RX <外伝> メインイベント③ ♪Prayers


あらすじ

悪役レスラーRXの壮絶過去 17才の成長物語
少年時代 学校生活 精神病院 そして闇は光へ
<本編>
1章 病弱な少年は、レスラーの強さに憧れる
2章 事件が起きて居場所を失い、独りで苦悩
3章 ストレスで絶望感に襲われ、精神病院へ
4章 退院後、うよ曲折を経て希望を見つける
5章 再びレスラーの夢へ、デビューを目指す
<外伝>
10年後 RXは人生を懸け、運命の決戦に挑む


前回はこちら ↓



RX 〜悩める若者への処方箋〜
⭐️<外伝>メインイベント 第3話



-10分経過-


ファンに夢と勇気を与え続けてきたリング。


しかし今、我々が見せられているのは、

残酷きわまりない、弱肉強食のショーだ。


満身創痍のRXは這いつくばりながら、

辛うじてリングへ戻ったものの、

 再び王者の犠牲者となってしまう。


人形のように高々と持ち上げられては、

 面白いように軽々と放り投げられる。


冷酷無比な王者は延々と、

さまざまな得意技であらゆる角度からRXの

 骨肉を粉砕させてゆく。


観衆はとうに戦慄していた。

支配的な脅威の強さを目の当たりにし、

 さながら処刑場のような絶望感が漂う。


文字通り、足元にも及ばないRXの顔面を、

王者は平気で踏みつけ、上からこき下ろす。


「いいか。ここは、お前みたいなザコが上が

っていい場所じゃねえ。とっとと引っこめ」


格の違い、レベルの違いを見せつけた後は、

RXの首をわし掴みし、

 体ごと上空へ持ち上げ、

じわりじわりと息の根をしぼり取っていく。


やがて完全に首が絞まり、窒息したRXを、

高さ2メートル超からマットへ叩き落とす。


<チョーク・スラム>


あえなく撃沈。苦悶を通り越し、息が絶え、

失神ダウンしてしまった再起不能の挑戦者。


「・・・・・・」


大の字に倒れている中で、

走馬灯のように脳裏をよぎっていく何か。


頭を強く打ちつけたからか、

 はっきりしない視界と思考の数十秒間。


お前の人生そんなものか。


目線の先は、はるか上空の天井。

 しゃく熱のライトが照りつける。


意識は遠のき、感覚は曖昧に。それでも、

 決して手離すことのない確固たる決意。


ここで諦めてしまうのか。


かすかに拳を握る。

そう簡単にギブアップするわけには、

 このまま終わるわけにはいかない。


生きることを受け入れた、

 あの日の覚悟を思い出せ。


くたばってたまるものか。


どうにか息を吹き返すRX。

ロープを掴みながら、よろよろと起き上がり

 コーナーに もたれかかる。


「大丈夫か?続行できるか?」

レフェリーが駆け寄り、容態をチェックする。


そこへ突撃してきた王者。

 RXは間一髪で回避し、

逃げ遅れたレフェリーに誤爆した。


<つづく>


♪イメージソング

グッド・シャーロット「プレイヤーズ」
祈っても何も変わらないと言う少しネガティブなバラード🙏因みにこの曲の収益は移民や難民の方への支援団体に寄付されるそうです


次回は 4/7(日)に投稿予定
⭐️メインイベント 4話⭐️



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