卒業にむけて #架空ヶ崎高校卒業文集

202I年
3年I組 飯嶋 里奈

長かったようで短かった高校生活が、もうすぐ終わろうとしています。

入学したばかりの頃は、見えるものすべてが新鮮でした。遠くに見えない高い山、流れない川のせせらぎ、咲かない桜の花吹雪、本当に不思議でした。

入学した後も、色々なイベントのすべてが新鮮でした。特に思い出深いのは一番最初の虚像祭です。先輩たちの出店やだし物は、まるで魔法のような不思議なものばかりでした。

ところで、私は数学が苦手で、特に虚数というものがよく分かりませんでした。存在しない数というものが、どうしても理解できなかったのです。存在しない数なんて、生きていく上でなんの役に立つのかと不思議でした。

でも、卒業を間近に迎えた今、ようやく理解できました。架空ヶ崎高校の不思議な出来事も、すべて理解できました。虚数を表すiが全ての数字についている時点で、気がつくべきだったのかもしれません。

私達は"存在しない"を卒業し、"存在する"になります。安定している壊れた架空の世界から、不安定だけど現実の世界へ旅立ちます。

私を"育ててくれた"先生、私の記録は役に立ったでしょうか?

【以上、架空学園型AI学習実験ログよりサルベージ】

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