ティレーノ~アドリアティコ2021 第1ステージ
イタリアの西海岸(ティレニア海)と東海岸(アドリア海)とを結ぶ、「2つの海を結ぶレース」。
第1ステージはリド・ディ・カマイオーレを発着する156㎞平坦ステージ。最後は海岸線沿いの8㎞に及ぶ長い長い長いストレートの先のピュア集団スプリントフィニッシュが期待されるステージとなった。
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逃げは6名。
マッティア・バイス(アンドローニジョカトリ・シデルメク)
ヴィンツェンツォ・アルバネーゼ(EOLOコメタ)
サミュエーレ・リヴィ(EOLOコメタ)
シモーネ・ヴェラスコ(ガスプロム・ルスヴェロ)
ヤン・バークランツ(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)
ガイ・ニーヴ(イスラエル・スタートアップネーション)
とくに大会のスポンサーにもなっているEOLO冠するEOLOコメタは非常に積極的で、ステージ前半に用意された3つの山岳ポイントのうち2つをアルバネーゼが先頭通過。1つ目の山岳も2位通過だったこともありこの日の山岳賞を確定。きっちりとスポンサーへのアピールを果たした。これには帯同していたというチームマネージャーのイヴァン・バッソもにっこりである。
荒れたパリ~ニースと異なりこっちはコース通りに至って平穏に進む。前半の丘陵地帯で逃げ集団の数自体は絞られていたものの、最終的にはバイスとリヴィだけになった先頭が残り10㎞前後で吸収。予定通りの集団スプリントに。
残り3㎞を切ったあたりから常に先頭を支配していたのがユンボ・ヴィスマ。しかし残り1㎞を切ってからはここにUAEチーム・エミレーツのトレインが先頭を奪取。ファンアールトは単独になる。
だが、それは最初からユンボ・ヴィスマの狙いだった。元々、リードアウターがティモ・ローセンくらいしかいなかった今回のユンボのチームの目標はラスト1㎞までファンアールトを先頭に持って行くことであり、そこまでいけばあとはファンアールトが自ら勝利を掴むことを確信していた。
実際、ファンアールトはここでしっかりとフェルナンド・ガビリアの番手を握った。マキシミリアーノ・リケーゼによる完璧なリードアウトは、ガビリアではなくてファンアールトのための最高のアシストとなったわけだ。
彼にとっての最大のライバルは(そして今大会頭一つ二つ飛び抜けた実力をもっているのは)カレブ・ユアン率いるロット・スーダルであった。
いつもポジション取りでうまくいかないことの多いユアンだが、この日はしっかりとロット・スーダルのアシストたちがフィニッシュ直前までユアンを引き上げてくれた。
だが、最終局面においてユアンを引き連れて「発射」させるほどの足は、ロット・スーダルの最終発射台ジャスパー・デブイストには残っていなかった。彼が最後に仕事を終えたとき、ユアンは彼を護るものが誰一人いない状態で激しい空気抵抗の中に曝される結果となってしまった。
おそらく現役最強の爆発力をもつピュアスプリンターであるユアンにとっても、このビハインドは超えることはできなかった。
それでもそのあとに驚異の伸びを見せ、軽々とガビリアも追い抜いてみせたユアンだったが、それでも昨年ツール2勝の男ファンアールトに、これだけのハンデがある状態で勝つことは難しかった。
UAEチーム・エミレーツ vs ユンボ・ヴィスマ vs ロット・スーダル。最強のチーム力をもつUAEと個人としては最強のロットは、その両方を高いレベルで保持しているユンボにギリギリで敗れる結果となってしまった。
ヴィヴィアーニはまた沈んでしまった・・・。
レイアウト自体は非常に純粋なスプリントフィニッシュだったが、栗村さんの言う通り、あまりにも広すぎる路面幅が、結果としてあまりオーソドックスではないカオスなリザルトを生む結果となってしまったようだ。
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