エトワール・ド・ベセージュ2021 第2ステージ
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エトワール・ド・ベセージュ。またの名をツール・デュ・ガール。
第2ステージはサン=ジュニーからラ・カルメットまでの154.12㎞平坦ステージ。
最後に強烈な登りが用意された前日と違い、この日は素直な集団スプリントが見られる日・・・のはずだった。
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前日の落車で左手の第2、第3中手骨を骨折したミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・NIPPO)はDNS。また、同じく落車で鎖骨骨折したジョルダン・ルヴァッスール(グゼリース・ルーベリールメトロポール)も未出走となっている。
あとはスポートフラーンデレン・バロワーズのスタッフに新型コロナウイルス陽性反応が出たということで、選手全員が1日目からレース撤退となっている。
全部で143名となったプロトンから最初に抜け出して、逃げに乗ったのは5名。
アレクサンドル・デュレット(デルコ)
ルドヴィク・ロベート(ビンゴール・ワロニーブリュッセル)
トニー・ユレル(サンミッシェル・ウーベル93)
ヴォイチェフ・レパ(エキッポ・ケルンファルマ)
マキシミリアン・ピクゥ(グゼリース・ルーベリールメトロポール)
昨日唯一の山岳ポイントを先頭通過して山岳賞ジャージを手に入れていたデュレットが、この日用意された3つの山岳賞ポイントすべてで先頭通過。
これで山岳賞ポイントを28ポイントにまで積み上げ、山岳賞ランキングを独走中。(最終日山岳TTのフィニッシュ地点に用意された1級山岳を除くと)残るステージの山岳賞ポイントを合計すると34ポイントとなるため、このまま明日もまた同様に逃げに乗ってポイントを収集できれば、今大会全体を通しての山岳賞獲得も確実なものにすることができるだろう。
そんな逃げ軍団も、残り25㎞地点ではルドヴィク・ロベートただ一人となり、そのタイム差も間もなく1分にまで縮まろうとしていた。
そして残り10㎞地点で、この最後のエスケーパーも吸収。
いよいよ、集団スプリントへと突入していく、はずだった。
だが、残り6㎞でAG2Rシトロエン・チームの選手がバランスを崩して落車。その後ろから突っ込んできたイスラエル・スタートアップネーションの選手が宙を舞い、そしてイネオス・グレナディアーズの選手がアスファルトに強く叩きつけられた。
混乱はそれだけに終わらない。残り1㎞を過ぎてから現れた、ラウンドアバウト。
その左側に進路を取った集団の中で、再び大規模な落車が発生。2、3名の選手が歩道に吹っ飛んで行ってしまった。
そんなカオスの連続に、集団の先頭はもはや集団のていをなしていない。
リードアウターも存在しない中、とりあえずスプリントを開始したポイント賞ジャージ(黄色)のナセル・ブアニ(アルケア・サムシック)は早々に失速し、鋭い加速で一気に先頭を突き抜けていったヨーロッパチャンピオンジャージのジャコモ・ニッツォーロ(チーム・キュベカ・アソス)は、並びかけた総合リーダーのクリストフ・ラポルト(コフィディス・ソルシオンクレディ)も振り切って今年初勝利を掴みかけていたが、彼らもまた、混乱の中で、仕掛けるべき最良のタイミングをやや外してしまっていたようだ。
フィニッシュラインに届く前に勢いを削いでしまった彼らトップスプリンターたちの右翼からまくりあげてきたのが、デルコ・・・デルコのピエール・バルビエ、そしてその右からさらにまくりあげて先頭に立ったのが、昨年までアルペシン・フェニックス、そして今年からビンゴール・ワロニーブリュッセルへと所属を変えたティモシー・デュポンであった。
歓喜に打ち震え、力強く拳を天に掲げるデュポン。
彼にとって、実に1年半ぶりの勝利であった。
とにかく、混乱に満ち溢れた「平坦ステージ」だった。大会的には最有力スプリンターであるはずのパスカル・アッカーマンも完全に埋もれてしまっていた。前日3位と好調のマッズ・ピーダスンも、ラウンドアバウトでの落車に巻き込まれコースの左から右へとかっ飛んでいっていた(幸いにも落車せず怪我はなし。通過するプロトンの隙間を縫うようにしてコースを横切っており、ひやひやだったけれど)。
エースを失ったエドワード・トゥーンスは不安そうに後ろを振り返りながらのフィニッシュとなっていた。
落車の結果がどうなるのかは、まだわからない。落車後にすぐに立ち上がれなさそうな様子を見せていたイネオスの選手はどうやらイーサン・ヘイターだったようで、一応無事にフィニッシュには辿り着いた模様。ただし医師による入念のチェックは行う予定。
シーズン早々、あちこちで悲劇的な事故が巻き起こる中、激しい落車はレースにはつきものとはいえ、一人でも多く無事にこれからのシーズンを迎えられることを、切に願っている。
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