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絶対的なる不条理 〜死生観について、思考を展開してみる。

おおっと。なかなか重いテーマが来ましたね。今回の日刊かきあつめのテーマは「死」に関して。いつか死ぬって。避けて通れないものですよねーううむ。しみじみ。

自分の人生のすぐ隣にあるもの「死」は人生における崖っぷちのような存在?一歩足を踏み外すと転落して真っ逆さま〜!周囲から姿が消えるわけですな。

人間はいつか死ぬが、始終その事ばかり考える程暇な人間はいない。悲観的に言うならば、死というラストに向かって前進していくだけの人生なのに、死後どうなるかなんて誰も分からない。謎は解けない。不確定要素なのに絶対的としか言い様がない。何と奇妙な存在なのだろうか?

最近観た青春戦記映画(「KINGDOM(キングダム)」)では「とにかく生き残れ〜!」と王子様が主人公にお説教するシーンがあった。そうそう!とりあえず生きていれば、後からでもまあ何とか挽回は出来るっちゅうもんです。

◆生まれて初めての入院◆

こんな呑気な私鈴きのですら、ちょっとだけ死を意識?的な崖っぷち体験を致しました。はい。

人生で生まれて初めて入院手術を体験したのだ。

人間ドッグで引っ掛かってしまい再検査となり結果を聞いたところ「まーさかー!この私が?」とびっくらし過ぎて椅子からずり落ちたってゆうくらい驚きの展開だった。幸い生命の危機は無かったのだが、手術入院を勧められた。手術・・うーん。こういう病気は昔だったら助からなかったかもなあと思った。もしかして私は死んでたかしらん?(ちょっと大袈裟ですか?)

たまたま100年位前のスペイン方面の某有名画家さんのドキュメンタリーを観たのだが、何と!私と同じ病名の方がお亡くなりなるシーンがあった。可哀想でならなかった・・ゔゔゔ!

最近の統計調査を確認したところ、日本人の死因第1位に堂々「老衰」がランクインされていた。医学や技術は随分と発達してきたのだなあと改めてしみじみ思う。

◆プチ闘病体験記◆

昔から血は濃いわ血管太くて駐車針刺しやすいわ、風邪も滅多にひかないわ、で。朝礼でたまに貧血でお倒れになる薄幸の美少女が羨ましいわってゆうくらいどすこい!健康人間で育った鈴きのだった。

しかし実父が40代半ば心筋梗塞でぽっくり死してから、健康に気をつかうようになった。昭和は高血圧とか動脈硬化に無頓着な時代で、健康診断もなかったもので・・。とりあえず私鈴きの。高血圧にならないよう万年ダイエットとプチ運動に勤しみ、アンチエイジング対策もまあ万全!の人生を送っていた筈だった。

学生の頃から生き甲斐を「健康第一!!」と赤っ恥にも答え続け「目標小さくないか?」というツッコミをよく入れられていた事を思い出す。「そーゆー不健康ぶるやつが実は一番しぶとく長生きするんだよなー」(うーん。悪かったな!)「細く長く生きるよー!鈴きのちゃんは!」(まるでおばあちゃん扱い?)とか言われてさ。

限りなくベジタリアンに近い人間を目指していた。(途中から糖質OFFダイエットの方がトレンドの主流になったのでやめたけれど。)

しかーし。謎?の健康オタク!鈴きのにはやはり盲点があったのであーる!

肥満でないから成人病予防出来ている・・なんて初心者の考え。未だ知恵が足りないのであーった。がっくり。。

毎晩夜中まで出歩いてるわ、高血圧でなくても食生活のバランス崩れてるし、帰宅後コートを着たまま床やソファで寝てる事もざらにあった。どう考えても、不摂生不養生生活の賜物?オンナ鈴きのだった。逆にいつ病気になってもおかしくは無い状況だったのかもしれない。

入院が決定して「治療の為ちょっと休業生活に入ります!」と宣言しつつも見た目はどう見てもぴんぴんしてる健康な人にしか見えないので、大して誰も心配してくれなかった気はする。(まあそれはそれで幸せと言えるのかもしれない。)なるべく公にはしないようにしていた。不謹慎なお話だが、上には上がいるというかもっと重病な方も沢山いらっしゃるわけで。(※多少マメ知識?は付いたので、こんな私でももしかしたらお役に立てるかも?もし病名や治療内容など気になる方は鈴きのまで問い合わせくださいね。)

だんだん自分の健康に自信が無くなり「検査で別の病気が見つかったらどうしよう〜!」と逆にそっちも心配になったりして・・色々気になり過ぎて「どこからそんな不安要素をそんなに沢山見つけてこれるのかい?鈴きのちゃんまた掘ってくるね〜!」と周囲には呆れられていた。

◆はじめての入院◆

いよいよ入院生活開始!久しぶりに規則正しく健康的な生活を送ったのであった。治療というよりも最早デトックスを兼ねて休みに行った感じ。(ここまでくるともうホテルの勢いである。本当不謹慎な患者である。申し訳ありません。)看護師さんは優しいし、寝てても病院食は3食きちんと出てくる。隣の患者さんから御煎餅を頂きパクリ。人の心の温かさに涙していましたよ。(病院の世界って何てドラマなんだろう〜!「白い巨塔」ワールドを垣間見た感じ? おおっと!脱線!汗 )

病院のベッドはとても清潔。広々としている。窓からは太陽の光が燦々。

ぐうぐう爆睡する。

よく夢をみた。

寝てばかりいるから大して疲れていない。ずっとレム睡眠だったのだろうか?

手術の前、検査結果を待っている最中は大体において悪夢が多かった。

自分が病気で死んでしまう夢や、投獄される夢、詐欺にあう夢、もしくは自分が詐欺で捕まる夢とか・・。これでもかという位自分が社会的に失脚していく類いの様々な種類の悪夢をみた。(心当たりはないと思うのだが・・Ummu。)完治に向かうとだんだん悪夢で無くなり明るい夢になってくるので、人間もう単純というか不思議である。夢は深層心理を表すのだろうか?(※「死ぬ」系の夢は疲れている時によくみるそう。もし心あたりのある方はゆっくりしましょう。)

手術後、お肉とお肉がくっつくまでひたすらゴロゴロしているしかない日々を初めて送ったのであった。検査結果は無事良好。治ったらしい。よよよ良かった。こんな不養生鈴きのもとりあえずまだ長生き出来るらしいぞ。

病気に関しては、縁というか好きでなる訳でもないし。どうにも左右できないものなので何とも言えない。気を付けていてもどうしようもないことはあるらしい。(油断と過信は禁物ですな、と言えるだろうか?)

鈴きのの人生観もちょっと変わったかもしれない。

    ここで終了しようと思いましたが、未だ連々書き綴ってみます・・。

※以下「R15」指定させて頂きます。何卒ご容赦下さいませ。

◆ 悔しいーと騒ぐ!◆

しかし実は内心はなぜ病気になってしまったんだあと「腹たつわー」という焦燥感は感じていた。(腹が立って家の壁を一度(ちょっとだけですが)ぶっ壊しまして家族に怒られました・・そりゃそうですな(汗))

そして、人間ってちっぽけなものだなあと改めて思った。

懸命に働き、懸命に生きても意外と小さい。いつかは呆気なく死ぬ。そう思うと生にしがみついているだけのような? 死ぬ・・?ってさ。怖くてあんまり考えたくないよなあ。

そういえば昔、読んだサン・テグジュペリ(「星の王子様」の作者)の伝記。サン・テグジュペリは健康管理に対してはかなり妄執に近いほど執着心のあるお方だったらしい。常に万全の健康を期せるよう努力し病気にならないか?有る事無い事心配していたのだとか。サン・テグジュペリはパイロットなので、健康管理は手厳しくて当然といえば当然ではあるのだろう。しかし結局は呆気なく墜落死して帰らぬ人となってしまう。死因は図らずとも病死ではなく事故死になってしまった訳だ。 昔の飛行機はプロペラみたいなので動く。墜落事故の危険度は高い。パイロットは、当時はなんちゅうか冒険家というか、命知らずの人しか選ばない一攫千金のご職業だった。

その話が妙に思い出されてならなかった。

何故だろう・・?

◆ 危険を省みない命知らずな人たち◆

鈴きのは前述の通り気が小さくて健康第一?で生きてきた人間である。しかし、反対に命知らずな人たちというゾーンが存在する。(うひゃっっ!)ときには話題作りの為にわざと死にかけるかのような危険は行為に出てみたり・・。自分には絶対無理〜!すげえ!!と印象には残る・・確かに。。

自称文学研究家鈴きのは「死」という今回のテーマを聞いて坂口安吾さんの「不良少年とキリスト」を思い出した。若気の至りチキンレースとかそういった例を取り上げようかとも思ったのだが・・。

「不良少年とキリスト」は、明治大正時代の作家太宰治が入水自殺(情死)した際に、オマージュとして友人作家坂口安吾が上梓した作品である。

太宰治は東大卒のお坊ちゃま作家なので「あいつズルい!セコい!このへんでやめとかないなんて!大人げない!情けない!」とかゆうある種ぶうぶう悪口が書かれている。(勿論太宰への愛情がないわけではない。逆だからこそ然りの内容になっている。)

振り返ると手前味噌のお話で恐縮だが、新聞記者だった鈴きのの実父は、娘が太宰作品を読んでいると聞くと「暗いの読んでー!もっと健康的なのを読みなさい。ちょっとちょっとお!」と軌道修正の指示は出していた。

◆ 死にたがり◆

走れメロス」は教科書に必ず掲載されている友情をテーマにした健康的なとても有名で純粋な美しい作品である。が、太宰の最初に執筆したという小説集を読んでみると、どうも今すぐ死ぬことを前提としている作品集なのである。「人間失格」に近い内容である。子供は気付いていないが、こっちの方が実は太宰治の本来の作風であったと言える。

ネタにつまった缶詰作家が「明日死にます〜!」と口走ることはよくある時代だった(いや?今でもか?)と思うが「まさか本当に死ぬとは・・しかも若い女性を道連れに自殺だなんて・・。」坂口安吾は呻くわけである。

しかし死に方が派手である。大抵の作家は一人で死ぬものだが、道連れをわざわざ作った。(しかも女性ですよー!究極の女タラシというわけです。)しかも全部13という数字に引っ掛けているらしい。完全に「死ぬ」行為がパフォーマンス状態なのである。

13はキリスト教で、イエスの死を連想させる数字である。キリスト教では13は死人番号とされる。(日本でいうならば4番ですかね?)

自分が死ぬ事を想定として書いているからいつか死ななくちゃ・・しかし本当に実行してしまうなんて、太宰治という高学歴作家さんはなんというか生真面目ってゆうかなんとゆうか・・。うーん!いやはや絶句。

時間があったので太宰作品をちょっと読み直してみたら、やはりこうグイグイ引き込まれてしまう。こういう不健康な作家は反面教師とするべきであるとは誰もが思う。しかし怖いもの見たさについつい読んでしまう。ページが進む。ちょっと怪談とかオカルトに近い感覚なのかもしれない?(きゃっ!ファンの皆様失礼致しました!夢を壊してはいけない・・。いまでも女子高生を中心に人気があるそう。デガダンス派閥と呼ぶのか?)

お金があろうとなかろうと。頭がよかろうと悪かろうと。顔が良くても悪くても。皆平等に「死」は訪れる。太宰治はそこに不条理というか自分の文学のテーマを見出したのかもしれない。人気はとにかくあってファンサービスのいい作家さんだったと史実には残っている。だからって「一緒に死にましょう」って思うかなああ。いやいや。。絶対怖いっすー。。無理無理!日和見!鈴きの的には。。

令和現在においても、太宰治を尊敬する方々(クリエイターさん?)は多いようだ。確かに自分の価値を最大限にまで引き上げ(マイブランディング?)、自分の熱狂的な信者(ファン)を獲得したという羨望の的となる偉大な芸術家の一人だと言えるだろう。

惜しまないファンサービスとともに「自分の為に全てを捨ててくれますか?」誰もが一瞬は憧れるが、普通は二の足を踏む。手を出したがらない禁じ手の究極のテーマ。その究極に敢えてトライし、やり切った感のあるところに太宰美学や天才作家の称号は付いて回るのかもしれない

2019秋には改めて!新作映画公開されるようです!!(最近また太宰治リバイバルブームがキテるのかしらん?流行っているのかな?今回はカメラマン出身の蜷川実花さん版だそうです!

ドロドロとした豪華絢爛の世界をとくとご覧あれ!? 小栗旬さん演じる太宰治と3人の女たち。

→公式サイト

◆ 別に死ななくてもいい◆

偉大な作家さんのイメージというと早死にしてしまうクレイジーな人たちという印象は拭えなかったが、最近はもうちょっとソフトな印象に落ち着いているのではないかと思う。

こんな鈴きのも某著名作家さん(※某週刊誌でよく見かける方です)を囲むOFF会に参加したことがあるのだが、クリエイティブワークの話が出た時に「いやあー自分としては死なない程度の創作活動が理想」みたいな事を図々しくもふわっと話した気がする。作家活動としては失格な発言だと重々承知の上ではある。

「いやあすぐ死にたくないし!そんなの不毛だし!」と思ってるので、そこは正直に発言してしまう・・。当の囲まれた著名作家さん御大ご本人は「それはいいね!」と社交辞令かもしれないが、笑って返答してくださった。(いやむしろ呆れていたか?)かえってウケていたようだ。「この天才売れっ子作家の俺様の前でそんな発言をしやがるとは!」と本心では思っていらっしゃったかもしれない。とても度量の広い方である。(※●●先生!僭越ながらこれからも応援しています!!)

芸術とは?ギリギリ寸止めが美しい真実・・?というのは悲しいのだが事実だろう。「あああ!あの「死にたがる人達」にはとても叶わない」(んん?何やら故人的な扱いですな・・。)誰しもがそう思いを馳せているわけである。実際どう解釈して創作するのかは人それぞれではありますが・・。

ぼーっと生きてきて、鈴きの、たまたま入院して。まあ死にはしないけど、全身麻酔から目覚めていく中で・・・・自分が死なない程度・・?何かコレ!と思うものを成せたっけ?とちょっと反省してしまった。呑気に過ごしているとあっという間に時間が経ってしまう。

プライベートではたまたま未婚子ナシだったので心細くなったのか「あーそろそろ本当に結婚しよう!」と改めて図々しくも思った。(→私のプライベート情報なんていらないって?いやああ反面教師だと思ってくださいな!「人生は計画的に!!若いうちから積み立てておくのだー!年金のように??んん?

ライフワークに関しては、そういえば大体の作品が完結した事ないのである・・。しーん。。ズボラな私の事だから推敲にトライする気骨みたいなのもなかなか育たなかったし・・こここれは・・。

自分を見つめ直すいい機会なのだろうか・・?

あわよくばそう思っていようか?

-The End -

※長文蛇文?お付き合い頂きまして有難うございました!(今回はまたまた長かったかしらん・・汗 終わりますフェイント入れたのに・・文章ループループ?そこで終わらないしいい・・汗)読了お疲れ様でございました!! 

出典:

● 「星の王子様」「夜間飛行」 サン・テグジュペリ

● 「不良少年とキリスト」 坂口安吾

●「 人間失格」「晩年」 太宰治

● 「人間失格」(映画) 製作:日本 監督:蜷川実花 キャスト:小栗旬 二階堂ふみ 宮沢りえ 沢尻エリカ

● 「キングダム」 (映画) 製作:日本 監督:佐藤信介 キャスト:山崎賢人 吉沢亮

● 「点と線」 松本清張

●「太陽の季節」アルチュール・ランボー

● 「太陽と月に背いて」(映画)製作:英国 監督:Aホランド キャスト:Lディカプリオ

●「ピーナッツ」(漫画)C・シュルツ

Textby:  SuzukinoAyako   鈴きの彩子

編集:アカ ヨシロウ →

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