パリ~ニース2022 第2ステージ
第1ステージはこちらから。
欧州ワールドツアー・ステージレースの開幕戦。「太陽へと向かうレース」パリ~ニース。今年はプリモシュ・ログリッチやアダム・イェーツ&サイモン・イェーツ、そしてファビオ・ヤコブセンやジャスパー・フィリプセンなど、各方面のトップライダーたちが集まる、ここ数年の中でもとくに豪華なラインナップとなっている。
第2ステージはオウファルジからオルレアンまでの南下「移動ステージ」。何も起きなければ集団スプリントが期待されるステージだが、そこはパリ~ニース。平穏になど、終わるはずもなく・・・
激しい横風や悪天候によって、序盤の平坦ステージで激しい分断やカオスな展開が多いイメージのパリ~ニース。
この日も、横風分断が強く警戒されており、実際にそれが現実のものとなった。
最初に出来上がった逃げは3名。
フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)
マシュー・ホームズ(ロット・スーダル)
アレクシー・グジャール(B&Bホテルス・KTM)
だが、残り91㎞で集団内にてエシェロンが作られ始め、いよいよ分断が発生する。
さらにそのタイミングで落車が発生。総合上位候補のダヴィド・ゴデュがマッテオ・トレンティンと共にここに巻き込まれ、さらにビニヤム・ギルマイやバウケ・モレマも残り70㎞で落車。
マイク・テウニッセンも残り61㎞でメカトラブルに遭うなど、横風+アクシデントで致命的な遅れを喫する選手が出てき始めた。
残り50㎞を切って、先頭はおそらく以下の21名。
プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィズマ)
ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィズマ)
ネイサン・ファンフーイドンク(ユンボ・ヴィズマ)
ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック)
アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ)
ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ)
ルーク・ロウ(イネオス・グレナディアーズ)
シュテファン・クン(グルパマFDJ)
フアン・モラノ(UAEチーム・エミレーツ)
ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン・チーム)
アレックス・キルシュ(トレック・セガフレード)
マッス・ピーダスン(トレック・セガフレード)
ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)
ファビオ・ヤコブセン(クイックステップ・アルファヴィニル)
ゼネク・スティバル(クイックステップ・アルファヴィニル)
フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル))
マシュー・ホームズ(ロット・スーダル))
ピエール・ラトゥール(トタルエナジーズ)
シルヴァン・ディリエ(アルペシン・フェニックス)
アレクシー・グジャール(B&Bホテルス・KTM)
ここから20秒遅れの第2集団は9名。
サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)
ライアン・マレン(ボーラ・ハンスグローエ)
アレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)
ブライアン・コカール(コフィディス)
ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス)
ルイスレオン・サンチェス(バーレーン・ヴィクトリアス)
ケヴィン・ゲニッツ(グルパマFDJ)
オリヴェル・ナーセン(AG2Rシトロエン・チーム)
サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
さらに先頭から1分15秒遅れの第3集団は11名。
マクシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ)
ギヨーム・マルタン(コフィディス)
ドメン・ノヴァク(バーレーン・ヴィクトリアス)
フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)
ヴァロンタン・マデュアス(グルパマFDJ)
ブランドン・マクナルティ(UAEチーム・エミレーツ)
バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)
ディラン・フルーネウェーヘン(チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
アンドレアス・レクネスンド(チームDSM)
アントニー・テュルジス(トタルエナジーズ)
ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオ)
ダヴィド・ゴデュなどはさらに遅れて5分以上のタイム差がついている。
だが、この分断がそのままフィニッシュへ、というわけにはいかなかった。
残り43㎞で第2集団が先頭集団に合流。
いつの間にかイヴ・ランパールトやフロリアン・セネシャルなども先頭に含まれており、総勢35名ほどのそれなりに大きな集団が最終的に先頭集団となってフィニッシュへと突き進んでいった。
残り14㎞。シュテファン・ビッセガーがアタック。そこにジルベール、シュテファン・クン、クリストフ・ラポルトが食らいついて少し抜け出すが、これはすぐさま引き戻される。
さらに残り6.8㎞でビッセガーが再びアタック。しばらくメイン集団に10秒近くタイム差を付けて独走を続けるが、集団はイネオス、ついでクイックステップがしっかりと追走を仕掛け、残り2.1㎞でこれを飲み込んだ。
ラスト1㎞。先頭はクイックステップが4名。ゼネク・スティバル、イヴ・ランパールト、フロリアン・セネシャル、ファビオ・ヤコブセン。
そしてその後ろにクリストフ・ラポルトがワウト・ファンアールトを率いて食らいつく。
集団は縦一列。いつものスプリントとは完全に様相が異なっていた。
残り400mでクイックステップはまだヤコブセン含め3名。
かなり余裕の状態――だからこそ、ユンボ・ヴィズマは先手を打つ必要があった。
残り300m手前。ラポルトが早めに加速して、一気に先頭に突き抜ける。ヤコブセンも慌てて残ったアシストを切り捨ててファンアールトの背後につける!
そして残り120m。ラポルトの背後から左にファンアールト、右にヤコブセン。同時にスプリント開始。
――そして、同時であれば、今や「世界最強スプリンター」たるヤコブセンに、さすがのワウト・ファンアールトも歯が立たなかった。
最後はかなり余裕な様子でヤコブセンがファンアールトを突き放した。
今シーズン6勝目、そしてチームとしても12勝目となった。
総合勢ではダビ・デラクルスとヨン・イサギレが38秒遅れ、ギヨーム・マルタンとマクシミリアン・シャフマン、ブランドン・マクナルティが1分29秒遅れ、ジョアン・アルメイダが1分53秒遅れ、ジーノ・マーダーやゴデュはさらに大きく遅れることとなった。
昨日の波乱の第1ステージでプリモシュ・ログリッチが抜け出ているのは間違いないが、そこから28秒遅れにアレクサンドル・ウラソフ、ナイロ・キンタナ、ジャック・ヘイグ、アダム・イェーツ、サイモン・イェーツなどが並び、この辺りでの総合争いが繰り広げられることとなるだろう。
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