「セルフアドボカシー」について講演してきたよ。

 令和5年8月19日、NPO法人いちほ様からのご依頼で鶴岡市の「にこふる」にて講演を行ってきました。事前にいただいていたテーマは「子供たちのセルフアドボカシー」という、なかなかに難しいテーマをいただきました。

 僕が普段支援している現場でアドボカシーというと、高齢者福祉や障害者福祉の文脈で語られる「権利擁護」「権利の主体としての本人の代弁機能」という意味合いが強く、例えば終末期や認知症り患者の「意思決定支援」の場面では、「現在は物理的に声出しなどが困難であり、明確な意思の確認が困難である」クライエントの意思決定をいかに支援するか、という視点でとらえることが多いです。クライエントの小さなうなずきや発語から意思の表明を支援したり、クライエントの生活歴や思想信条、過去の言動などから推定意思を支援チームとして確認するなどのイメージでいました。

 しかし今回は子供たち自身がいかに自分の意思を決定し、適切に他者に伝えていくか。発達障害や様々な背景を持つ子供たちがどう学校や関係機関・保護者など、「自分を取り巻く世界」と向き合っていくか。そういった視点で話をさせていただきました。

 僕自身、スクールソーシャルワーカー(SSW)という仕事をしている中で、子供たちが「世界」との向き合い方や距離の取り方がうまくいかず、対立場面や衝突場面を多く作り出してしまう状況を見てきています。その場合のSSWの動き方としては関係機関との関係調整や折衝、支援チームの構築、そして何よりもクライエントである子ども自身や保護者との伴走型支援になることをお話ししました。いずれにしろ短期的に効果のある方法というのはあまりなく、むしろ僕らソーシャルワーカーの視座としては「いかに子ども自身が意思表明・意思決定できる機会や方法を身につけることができるか、ないしはそれができる環境調整を行えるか」「どういう大人になっていきたいか、を支援目標の軸において長期的視点で伴走できるか」が重要になると考えています。

 


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