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サウジ・ツアー2022第3ステージ&エトワール・ド・ベセージュ2022第2ステージ&ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2022第2ステージ

昨日に引き続きサウジ・ツアー、エトワール・ド・ベセージュ、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナの3レースを一気に振り返っていく。

サウジ・ツアーは大会2回目の集団スプリント、エトワール・ド・ベセージュは2日続けての激坂スプリントフィニッシュ、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナはやや登り基調の集団スプリント。

今年最速を占う注目スプリンターたちが争う1日となった。


サウジ・ツアー2022 第3ステージ

奇数ステージはスプリント、偶数ステージは登りフィニッシュが用意された今年のサウジ・ツアー。第3ステージは今大会2回目の集団スプリントステージとなった。第2ステージはこちらから

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とはいえ、アクチュアルスタート直後に大規模な落車が発生し、そのあとは横風で集団が大分裂するなど混乱が巻き起こる。そんな中、逃げに乗ったのはおそらく以下の3名。

アントニー・テュルジス(フランス、28歳、トタルエナジーズ)
ベンジャミン・デクレルク(ベルギー、28歳、アルケア・サムシック)
エドワード・プランカールト(ベルギー、27歳、アルペシン・フェニックス)

強烈な向かい風の中、このうちのテュルジスだけが生き残り単独逃げの格好に。

途中、イーリョ・ケイセとチームメートのニッコロ・ボニファツィオが集団から抜け出して追いかける時間もあったようだが、それもすぐ引き戻されて結局はテュルジスの単独エスケープが延々と続く格好に。

向かい風基調ということで全体がスローペース。非常にゆったりとした1日を過ごしていくこととなった。

残り15㎞地点に用意されたボーナスタイムポイントでは、集団内で2位3位争いが勃発。総合首位ブイトラゴのためのボーナスタイム潰しとしてバーレーン・ヴィクトリアスのヤッシャ・ズッタリンが2位通過。そして、総合4位のルイ・コスタが、総合3位のアントン・チャーマを差して3位通過を果たした。

残り13.8㎞でテュルジスもついに集団に捕まり、先頭は一つに。

残り11.7㎞でクイックステップ・アルファヴィニルが横風分断を仕掛けようとするもうまくいかず、結局は大集団のままフィニッシュへと向かうこととなった。

残り2㎞でクイックステップとロット・スーダルとバイクエクスチェンジが3枚ずつで先頭付近に。

残り1.5㎞でクイックステップがやや後退する一方、右からはボーラ・ハンスグローエが上がってきて、先頭はバイクエクスチェンジ、ロット・スーダル、ボーラの3列が3枚ずつ横並びに。

残り1㎞でバーレーン・ヴィクトリアスのカミル・グラデクがジョナタン・ミランを牽引して先頭を突き進むが、この距離でアシスト1枚はややきつい。その背後にはダニー・ファンポッペルを最後尾に置いたボーラ・トレイン。左からはバイクエクスチェンジトレインで、ロット・スーダルが中央でやや包まれる。

その後、案の定失速したバーレーン・ヴィクトリアスを尻目に、マキシミリアーノ・リケーゼがフェルナンド・ガビリアを牽いて先頭に飛び出してくるが、やはりこれも早すぎるタイミングの加速。元々ポジションを落としていただけにこの動きは仕方ないが、結局ガビリアもあまりにも早すぎるタイミングで宙に放り出される結果となった。

そのガビリアの横を加速していく、ルカ・メスゲッツ。その背後には、チームの新エース、ディラン・フルーネウェーヘンの姿が。

完璧な体制。すでにライバルのボーラもアルケアもDSMもそれぞれエース一人だけとなっている中、バイクエクスチェンジだけが発射台を残して先頭を突き抜けていく。

最後は悪いポジションが単独で一気に上がってきたカレブ・ユアンに差されそうになるものの、第1ステージのロット・スーダルよろしくアシストによる完璧なリードアウトを経て、フルーネウェーヘンがチーム移籍一発目の勝利をもたらした。

2020年のツール・ド・ポローニュでのあの衝撃的な事故以降、どうしても影が付きまとう元最強スプリンター。

その新チームでのコンビネーションはひとまず安心できるものであり、その強さを十分に発揮できる機会をこれからも多く得ることができるのか。


エトワール・ド・ベセージュ2022 第2ステージ

南仏ガール県のステージレース。第1ステージはこちらから

第2ステージはサン=クリストル=レ=アレスからルソンまでの156㎞。前日はミストラルの影響で大混乱に陥ったプロトンだが、この日は平穏に。逃げは以下の4名。

アレクシー・グジャール(フランス、29歳、B&Bホテルス・KTM)
イェンス・レインダース(ベルギー、24歳、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
マルティ・マルケス(スペイン、26歳、エキッポ・ケルンファルマ)
トマ・デュニ(フランス、25歳、Goスポート・ルーベリールメトロポール)

残り30㎞手前から始まる2級山岳コート・デュ・プラデル(登坂距離6.4㎞、平均勾配4.5%)の登りで逃げはすべて捕まえられ、集団からはコフィディスのレミ・ロシャスや、グルパマFDJのセバスティアン・ライヒェンバッハなどが飛び出す場面もあったが、すべて最終的に引き戻される。

そのまま大集団のままフィニッシュへと向かうが、最後は登坂距離1.6㎞、平均勾配6.3%の登り。

とくにラスト1㎞が12%の超激坂で、この日も登れるスプリンターたちによる勝負が繰り広げられることになりそうだ。


最初はディエゴ・ウリッシ率いるUAE、続いてアルベルト・ベッティオル率いるEFエデュケーション・イージーポストが集団を牽引。さらにアルケアもアシストが前を牽き、左からはUno-X――昨年のツール・ド・ラヴニール総合優勝者のトビアスハラン・ヨハンネセンも上がってくる。

そしてこれらを押しのけて先頭に立ったのが前日の覇者マッス・ピーダスン。GPマルセイユから続く好調を維持していきなり2連勝を達成してしまうのか――と思っていたら、その背後から、コフィディスに移籍したばかりのブライアン・コカールが上がってくる。

登りスプリントの名手ピーダスンの横に並びかけるコカール。そのまま粘りを見せて、最後はついにピーダスンを追い抜いてフィニッシュラインに先着した。

へとへとの身体をアスファルトに倒れこませながら、息も絶え絶えながら勝利を喜んだコカール。

実に2年ぶりの勝利。新チームで、かつてシャンゼリゼでも2位に入り込んだその強さを取り戻すことができるか。


ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2022 第2ステージ

「バレンシア1周」レース。第1ステージはこちらから

前日はクライマーが上位に名を連ねた山岳ステージとなったが、この日はスプリンター向けのフィニッシュレイアウト。ベテラからトレントまでの171.5㎞。

逃げは6名。

セルヒオ・マルティン(スペイン、26歳、カハルラル・セグロスRGA)
シャビエル・アスパレン(スペイン、23歳、エウスカルテル・エウスカディ)
イバン・コボ(スペイン、22歳、エキッポ・ケルンファルマ)
ベンジャミン・キング(アメリカ、33歳、ヒューマン・パワード・ヘルス)
ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、33歳、ヒューマン・パワード・ヘルス)
マテイス・パーシェンス(オランダ、26歳、ビンゴールパウェル・ソーセスWB)

前日同様、集団も無理には追いかけないまったりとした展開が続き、少しずつ数を減らしていった逃げ集団は残り20㎞近くでようやくすべて吸収される。

その後は残り16㎞でディラン・トゥーンスが単独で飛び出す場面もあったが、これも残り10㎞を切ったところで捕まえられてしまった。

その後は集団スプリント。だが、その優勝候補の1人であったダヴィド・デッケル(ユンボ・ヴィスマ)が残り13㎞の下りでコースアウトし、崖に突っ込むという恐ろしい事態に。

幸いにもほぼ怪我はない様子で立ち上がっていたので一安心ではある。

さらに残り2.5㎞でライアン・ギボンズ(UAEチーム・エミレーツ)が落車。

優勝候補が次々と消えていく中、総合リーダーのレムコ・エヴェネプールが牽引するクイックステップトレインを先頭にラスト1㎞、フラムルージュを通過する。

そして、最後はわずかに登るレイアウト。勾配は5%程度か。

その登り勾配をものともせず突き進んでくるのが――ファビオ・ヤコブセン。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで最強の足を見せた復活の男が、後続を突き放しての圧勝とも言える勝利を掴み取った。

これにてクイックステップ・アルファヴィニルが連勝。今年もやはり最多勝利を達成してしまうのか。

イネオス入りしたヴィヴィアーニも3位に入り込む健闘。コフィディスのときの呪いのような不調からは脱することができるか。

ほか、メンバーを見てもやはりピュアスプリントとは言い難いリザルトとなったが、その中で強さを見せたヤコブセンはやはり強い。純粋なスプリント力だけでないところを見せてくれた格好だ。

バレンシア1周の明日第3ステージは、未舗装路も用意されたクイーンステージ。総合争いはほぼほぼ決着がつくはずで、注目のステージだ。

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