私たちの勝チ!

まずは、ありがとうございました。

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13日間全18ステージ、ゲネプロも入れれば20ステージ。
アリスインプロジェクト 第93回公演
『DANCE DANCE DANCE 〜Dark Dungeon ver.〜』

無事に終演しました!!
ご来場そしてご声援、誠にありがとうございました!!

プロデューサ氏が仰るには全公演の平均着席率が90%以上だったとのこと。つまりほぼ全ステージ完売公演です。こんなことあるかね!? いや、ない、滅多に。
そんな滅多なことが起こった奇跡の公演でした。
奇跡は一人じゃ起こせない。キャスト・スタッフ皆から発せられ続けていた「なんか楽しそうさ」がお客様へ届いた結果なのかなと思っています。
インフルもコロナも15人降板もなく無事に駆け抜けられてよかった……。

はじめましてのアリスさん。

ところで今回、アリスインプロジェクトさんとは初めまして。これまでの作品を拝見する機会もないまま演出に挑みました。無知の知ってやつですか? 違いますね。
やってみて思ったことは、まずこの場所でないと出会えなかった35人の俳優たち(+メンバーの2人)とこうして芝居を作れる機会を得られたことが財産だったなぁと、しみじみ感じております。ありがたや〜ありがたや〜。
「出会い」はタイミング。今回はその廻りがよかった。運がいいね。本厄なんだけどね。

そもそも何で参加したん?

……って話ですよね。ほんとうは、12月の『ヨンコマ。』を終えたら4月の鈴木区本公演までは期間を設けて、執筆やインプットに使うつもりでした。海外旅行も決まってましたし!(※これはちゃんと行った)
んが! あれは確か9月のマルガリータ企画に演出として参加していた本番期間中。場所はシアターKASSAI。マチソワ間。のんびりとケータリングをつまむ鈴木に悪い顔した大人が二人、近づいてきました。正体はバンタムクラスステージ細川博司さん、ボブジャックシアター扇田賢さん。

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「なんかさ〜アリスの人が今日観に来ててさ〜なんかさ〜一度お会いしたいって言ってるよ〜?」
俺知ってるこのパターンロクなことがないやつだ!、と察し身構えるも、まあ当然逃げられるわけもなくスッと拉致られ、アリスさんの首脳陣とお会いする流れとなったのでした。そこで2020年1月公演の演出家並びに上演演目が未決だという話を聞くのですが、これも出会いかなと思ったのと先輩演出家お二人がお墨付きをくれたこともあり、二つの条件付きで引き受けることに決めたのでした。
一つめの条件、それは──

「コメディであること」

「芸能」という言葉の「能」は能力、つまり技術や経験値のこと。「芸」というのは、そんな「能」を以て人に何を与えるか、であると。じゃあ自分の芸能はナンジャロネと鑑みると、やはりそれは「笑い」である、と。もちろん原作モノの作品ではそんなワガママはまかり通らないわけですが、上演演目が未決なんであれば出す条件は一つ、「コメディであること」でしたね、ハイ。
そこでアリスさん側から複数の上演台本を提示されたんですが、あったのですよ、その中に、一際興味を引くタイトルが!

そう! それが、それこそが、

『セブンフレンズ セブンミニッツ』(脚本 松本陽一)だったのです。

いやそこは『DANCE DANCE DANCE』だろwww
って声も聞こえてきそうなもんですが、鈴木区結成前の多感な時期を劇団6番シードさんのコメディで過ごした鈴木としては「あっ、トムさんの作品だあ」ってなるのは至極当然の流れなのでして……。
とはいえ、まああれです、「最近屋上モノが続いておってのう」という主催側の意向もスッと理解し、読ませていただいた台本の中で一番鈴木にフィットしそうなニオイのあった『DANCE DANCE DANCE』を選ぶことに決めたのでした。

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こういうのも含めてのタイミング、ですねぇ。ほんでもう一つの条件、それは──

メンバーを出演させてくれい。

わかってます、わかってますよ、鈴木区の女衆が「ガールズ演劇」という美しい世界に合わないのは、わかってます。がしかし、初めて踏み込む世界だからこそ、自分の意思を作品に反映できる女優が僕には必要でした。結果的に、

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メンバーの戸田早奈美(左) 橘実咲季(右)
が出演する流れに。めでたしめでたし。公演をご覧になった方にはお分かりかと思いますが、本人たちには「全登場シーンで笑いを取れ」とイロモネアみたいなハードルを課しました。はじめまして。あれが、あれこそが、劇団東京都鈴木区です。誇らしい! い〜いコメディエンヌでしょ? 彼女らには今回、「演出助手」も兼ねてもらったりと助けられました。ありがとう。
にしても、千秋楽のダブル竹林時子は……やってくれたなぁ!!

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戸田に関してはじつはアリスインプロジェクト立ち上げ前の『みすてり!』出演者だったりもするので(当時のキャストはたったの6人!)、その頃から観てる方の目に、今回の大暴れっぷりはどう映ったのかな? 気になるところ。

全員、天才!

稽古と本番を経て感じたのは、キャストみんなの若さ。申し分ない若さ。平均年齢19歳くらい? マジ若さは才能。鈴木区にも若者が出ることはあるけど、あの数でエンカウントすることは流石になく、まさに気分は異世界転生。楽屋もアップ中も帰り際もずっとうるさい。もちろん稽古場も。ステキなことだね!
うるさいというのは生命力=パワーだ! とおっさんは思うのでオールオッケイ。
若さ故に今後どんな人生を歩んでゆくのか……そんな刹那的な儚さ込みでのアリスイン、という名前なのだろうね。なんて。
結城美優なんて稽古初日から誰よりも大きな声で場を盛り上げてくれていてすげぇ助けられたなあ。佐藤琴乃も全力でコメディしようとテンションを上げて挑んでくれたり、聞間彩&鈴木楓恋に関しては初の主演でとんでもないプレッシャーだったろうにずっと挫けないで立ち続けてくれたし、永瀬がーなはリズムキーパーとしてハードなテンポで芝居してくれたし、今回振付師として全14曲を担当してくれた新木美優なんて、二十歳だぞ!? どうなってんだ一体。
ああ書ききれん、みんなのこと書きたいけどさすがに無理だあ、察して!
今回出てたみんなの芝居を、もっと観たい。これからどうやって生きていくのかを見守りたい。鈴木はそう思ってます。
チケットノルマが無いことやギャランティが貰えることが当たり前になった時代、もしかすると今、小劇場にはとんでもない天才が集まってきてるのかも知れんぞ。10年で変わったなぁ〜。
と、演劇ガラパゴスな鈴木区は思ったのでした。

やってよかったね。

てなわけで、初のアリスインプロジェクトさんでしたが、35名の魅力的な俳優と出会えたことはホントに財産でした!! 世の中にはまだ見ぬ天才や怪物が存在しているのだなと知れたし、連日、鈴木区まわりの愉快民が来てくれて熱い感想(と推しの部活)を伝えてくれたのも嬉しかったな。
MARINA NEOによるステキな楽曲、新木美優による圧巻の振付、そしてキャスト・スタッフ全員のダンスフォースによって支えられた作品でした。演出もお褒めいただけて嬉しいです。麻草郁さんのホンの魅力を少しでも引き立てられればと尽力しました。
稽古が始まる前に麻草さんとお話しする機会があった際、作品世界の印象として僕は某トリガー作品の名前を出したんですが、どうやらそれが正解だったようで、そこで一つ自信がついたのもあります。
受け入れてもらえてひと安心です!

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これにて鈴木の、アリスインプロジェクトへの異世界転生の旅は終わり。またいつか召喚されることがあったなら、大きな笑いと喝采を全力でお届けできればと思います。
このたびはお呼びいただき、そして僕らに興味を持っていただき、ありがとうございました!
控え目に言って、ちょうたのしかったです。

ぺこり。

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──さて。
ここから先は、諸々の本音とちょっとした裏話をつらつらと書こうかな。大それたことは書きませんが、以下は、初のnote投稿のお試しも兼ねて「有料記事」でやらせてください。
(注:読まんでもここまでじゅうぶん書ききってはあります!)

科学部の人たちとの謎の時間。

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