軽トラとは思えないアクティトラック

 ホンダが、アクティトラックの生産を終了してしばらく経ったが、時々、乗るとすごいと思うことがある。基本設計が30年近く前から変わっていないこと、元々不採算事業であったことなどから、投資ができなくなったため、歴史に幕を下ろしたわけだが、スズキ・ダイハツ勢と比べても明らかに車としての造り込みが高いのだ。設計が古いのだが、その分熟成されているように感じる。エンジンは、スペックを見る限りはライバル勢に劣るのだが、実際運転すると全然そんなことはなかった。中低速域での伸びがまさに、スポーツカーのような高回転指向なのだ。本当にこの車、軽トラックのエンジンなのか、と疑ってしまうぐらいであった。そして、ボディ、ステアリングもしっかりできている。特に、ステアリングの直進性は軽トラックなのか、商用車なのかというのを本気で疑いたくなる完成度であった。
 こんな名車が生産を終了し、次期型の予定もない、とても寂しいと思った。

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