RX <外伝> メインイベント⓪ ♪Self Help
あらすじ
悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
<本編>
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す
<外伝>
10年後 RXは人生を懸け、運命の決戦に挑む
RX 〜悩める若者への処方箋〜
⭐️<外伝>メインイベント 第0話
人気プロレス団体、
DRAGON GODZ (ドラゴン・ゴッズ)
年間最大イベント、
第30回 龍神伝説 ワールドアリーナ大会
チケットは完売。アリーナは超満員。
大盛況の真っただ中、
いよいよクライマックスを迎える。
" 王者 剣国ムサシ VS 挑戦者 R X "
巨大なスクリーンに表示されたのは、
この日の最後となる対戦プログラム。
最高峰のチャンピオンベルトを懸けた、
神聖なタイトルマッチ(選手権試合)だ。
全国から集った何万人ものファンが、
期待を膨らませ、緊張が高まる場内。
すると照明が落ち、辺りは闇と化す。
そこへ流れ始めるテーマ曲のしらべ。
まず登場したのは、緑色に彩られたガイコツ
の覆面を着けている正体不明のマスクマン。
入場ステージに姿を現した途端、
会場の声量が一段と大きくなる。
だがそれは、歓声ではない。
憎悪に満ちたブーイングだ。
またたく間に音楽がかき消され、
耳をふさぎたくなるほどの罵声。
そう、彼はヒール(悪役)レスラーであった。
ステージ中央で立ち止まり、腕を振りあげる。
同時に後方から勢いよく花火が噴射。
火薬の爆発が目や耳を強く刺激する。
日常では味わえない、非現実的な興奮が舞う。
そして再び歩き出す。前だけを見つめ、
長く続くアリーナの花道(入場通路)を、
野次の荒波をかきわけながら先へ進む。
レスラーとしては、かなり小柄な体格である
挑戦者は、不気味に黒光る、
鉄製の折りたたみイスを片手に携えていた。
ようやくリングに辿り着くと、
その名がマイクで紹介される。
「青コーナー、チャレンジャー。
160センチ 70キロ、
ア ー ル エ ッ ク ス ! 」
四角い形をした戦いの舞台に、
ひとりの男が乗り込んでゆく。
忘れがたい過去と向き合い、
自分自身を取り戻すために。
人生最大の決戦が、
いざ、始まろうとしていた。
<つづく>
♪イメージソング
次回は来年1/7(日)に投稿予定
⭐️メインイベント 1話⭐️
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