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市民参加型研究「みんなのミドリムシプロジェクト」の意義について

みんなのミドリムシプロジェクトは、日本全国にいるミドリムシを各地から研究室に送ってもらって、そのミドリムシの調査結果をレポートして、いいものについては産業利用して社会課題の解決に貢献しようとするという意欲的なプロジェクトです。

2020年度はクラウドファンディングのacademistさんのプラットフォームを活用させてもらって、無事に100%の支援を達成することができました。プロジェクトのサイト(支援&参加は7月30日まで) ⇒ 家族で研究に参加しよう! みんなのミドリムシプロジェクト2020

もともとの発端として、ミドリムシをはじめとする微生物研究の面白さを自分たちの取り巻く人達に伝えたいと思っていたところに問題意識がありました。研究インフラが整った2019年4月から理化学研究所と株式会社ユーグレナのコラボレーション企画としてスタートすることができました。

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いろいろなミドリムシの光学顕微鏡画像

ミドリムシと一口にいっても様々な種類のものがいて百種類以上の報告例があります。ミドリムシ関連の数ある研究の中でも、身近な水辺から採水をしてきてその中に何がいるか調べるということは、直観的にもわかりやすく、研究としての一定の意味があるので、半ば自分の趣味としても学生時代から継続してきました。

そういったこともあって、新しく会社に入ってくるメンバーには研究職でなくても、研究に関する研修も設ける際には、どこかで水をすくってきてもらって、顕微鏡でみてもらうということも行ってきて好評でした。

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2020年度も、コロナ禍という状況にありながら、感染のリスクを軽減しながら実施できる方法を模索して、家族単位での参加であれば実施が可能だということでクラウドファンディングを活用した展開を開始しました。

プロジェクトの意義が多面的にあるのが一般的なクラウドファンディングにない魅力かなと考えています。主に、①市民参加 ②人材育成 ③新発見 ④社会還元の4点です。

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単に、資金だけを集めるのではなくて、ミドリムシが入っている可能性のある水という形で、サンプルの提供という形で研究に参加しながら、学術的にも、産業的にも貢献できる点が特徴的だと考えています。

クラウドファンディングで支援をしてもらった人の中から希望する人に、サンプリングのキットが送られて、そのキットを用いて水を採取して鶴見の研究所まで送付してもらう仕組みになっています。

採取キット1_文字入り

送付されるサンプリングキット

2019年は高校生のチームに協力してもらって、成果も一部ではじめました。その動画にまとめたものはこちらです。↓

2020年もクラウドファンディングの形式で、昨年よりも多くの支援が得られる形で、無事にプロジェクトをスタートすることができました。

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2020年度はプロジェクトのTシャツも作成することができて、これを着てサンプリングに出かけてもらえると嬉しいです。

「理科離れ」などが問題とされだしてから久しいですが、日本の一般の方の科学リテラシーの向上に少しでも寄与することができれば幸いです。

また、プロジェクトのQ&Aや、研究の進捗などは追って報告させてもらうつもりです。

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