ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第11ステージ
アンダルシアの海沿いから北上し、次第に内陸部へと入っていく第11ステージは、マラガ県のアンテケラからハエン県のバルデペーニャス・デ・ハエンまでの133.6㎞丘陵ステージ。
ラスト1㎞に最大勾配30%の超激坂が待ち受けている実にブエルタらしいステージ。過去にはホアキン・ロドリゲスやダニエル・モレノなどが勝利している激坂ハンター向けのステージで、今年勝つのは一体誰だ?
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序盤に何度か逃げが出来ては引き戻される展開を経て、最終的にできたのは以下の5名。
エドワード・プランカールト(アルペシン・フェニックス)
ジョナタン・ラストラ(カハルラル・セグロスRGA)
マグナス・コルトニールセン(EFエデュケーション・NIPPO)
ジョアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ)
ハーム・ファンフック(ロット・スーダル)
13分もの大差をつけた前日と違い、この日は最大でも2分程度のタイムギャップしか許されず、最後の激坂で確実に捉えられる位置に留め置かれ続けた。
それでも、この日唯一の山岳ポイント、残り7.8㎞地点に用意された2級山岳プエルト・デ・ロクビン(登坂距離8.8㎞、平均勾配5%)の登りで、今大会すでに第6ステージで勝利しているマグナス・コルトニールセンが単独で抜け出す。
そのまま山頂ポイントも先頭通過。メイン集団からは山頂まで2㎞を切ったところで一度総合13位のダビ・デラクルス(UAEチーム・エミレーツ)がアタックして抜け出すものの、山頂間際で山岳賞ジャージを着るダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)が加速してこれを抜き去り、2位通過を果たした。
カルーゾはこれで累計31ポイント。山岳賞2位のロマン・バルデ(チームDSM)からは9ポイント差、同3位のマイケル・ストーラー(チームDSM)からは14ポイント差をつけている。
そしてタイム差15秒を残したまま突入した残り1.2㎞からの激坂フィニッシュ。
メイン集団の先頭にセップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)が躍り出て、その背後のプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)を強烈に牽き上げる。
やがてクスが離れるとログリッチが先頭で加速するが、そこに総合2位エンリク・マス(モビスター・チーム)も食らいつく。
残り500m。先頭のコルトニールセンのすぐ後ろには集団を突き放したマスとログリッチ。しかし互いが互いを見やり牽制し合う二人を置き去りにしてコルトニールセンはなおも加速していく。
まさかの逃げ切りか?
しかしさすがのコルトニールセンももう、足が残っていなかった。思わず後ろを振り返る。これは、限界を表すサイン。
そして同時にマスが一気に加速。ログリッチを突き放そうとするも、離せない。
残り100m。コルトニールセンが追い抜かれる。
残り50m。マスとログリッチが並ぶ。
そして、最後は、今年のラ・フレーシュ・ワロンヌでもジュリアン・アラフィリップに続いて2位に入り込んだプリモシュ・ログリッチがさすがの強さを見せつけた。
前日の「不可解な落車」のミスをすべて吹き飛ばすかのような、文句なしの勝利。マスからボーナスタイム込みで9秒を奪い取った。
しかしマスとロペスも強い。ここにきて、ダブルエースが完璧に機能している。2015年ツールのキンタナとバルベルデを見ているような強さ。
ログリッチが絶好調のように見えるが、まだまだ分からない。
総合でついたタイム差は決して大きくはないものの、これからが楽しみになる一戦であった。
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シマック・レディース・ツアー 第1ステージ
旧ブールス・レディース・ツアー、ウィメンズ・ワールドツアークラスのオランダ6日間のステージレースの2日目。初日の2.4㎞プロローグを経て、今日は第1ステージ。
オランダ東部のオーファーアイセル州のズヴォレからハルデンベルグまでの134.4㎞平坦ステージ。
まさにオランダといった感じの超オールフラットステージ。しかし単純なスプリントで終わるはずのこの日、ラスト30㎞で2分、ラスト10㎞で40秒弱といったタイム差で推移し、最終的には何と、2人の逃げ切りが決まる。
最大の優勝候補たるウィーベスの存在が、集団牽引に悪影響をもたらしたか。ヴァルカー・トラベル&サービスやキャニオンスラムなども集団牽引に力を入れるも、わずか4秒、届かなかった。
プロ7年目、グランプリ・ド・プルエー6位やアムステルゴールドレース9位、ロンド・ファン・フラーンデレン15位などの成績をもつクラシックハンターが若きグロッセテをスプリントで降しキャリア5勝目を掴み取った。
集団の先頭は世界最強のスプリンターの1人、ウィーベス。チーム一丸となって追走を仕掛けたものの、届かなかった。
第2ステージはリンブルフ州のヘネップを舞台とした22.2㎞の個人TT。
総合にも大きな影響を及ぼす中距離TTで勝つのは一体誰だ?
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