トロフェオ・アルフレッド・ビンダ2021
イル・ロンバルディアの舞台にもほど近い北イタリアの丘陵地帯で開催された、激しいアップダウンが連続するパンチャー向けの女子ワンデーレース。
ウィメンズ・ワールドツアーの1つであり、カデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースが開催されなかった今年についていえば、先日のストラーデビアンケに続くウィメンズ・ワールドツアー第2戦となる。
昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となっており、前回大会である2019年大会ではチームメートのアシュリー・ムールマンの献身的なアシストを受けて「女王」マリアンヌ・フォスが優勝。
今年もPro Cycling StatsのGameでは圧倒的な1番人気となっていた。
2019年のレースについては以下の記事内で言及
基本的にはゴール前数キロの動きで決まることも多いこのレース。
今年は残り25㎞地点で集団からエリザ・ロンゴボルギーニ(トレック・セガフレード)がアタックして独走を開始。昨年も好成績を重ね、先日のストラーデビアンケでも終盤のシャンタル・ブラークのアタックに唯一食らいつき、最後の最後の激坂勝負で惜しくも敗れて2位だったイタリア王者。
今回は単独でのエスケープ。最後に差される心配のない、必勝体制であった。
これを追いかけるのが5名の追走集団。
マビ・ガルシア(アレ・BTCリュブリャナ)
セシリーウトラップ・ルドヴィグ(FDJヌーベルアキテーヌ・フチュロスコープ)
カタジナ・ニエウィアドマ(キャニオン・スラム)
ソラヤ・パラディン(リブレーシング)
マリアンヌ・フォス(チーム・ユンボ・ヴィスマ)
非常に強力なメンバーであったことは間違いないが、今回に関してはこれが仇となった。
すなわち、互いに牽制状態に陥ってしまったことで、まったくペースが上がらず。むしろ気にせず全力を出すしかないロンゴボルギーニとのタイム差は徐々に開いていく。
せめてここに一人でもアシストがいれば・・・。
そして、「最強チーム」SDワークスがこの先頭にも第2集団にも選手を送り込めないという危機的な状況。
当然、追走集団を追いかける第3集団の先頭はSDワークスの面々が牽引するが、先日のストラーデビアンケを優勝してウィメンズ・ワールドツアーのリーダージャージを着るシャンタル・ブラークが自ら牽引している時点で、彼女たちにほぼ勝ち目はなかった。
最後はロンゴボルギーニが後続に2分近いタイム差をつけての圧勝。
昨年もイタリア選手のロード・TT制覇、世界選手権ロード3位、欧州選手権ロード2位、ジロ・ローザ総合3位、チャレンジ・マヨルカ総合3位など輝かしい戦績を並べ世界ランキングでも2位に上り詰めた女。
今年もここまでオンループ・ヘットニュースブラッド10位、ストラーデビアンケ2位ときてこのアルフレッド・ビンダでの優勝。
乗りに乗りまくっているその勢いのまま、今年はさらなるビッグレースの勝利を掴み取ることができるか。
トレック・セガフレードにとっては、前日のミラノ~サンレモに続き、イタリアでのビッグレースにおける連勝ということで非常に喜ばしい限り。
さらに言えば本日開催された今年新設のイタリア1クラスのワンデーレース「ペル・センプレ・アルフレッド」でもマッテオ・モスケッティが優勝。
トレックにとってはこの週末に3つのレースで勝利したことになる。
この勢いで北のクラシックはトレック色に染めることができるか?
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