質的にはマコトと池袋のカラーギャングのキング・タカシのコンビものでもあるんですけど、ざっとシリーズ読むと初期はそこまでタカシの出番って多いわけじゃないんですよね。
だんだん登場回が増えてきて、セカンドシーズンまで来るとほとんど毎話出てくるようになるし、出てくるときは必ずマコトと与太話をするパートが挟まるようになり、マコトとタカシの間の男男巨大感情も大きくなっていくので、正直困惑する。
たぶん書いてるうちにどんどん作者のタカシ萌えが強くなったんだと思う。知らんけど。

男男巨大感情が好きなオタクのみんなたちにはとりあえず7巻の『Gボーイズ冬戦争』まで読んでほしい。『Gボーイズ冬戦争』はカラーギャングの抗争と突然発生するマンガのキャラみたいな最強の闇の始末人の話が混線しつつ、マコトとタカシが熱い友情を確認する女性ファン必読(って本文に書いてある)の表題作でしめくくられるだけでなく、なぜか途中でタカシが「おれが女だったらおまえを選ぶ」とマコトに告白してあやうく池袋のキング&クイーンが誕生しそうになる(って本文に書いてある)エピソードも含まれているので…。本当に書いてある。

というかこのシリーズはほとんど全部マコトの一人称なんだけど、その軽妙さがおもしろさを支えている大きな柱なんだよな。
3巻辺りまではやや装飾的な文章が多くて「全文美しくて読むのに時間がかかる!!」とキレてたんですけど、それ以降は結構ラフな書き口になってる印象でさらさら読めます。いや、私が慣れただけかもしれんけど…。とにかくめちゃくちゃ文章と小説が上手いので延々読める。すごいぞ石田衣良。(当たり前体操)

ちなみに男男巨大感情が好きなオタクは普通に2巻の『少年計数機』のラストに収録されてる「水の中の目」(ゲイの痴情のもつれで大変なことになるエピソードで公衆便所のような扱いをされている闇の超絶美少年が出てくる)の時点で普通に「急にどうした!?」ってなって死ぬので別に自ずと冬戦争まで読むことになると思う。ぐるぐるさんがそうだったからそう。

唯一マコト視点ではなく、グレーゾーンどころではない闇カジノ周りで展開されるノワール・ギャンブル小説の外伝「赤・黒」と、マコトとタカシの高校時代、タカシが〝キング〟になるまでを描く外伝「キング誕生」を読むと、「石田衣良、長編も上手え(当たり前)」と震えることになるので合わせて読もう。
特に「キング誕生」は一応シリーズ開始当初に19歳でPHSでやりとりしたりしてたはずのマコトとキングが高校時代に普通に携帯電話を使ってオレオレ詐欺のバイトをするなど、時間軸は歪みまくってるし初期の設定ともめちゃくちゃ食い違ってるけど、「作者が長編でこう書いてるんだからこれが正史だ!!」という感じでパワーを感じるので、創作するオタクは読んで勇気を出そう。

コンプリートガイドには掌編とかインタビューとか地図とか作中用語集とか入っててオタクの資料として大変便利だが一番便利なのは作者による各話紹介のページです。あれ読めばどれがどういう話だったかわかるので…。

ちなみにアニメに合わせて傑作選も出ていてなんと8篇も収録されていて実質文庫二冊分になるのでこれから読むのもアリ。特に出来の良い話が初期のものから最近のものまで選ばれているのでとっつきやすいぞ。

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ドラマ

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私は本当についこの間まで1秒も見たことがなかったんだけど、どうも世間的に「池袋ウエストゲートパーク」と言うとまず思い出されるのはこのドラマ版らしい。
メイン演出が堤幸彦で脚本は宮藤官九郎、主演が長瀬智也でめちゃくちゃ流行ったらしいんだけど、いかんせん私は放送当時7歳とかのはずなので何も知らないですね…。でもツイッターでIWGPの原作読んでる!ってツイートしてたらかなりの人数に「すごいからドラマも見て!」って言われたから、みんなドラマの印象が強いんだね。

私はこれを見るために結構な勇気を必要とした。

ドラマ版IWGPがめちゃくちゃ有名なのは知っているけれど、同時にめちゃくちゃ原作から改変されていることも聞いていたからである。というか勧めてくれる人もみんな「原作とは全然違うんだけど…」って言ってた。原作とは全然違う実写化を原作にダダハマりしてるオタクにそんな勧めんの!?!?!?

私は堤監督やクドカン脚本のノリ自体はたぶん結構好きなんだけど(いや別にこのふたりが関わっててちゃんと見てる作品は全然ないんですが…)、問題はキャラ改変だったんですよ。
私は原作にハマってから知ったんだけど、たぶんみんなご存じのとおり、原作とドラマで一番改変されてるのはキャラなんですよね。特に顕著なのが窪塚洋介演じるタカシで、本当にマジで原作の面影がほとんど全くないレベルの完全に別人で、しかし同時にこの窪塚タカシが日本キャラクター史においてはめちゃくちゃエポックメイキングなキャラだったらしい、というのはドラマ見る前にいっぱい人から聞いた。つうかみんな窪塚タカシの話ばっかりする。

私は原作のタカシにめちゃくちゃ萌えてるオタクなんだけど、そのオタクに原作タカシの面影のほぼ残っていない実写版をそんな勧める!?!?!?!?!?

まあ…ドラマしか見てない人も結構いたと思うし、原作読んでる人も大体は結構前に読むの止めてる人がメインだったんで、あんまり伝わらないかもしれないんですけど、こちとら2週間で原作16巻くらい感想してるオタクなんですよ。確固たるキャラ像があり、それに萌えてるんですよ。いくら出来が良いって言ってもそんなキャラ改変されてるってわかってる実写見るのかなり勇気がいるが!?

というわけでやっと心の準備してドラマ見たのがこの間の三連休です。

いやね、確かにめちゃくちゃおもしろかったんですよ。キャラや全体のノリの改変は大きいけど、ストーリー自体は原作の内容をほとんど忠実にやってるのでめちゃくちゃおもしろいし、役者がみんな良い役者ばかりなのもあって、キャラがみんな活き活きしてるし、テンポが良くて、しょーもなくて猥雑なネタも上手くまとまってる。一話完結ものとしての出来も良いし、各話を繋げる大きな謎(縦軸)も処理が上手くて、そりゃめちゃくちゃ流行りますよ。これが連ドラ初脚本なクドカンすごくない!?脚本めっちゃ上手い(当たり前)

でもこれ、私が「メディアミックスは必ずしも原作通りやらなくてもいい、そのメディアとして一番おもしろいかたちに仕上がっていればそれでいい」が信条で、原作再現度を重視しないタイプのオタクだからかろうじて耐えられただけで、普通に死ぬオタクは死ぬタイプの実写化だと思う。特にマジで原作のタカシに萌えてるオタクに気軽に勧めるのはやめようね!?

確かにドラマ版タカシはめちゃくちゃ魅力的なキャラだったけど、こう…許せるものと許せないものがあると思う!いや、私は許すけど…。
ドラマ版タカシのこと、見ていない人にどう説明していいかわからんけど魅力的なのは確かだから、とりあえずドラマ見てほしいって人間の気持ちはわかる。どうも「エキセントリックでヘラヘラしててちゃらんぽらんだけど〝アタマ〟としての強さとカリスマを持っている」系のキャラの源流っぽいよね。ハイローの村山さんとか影響受けてるんじゃないのかな(何でもハイローで例えるオタク)
一方で原作タカシってハイローで例えるとコブラとか広斗と同じジャンルに入るクールなカリスマなんですよ。(何でもハイローで例えるオタク)(広斗はアタマじゃないけど…)服は全部ハイブランドだしクールで高級でめちゃくちゃ女にモテる男なんですよ。
ドラマ版タカシも女にモテてるとは思うんだけど、かなり野生児っぽいというか、タンクトップにくたくたのシャツ引っかけて常に年上のエキセントリックな彼女を連れてイチャついていてマジで何考えてるかわからないタイプで、こう、わざと正反対のキャラで演じてたっぽいんですけど、あと当時の窪塚洋介めちゃくちゃ顔がマブいのでそれも相まってすごい良いキャラなんですけど、受け入れるのにはかなりエネルギーがいるよね!?ドラマタカシが1回3000円でキスの路上販売してたのちょっと泣いちゃったもん。

いや、窪塚やドラマそのものが悪いわけではない…。

マジであれはあれですごく面白かったと思う。私は本編後のスペシャル版の「スープの回」大好き。RIZEとクレイジーケンバンドを実質本人役で出しておいて「骨音」をやりながらシリーズキャラ総出演のお祭りやるの、異常な手腕だよ。
でも今急に新しく原作にハマってるオタクにドラマ版勧めるのはすごい慎重になったほうがいいし、今急に新しく原作にハマってるオタクが見るときはかなり心の準備をした方がいいと思う。

タカシがすごいのでタカシのことばかり言っちゃうけどドラママコトも結構ダメな人はダメだよ。ガワが長瀬智也ですごい色男なのにすごいアホという造形ですごいけど…。ハイローのヤマトはドラマ版のマコト参考にして演じてるらしいよ。フォロワーが言ってた。(なんでもハイローで例えるオタク)

あと、私は93年生まれの田舎者なので、「2000年の池袋というか東京ってこういう感じだったのかなあ」という感じで原作読むときのイメージの補強にはなったし、実際おもしろいのはおもしろいのでトータルでは見て良かった。

ちなみにテレビシリーズの最後にはタカシがマコトにちゅーするからそういうのが好きなオタクは見ておこう。窪塚は激マブだし長瀬は超色男なのですごい目の保養になる。(このことツイートしたら最近原作ちょっと読んだりアニメ見たりしてるフォロワーが何人も「なんでタカシがマコトにちゅーすんの!?」って混乱してた)(ドラマのタカシは割と誰にでもちゅーするから…)

アニメ

そんで今放送中のアニメです。そもそもこれの予定があったから私は原作を読んでみようと思ったわけだが…。

正直、私、このアニメをどう評価していいのかよくわからない…。

2010年代に入ってからの原作のエピソードを中心に基本1話完結でアニメ化してて、キャラもストーリーもかなり原作に忠実にやっていて、まあ後述するけど、タカシの描写でドラマ版の影響が薄いほとんど原作忠実メディアミックスっていうのがレアなのでそれだけで「ありがてえことだな…」ってなるのはそうなんだけど、これ、アニメだけ見ておもしろいのかな!?

まずこのアニメ、致命的に尺が足りてないんですよ。いくら原作が全部短編だからって、アニメの約22分の尺でやるのはかなり厳しい。私は今のところほとんど毎話「超高速○○だ!」ってツイートしてる。(「超高速○○」ってなんか限られた界隈でしか使われてない方言らしいね…)
「いややっぱ絶対2話分の尺がいるやろ」って思ってるところでドラマ見たら、原作の内容を適切な速度でやった上でドラマオリジナルの与太パートもふんだんに入ってたので「やっぱ50分いるんじゃん!」って思った。ドラマが面白くて人気出たの、与太パートがちゃんとあるからっていうのは大きかったよな。

アニメはマジで尺が足りないので原作のストーリーを追うのでいっぱいいっぱいで、原作の与太パートも削ってほとんど完全に骨組みしか残ってないレベルなので、原作を先に読んだ私はアニメだけ見てどう感じるのかが全然わからない…アニメだけ見て面白いって言ってるフォロワーも何人かいるので大丈夫なのかな。まあ原作がおもしろいし、その原作のストーリーにはほぼ完全に忠実なので一定のおもしろさは担保されてるんじゃないかな…。

それにアニメは原作にあってドラマではかなり強調されていた猥雑さが結構削られているのでクリーンな印象で、これはとっつきやすいかもしれない。ドラマはすげえ猥雑でびっくりしたから…。

あとなんかわからないけど最近のエピソードでも社会派のものばかりチョイスしてアニメ化しているので、「これ辛気くさくない!?」って不安になる。でもアニメ放送に合わせて出たアニメのムック本のインタビューで石田衣良が「今はアニメでも社会的な問題を取り扱わないと(大意)」って言ってたからこれでいいんだと思う。原作者が正義。実際原作でも出来のいいエピソードばかりなのはそうだしね…。社会問題を扱ってるエピがおもしろいのがIWGPの魅力のひとつみたいなとこある。

声優がめちゃくちゃ豪華なので「どこから金が出てるんだろう…」と割と心配になります。礼にいが櫻井孝宏なのが個人的にはヤバく、礼にいが出てくるたび「CV櫻井孝宏はヤバい!」と暴れている。あと原作で執拗にクールさを強調されるタカシのCVが内山昂輝なのもいいな。

あと主題歌がクールで良いです。冬戦争後編だった7話はドラマ版主題歌の「忘却の空」の新録バージョンがEDに使われて話題になったみたいですね。まあその時点では私ドラマ見てなかったので「なんで急にこの曲が…?」って思ったんですけど(「忘却の空」自体は知っている曲だった)
私はこのアニメきっかけにINNOSENT in FORMALを聞き始めました。マジでめちゃくちゃ良いバンドだぞ。

アニメとコラボしてるこのED曲のMVがイラストがかわいいしおしゃれだし曲もいいのでオススメ。

 まあとにかくアニメはキャラが原作に忠実だからそれだけで十分だよ。いや、まあ、キョウイチは割とイメージ違うし、磯貝は完全に別のキャラだけど…。というのは原作読んでなきゃわからないことだから別にいいよね。

ちなみにアニメ公式サイトにはなぜか原作のマコトとタカシがアニメのアフレコを見学してめちゃくちゃ原作のネタバレを含んだ感想を言い合う台本小説形式のアフレコレポート(原作者書き下ろし)が掲載されている。本当になんなのこのコンテンツ?

コミカライズ

コミカライズは電子限定のものも含めて結構いろいろある。

どれも結構原作のエピソードを忠実にコミカライズしているので、感想を言うとなるとどうしても「どれくらいドラマ版の影響を(特にタカシのキャラデザにおいて)受けているか」というところに偏ってしまう。

マコトも描く人によって結構キャラブレしてるんだけど、タカシはマジで全部違うキャラなのですごいぞ!ドラマ版の影響というか呪いが強い。ドラマ版の印象が強すぎるから原作のタカシに寄せると逆に「コレジャナイ」感が出ていたものと思われる。地獄か?

有藤せな版は無印で「池袋ウエストゲートパーク」「エキサイタブルボーイ」「オアシスの恋人」「妖精の庭」、続編の「R」のほうで「サンシャイン通り内戦」をコミカライズしている感じ。

表紙が女子しばりであるのからもわかるように、とにかく女子の作画がかわいいので最高である。女子に限らず絵がめちゃくちゃかわいいし、マンガが上手いし、とにかく絵がかわいい。(何回でも言う)原作で男だったキャラもしれっと女子にしている。絵がかわいいので許す。

タカシはドラマのタカシをもうちょっと日本語が通じるようにした感じに描写されてる。

朝基まさし版。タイトル通り一巻まるまる使って「電子の星」をやってる。有名作家のコミカライズなのでさすがに作画が強いしマンガが上手くて読み応えがある。

「電子の星」はアングラSMクラブが会員限定で売ってるリアル人体切断ショー映像が主題のエピソードでめちゃくちゃ〝暴力〟で私は大好きな回なのでマンガで読めるの嬉しい。欲を言えばちゃんとマコトには最後革のホットパンツを履いて全身白塗りになってほしかったですけど…。(むしろなんで原作はそんなことになっちゃったの?)

このコミカライズのマコトは結構言葉少なで硬派なチンピラっぽい描き方で結構珍しい印象がある。タカシは有藤せな版と同じ方針でドラマ版ベースに日本語が通じてもうちょいクールな描写ですね。東京卍リベンジャーズに出てきそう(?)

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きたがわ翔版。これは電子限定のコミカライズっぽいんだけど割と有名作家だよね。「PRIDE」と「北口アイドル・アンダーグラウンド」の2篇収録。

原作ではファーストシーズン完結編で気合い入ってヘビーな内容だった「PRIDE」の後にかなりライトな北口アイドル読ませられるの割と困惑するぞ。

これはマジで普通に原作を丁寧にコミカライズしてて、遊びの部分がそんなにないので、印象としては割と地味ではある。

マコトが割と普通の兄ちゃんでかわいい。タカシはビジュアルにドラマ版の呪いを感じるし台詞自体はかなり原作ママになってきている。ただしクールというかはかなりワイルドで野獣っぽい印象なのでこれはこれで珍しい。

松尾亮版。2019年12月に出てるのですごい最近だ!電子限定。

二巻かけて丁寧に「七つの試練」をやってて、たぶん各コミカライズで一番メインキャラの描き方が原作寄りというか、ドラマ版の影響が一切ないタカシはここで初めて出てくる。アニメより美少年なビジュアルのタカシです。こんな美少年なのはそれはそれでびっくりするが!?

あとゼロワンもすごいビジュアル系でびっくりした。

改変要素として大きいのはマコトが原作のクラシック音楽の代わりにハードロックが好きな男になっていてマコト母が毎話ロックスターのコスプレをして出てくるファンキーなキャラになってるところかな…。(巨大かつ謎の改変)

あとなぜか「鏡のむこうのストラングラー」のヘラが天真爛漫な美女になってメインキャラで出てきて(表紙の女です)マコトと寝る。ヘラが寝るの!?!?!?ってびっくりした。割とがっつり濡れ場がある。最近の原作マコト、あんまり女と寝ないから余計びっくりしちゃったな…。

まあ大体コミカライズはこんな感じです。2019年までドラマ版タカシの呪いが解けてなくて怖い。

個人的には有藤せな版が一番オススメ。絵がとにかくかわいくて楽しいコミカライズだからね…。

舞台版

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2017年末から2018年初めに掛けて舞台というかミュージカル版が上演されていたんだけど、これはDVD化されていないみたいなのでフルで見る方法がない。

ただ、一部楽曲を収録したハイライトアルバムが出てるので、これとゲネプロ動画でなんとなく雰囲気はわかるので私はそれで我慢することにしました。

https://www.youtube.com/watch?v=Jb4S1DXiE8E

これ、結構評判が良かった記憶があるんだけど(2018年当時神戸にいたので観に行けばよかったな…)、実際音楽が良いです。シビルウォーイメソンとしてヘビロテしてる。オススメ。

あとタカシのテーマソングとか聞く限り「キング誕生」以降のタカシの解釈でシビルウォーをやってるっぽくって、それはめちゃくちゃ見たかったが!?アニメも「キング誕生」以降にはなると思うんだけど、別にキング誕生の話しないからな…。舞台版明らかに完全にキング誕生の話してるんだけど!?

青いもふもふを着てナンバーワンホストみたいな雰囲気のタカシがキング誕生以降なのめちゃくちゃ観たかったな…。2018年に戻れたら絶対この舞台を観たい…悔しい…。

こち亀クロスオーバー

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これは別にメディアミックスじゃないけどおまけ。日本推理作家協会主導のこち亀公式小説アンソロジーで、一応国内ミステリ小説ファンの私は発売当時「何それ?????」と言ってたんだけど、買わずにいたのをここに来て買うことになった。つうかもしあのとき買ってたら私の初IWGPはこのこち亀クロスオーバーになってたぞ。

両さんがマコトのところに依頼人としてやってきて、女を騙くらかすナンパ師を成敗するという、両さんが出てくる以外はめちゃくちゃスタンダードなIWGPのエピソードです。めちゃくちゃスタンダードな構成で本来Gボーイズが担っている暴力パートを両さんがすべて肩代わりし、いろいろあってタカシが去年着ていたのと同じエルメスのコートを両さんが手に入れ、マコトとふたりで池袋の街に夜遊びに出るという異様な短編!

異様だったのでオススメです。というかこのアンソロ、全部異様な短編だったからすごい。小説で両津勘吉というキャラを動かすの、絶対大変だよね…。


という感じで私が把握できる限りすべてのIWGPに言及したんですけど、どうでしたか!?1万字になって「怖い!!」って言ってる。誰がこんなに読むの?わかんない。書き切った満足感はすごい。

本当は原作のオススメエピソードの話とかしたいけどマジでキリがないんだよな…。

とにかく私がめちゃくちゃIWGPにハマってることだけが伝わってくれればいい…。あと今も入手できるけど取りこぼしてるコンテンツがあったら教えてください。





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