新宿スバルビル

 今、恵比寿にスバルの本社があるが、その中にスバルスタースクエアというスバル車展示施設がある。その前は、新宿スバルビルという建物の中に本社があり、長らく新宿の地で企業の歴史を創ってきた。その新宿スバルビルの中に、2台ほど車が展示されているスペースがあった。絶対的な空間はかなり狭かった記憶があるが、展示内容や、壁に貼られた広告物の数などもあり、非常に濃密な空間だったと思う。

 新宿スバルビルには2回行ったことがある。1回目は中学生の時だ。当時の新宿駅新南口から高速バスに乗るのに、時間があり、せっかくだからと、父が連れて行ってくれた。当時はマイナーチェンジしたWRXSTI5doorのAラインという2.5リッター水平対向4気筒ターボに5速ATを組み合わせたグレードが展示されていた気がする。新宿スバルには受付の方がいらっしゃって、カタログをもらうことができた。ここで結構な数のカタログをもらった覚えがある。(今もそうだが、当時の私は普通考えたらありえないことばかりしていた・・・)当時私の父が、ものすごく頭を下げて、「すみません、ありがとうございます。」と言っていた記憶がある。2回目は、恵比寿移転の前年である2013年だ。このときは、XVハイブリッドのアイサイト無車とレガシィアウトバックの特別仕様車が展示されいた。この時はWRXSTI4doorに台数限定で登場した、RA-Rという、タンジェリンオレンジのボディカラーが設定されたモデルのカタログをもらった記憶がある。今も書庫から引っ張ってくると出てくると思う。2013年の訪問が、新宿スバルビルの見納めになった。

 そして、tvk(テレビ神奈川)のクルマでいこうという番組が毎年実施している、視聴者が1年間で最もよかった車を選ぶ企画でBRZが受賞した記念に贈呈された、番組オリジナルのナンバープレートの写真を撮影した。tvkの自動車番組は三本和彦先生の新車情報から続く、歴史ある番組枠で、私が住んでいる地域では、深夜時間帯に長らく放送されていたので、馴染みある番組でもある。

 2014年に、スバルは新宿から恵比寿へ移転した。ショールームも広く、多数の展示車を用意することが可能となり、スバルオリジナル商品を購入できるようになった。東京スバルの販売店の機能も持っている、多機能型の施設になった。父は、新宿の限られた空間で味わえた優越感が忘れられないそうで、しばらく恵比寿のスバルスタースクエアには慣れなかったそうだが、私は新宿の良さを引き継いで、現代的な施設になったと思っている。スバルスタースクエアは、伝統と進化を重んじたからこそ実現できたと考えている。

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