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「異業種」「異経験」「異知見」者同士が化学反応を起こす!

私は、先日(3/4)発表された「ソニーとホンダがEV(電気自動車)で提携」というニュースを知って非常に驚きました。ソニーがモビリティ市場に参入していくという報道があった中で、早速、具体的な自動車メーカーと手を組んだことに驚かされました。


そしてさらに驚いたのは、その提携の「発端」でした。とかく自社内での完結型開発を目指してきた日本企業において、ホンダが新しい動きを具体化させていたということにビックリしました。


ホンダの三部社長が「自動車を中心としたモビリティの事業が大きな変革期を迎えています。しかし、革新の担い手は従来の自動車メーカーではなく、新たな業界からのプレーヤーになっています」と述べておられます。今の革新の担い手が従来の自動車メーカーではないとホンダ自身が言い切っていることに衝撃を受けました。従来の自動車メーカーの体制を見切っていると感じました。


このような深刻ともいうべき問題意識の中で、今回のソニーとの提携はホンダから話が出たようでした。それも「2021年8月に、当社から持ちかける形で始まりました。ただし当初は今のような協業の話ではありませんでした。若手同士のワークショップを開始したところ、そこで両社が化学反応を起こすような、大きな可能性を感じました」(ホンダ・三部社長)。これは自動車メーカーが「異業種企業」とワークショップをするという従来では考えられない非常に大きな「動き」であり「発端」であったと思います。私はここに最も驚きました。


 ホンダとしては「100年に一度の大変化の波の中で、自らの自動車会社にはない技術とアイデアを持つパートナー企業」を必要とすると考えていたということです。そんな中でホンダは、まずソニーとのワークショップから始めてみようということだったと思います。


 ソニーとしてみれば、新たなモビリティの時代が来ることは必須と考え自動車市場参入を考えている中で、実際にEVを作る生産設備を持っていないし、移動体に関する知見やノウハウも持っていない。さらにアフターサービス体制も必須になる。
しかし、そこに新たに自前で投資するなど、とても現実的ではないということから、今後具現化するには、どこかの自動車メーカーとの協業は欠かせないと考えていたと思います。


なにより両社が素晴らしいのは、最初に経営層同士が話を始めたのではなく、まずは若手の技術者同士で「場」を持ったということです。日本の素晴らしい企業同士がパートナーとして実現していくEVには大いに期待したいと思います。


 そして、今回の本題はここからです。


ここまでの話は自動車メーカーとIT企業との「化学反応」の話でした。しかしながら、このような「異業種ならぬ異経験者同士」の「化学反応」は、何も自動車とITだけではなく、あらゆる分野において期待できるものであると思います。

今回は自動車メーカーとIT企業の技術者同士が、同じ時空間を共有しお互いの「思い」や「ビジョン」を共有することによって「すごい化学反応」が発生したものであると思います。


つまり、同じような「すごい化学反応」は、メーカー技術者同士でなくてもよいはずです。自分の属する業界業種を乗り越えて「異経験者」「異知見者」と同じ場で何か共通する目的やビジョンを共有していくことで「すごい化学反応」が起きるものと思います。


いつも会社のなかで同じ顔触れで頭を悩ますだけではなく、敢えて「異経験者」「異知見者」と一緒にアイデアを交換しあうことで互いにインスパイアされ、触媒となり「すごい化学反応」につながると考えます。


今回のホンダとソニーの事例を知って、これからの日本企業は積極的に「社外にある知見」をお互いに活用しあっていくべきだと思いました。
またそれは企業同士だけでなく産官学連携でもあっても良いと思います。そのような動き方が今後世界のグローバル企業を相手に日本が生きていく技術や分野を探索し、見い出していくための大きなチャンスの場になるのではないかと思います。

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