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クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2022 第2ステージ

「ツール・ド・フランス前哨戦」クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの第2ステージは、アルデシュ県のサン・ペレから西に移動してオート=ロワール県のブリーヴ=シャランサックまで向かう169.8㎞。4つの山岳ポイントと、とくにラスト60㎞地点に用意された2級山岳の存在が、この日もピュアスプリンターたちにとって鬼門となりそうなステージだ。


逃げは6名。

オリヴィエ・ルガック(グルパマFDJ)
アンデシュ・スカールセス(UNO-Xプロサイクリングチーム)
アレクシー・ヴィエルモ(トタルエナジーズ)
アントニー・デュラプラス(アルケア・サムシック)
クサンドレ・ヴェルフールセン(ロット・スーダル)
ケヴィン・フェルマーケ(チームDSM)

残り111㎞地点の最初の3級山岳と残り106㎞地点の2番目の3級山岳はいずれもヴェルフールセンが先頭通過。

しかしこのヴェルフールセンは残り71.6㎞地点から登り始める2級山岳コル・ドゥ・メジアック(登坂距離11.6㎞、平均勾配4.1%)の途中で脱落。代わって最初の3級山岳を2位通過していた「元・激坂ハンター」のピカチュウことヴィエルモがこの2級山岳と最後の4級山岳を共に先頭通過。この日7ポイントを獲得し、現在山岳賞首位のピエール・ロラン(B&Bホテルス・KTM)に4ポイント差にまで迫ることとなった。

そしてこの2級山岳で昨日に続きディラン・フルーネウェーヘン(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が脱落。さらにフィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)もリタイアし、昨日の登りで意外な失速を見せていた期待の若手アンリ・ファンデナベーレ(チームDSM)も脱落。

フルーネウェーヘンの脱落を見たイネオス・グレナディアーズが前日同様ハイ・ペースを刻んだため、この日もフルーネウェーヘンは勝負権を失ったままあえなく沈むこととなってしまった。


このペースアップで逃げ5名とメイン集団とのタイム差は残り48.2㎞で2分差を切る。

が、その後、5名の逃げはしっかりとしたローテーションを回しながら良いペースで逃げ続け、一方でメイン集団はイマイチ主導権をどこも握ろうとしないまま、残り15㎞を切った時点でなおも1分14秒差という、微妙な状況になってきた。

それでもラスト10㎞地点に位置する4級山岳を経て、タイム差は33秒。

が、その後このタイム差がなかなか縮まらない!

メイン集団の先頭にはイネオスやトレックの姿。しかし彼らはユンボ・ヴィズマに前を牽くよう要求し、ユンボ・ヴィズマもこれを拒否。たしかに、昨日あまりにも圧倒的な力を見せつけたワウト・ファンアールト率いるユンボ・ヴィズマのために、他チームが強力する気がなくなるのも分かりはする。観念してユンボ・ヴィズマもティシュ・ベノートを先頭に牽引を開始するが、しかし残り3.4㎞で33秒差。残り2.7㎞でも33秒差。残り1.7㎞でようやく22秒差・・・厳しい!

残り500m。ホームストレートの後方にプロトンの姿は見えるが、あまりにも遠い。先頭5名の中でまずはデュラプラスがアタックするが、ライバルたちを振り切れない。

そして一瞬互いに牽制がかかった隙を突いてルガックが残り300mちょっとで飛び出す。残り4名とわずかにギャップが開く。うまいタイミングだった。が、ちょっと遠いか?

残り50m。やはり遠かった。追いつかれてしまったルガックを追い抜いて先頭に抜け出したのは、この日山岳賞ポイントを稼いだピカチュウことアレクシー・ヴィエルモ! 2015年ツール・ド・フランスの「ブルターニュの壁」を制した男が、3年ぶりの勝利を掴み取った。

追い付ききれなかった後続集団のワンツーは前日同様のファンアールト&ヘイター。やはりこの2者が、今大会の最強2大スプリンターとなるか。

翌日第3ステージは、今大会最初の「登りフィニッシュ」。まだまだ本格的な登坂ではないものの、ある程度総合勢の動きが見える可能性はありそうだ。


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