おかしな音色とコンサートの構造解説

 自作ゲーの解説……というかこういう意図でゲームをああいうふうに構成したんだよ、という話をします。シナリオの内容解説はしません。プレイヤーの解釈に任せます。シナリオの意味等が気になるときはマシュマロ等で聞いて下されば答えます。

 ※このnoteアカウントは雑記を書くのに用いることが多く、自作ゲーの解説や制作過程は他のページにはあまりありません。ご留意ください。

 一応プレイ済を想定して文章を書いていますがプレイしてなくても大丈夫ですし作中資料を全部読んでいなくても大丈夫です。そんなネタバレになるような内容ではないはずです。


 まず立ち絵の有るキャラクターは三人とも「性別はプレイヤーに任せる」という設定です。なのでシナリオ中で三人を指すときに彼や娘といった性別を指定するような言葉を使っていません。「親友」、「好き」という言葉もシナリオから省きました。娘等の表記はゲーム内では〇〇家の子などといった表記になっていますし、親友等の表記は大切といった言葉になっているはずです。
 登場キャラクター全員の名前が性別をどっちとも捉えられるということに制作途中で気付いたので、「じゃあ全員性別未設定でいっか」ということで設定変更されました。
 主人公は初期設定は男の子だったので昔の私の文章だと、かのん“くん”と表記されてしまっている物がありますが、繰り返しますが初期設定です。ゲーム版だと性別未設定です。一人称俺ですけどね。(一人称が俺なのも初期設定が男の子だからです)


 主人公の話を出したので主人公の話をしますが、シナリオを全体を通して「主人公にプレイヤーが感情移入しないこと」を意識していました。主人公が終始わりと可哀そうな目に遭うのでプレイヤーが感情移入して気分悪くしないようにしたかったんです。具体的にどうしたかというと

・主人公の過去を具体的に描写しない(過去の描写が必要なシーンではこういうことがあったんだよという主人公の追想だけで流し、回想シーンは入れませんでした)
・主人公が友人のことを大事に思っていることをプレイヤーに見せておきつつ、プレイヤーから主人公の友人の性格は掴めない(友人登場シーンがあまりない)

 のように、主人公も主人公の回りも少しぼかして描写しました。

 内容が内容なのでサムネ(タイトル画面)もあんまり力を入れないようにしました。手抜きではなく……サムネでプレイしようとはならない具合に……という意図です。その意図でサムネを作ったら盛大に作画ミスしてしまいました。(手の前と後ろを間違えました)今は直ってます。

 サムネイルの意図の話をしておきますと、背景は緑ルート(bitter)のそれとして、手のポーズは「指先と指先を合わせると脈が取れる」(やってみてください、指先同士でどくんどくんという感覚が伝わってくると思います)ことからサムネイルの今は鼓動の鳴る生きた人だよ(これからそうじゃなくなるかもね)という意味です。それに加えて作中のキーポイントである「ピン・ペンダント・手」を見えるところに置かねばならなかったのでああ見えて情報量が多い画面になっています。(それに加えて作画ミスをしていたんですから情報過多でしたね)

 シナリオ構成の意図として、「作中に起きた出来事の理屈は出来るだけ説明しよう」というものがありました。理由は忘れました。確か「CG集(イラスト集)でいいじゃん」って言われないようにしたいとかだったような気はします。(この辺りがあいまいなのは、シナリオを組み始めたのは去年の冬ですが、ノベルゲーム制作を考え始めたのは去年の夏で約一年前のためです)  
 実際読むかは別として、ゲーム内に実装されてるものを全部読んだらシナリオ中に起きた出来事の理屈は分かるようにしました。
 結構ゲーム制作期間の最終版まである一か所の理屈の説明を入れるか入れないか迷った記憶があります。最終的に入れない判断をしました。その一か所だけ分からない所の答え合わせを、別のゲームとして出すかもしれないし出さないかもしれません。

 短いゲームで、シナリオの理屈を可能な限り説明しようとしているので、文章の大半がなにかしらの意味があります。説明が多いので飽きないように効果音を入れたり、立ち絵差分をたくさん用意したりしました。わりと大変でしたね。


 これからはゲームのシステム(構成)がどうしてあのような形になったのかを説明します。ノベルゲームを作るのは初めてでしたから、

・せっかくゲームを作るのならスチルをいっぱい描きたい!
・でもゲームを長くすると不具合もいっぱい出るだろうし出来るだけプレイ時間は短くしたい!

 ということで一つボタンを押すとバッドエンド直行×3という形になりました。この形もこの形で課題があったのはリリースから10日位フリーズ地獄をかましたところからも察せられますね。

 リリースして10日位、ブラウザ版でバッドエンド(とビターエンド)は機能して他エンドに行こうとするとフリーズするというバグが起きました。簡易的に作ったのでバッドエンドは一つバッドエンドを作ってから他のバッドエンドをコピー&ペーストで作りました。そのため、プログラム的にバッドエンドが一つ動作するとバッドエンドルートが全部動作してしまいます。ですので機能しないルートのシステム構築をミスってるんだか、使った素材の中身をミスってるのかが分からず片っ端から修正するはめになりました。(結局は音楽ファイルの形式のミスでした)
 ノベルゲームがどうして基本的に一本道なのかが心の底から理解できましたね。次回作を作るなら一本道(もしくは最後だけ分岐)にします。


 シナリオ構造の話は以上です。

 さて、この場でゲーム制作、ゲームプレイをしていただいた方々に感謝と謝罪をさせてください。

 今回のゲームでは想像以上に様々な方々に協力していただきました。シナリオチェックをしてくださった方々、イラストの進捗確認をしていただいた方、ブラウザ上でのテストプレイ方法を教えて下さった方々、テストプレイをしてくださった方々、フリーズ箇所を報告してくださった方々、ありがとうございました。そしてフリーズ地獄に付き合わせてしまいすみませんでした。

 もう一つ、スチルの追加を予定しているということを何度か言っていましたがだいぶ遅くなりそうです。体調と、気力的な問題と、現実的な問題が重なり合っているためです。年単位で遅くなるかもしれませんのでお待ちいただいていた方がいらっしゃったならすみません。
 
 これは余談なのですがfanboxの開設かboothでの安価での作品販売をするかもしれません。一応現時点で事実上の続編である「つきみコンポート」「バルのカイトウ」(+TRUEの後日談)のシナリオ制作は細々と行っております。制作が進み情報等出せる余裕があればFANBOXで情報を出す形になるのではないかと思います。
 あくまでかもです。あまり期待せずにそうなんだなぁ、とだけ思っていただけると助かります。

 ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。それではまた。


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