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ツアー・オブ・ターキー2022第3ステージ、ジロ・デ・シチリア2022第1ステージ、パリ~カマンベール2022

2022年4月12日に開催した3レースのリザルト中心に簡単に確認していく。


ツアー・オブ・ターキー2022 第3ステージ

トルコ最大のステージレース。かつてはワールドツアークラスだったときもあるが、クラシックシーズン真っ最中ということもあり有力選手があまり出場せず現在はプロシリーズに格下げ。

但し今年は(どうしてもUCIポイントのほしい)ロット・スーダルのカレブ・ユアンだったりとかジャスパー・フィリプセンだったりとかが出場していて結構豪華。但し、8ステージ中最低5ステージが集団スプリントが期待できるステージということもあり、豪華なのはスプリンターくらいでクライマーはかなり層は薄い。

第1ステージは事前予想通りカレブ・ユアンが優勝。第2ステージはここ最近かなり好調が続いているカーデン・グローヴスが優勝。ユアンは5位に沈む。

そして第1・第2ステージ共に2位続きだったジャスパー・フィリプセンが・・・

直前に落車が発生したこともあり、カレブ・ユアンは完全に沈む。サム・ベネットも今年全く勝てる気がしない・・・。

一方、注目すべきはミゲルアンヘル・フェルナンデス。グローバル6サイクリングという、ニュージーランド籍のコンチネンタルチームに所属している若手スプリンターだが、第1・第2ステージともに8位と安定していた中で、今回の3位。

落車で混乱した中とはいえ、コンチネンタルチームながらこのメンバーでこの成績を取るとは・・・来年あたりプロチームで走っていてもおかしくない気はする。


明日の第4ステージはクイーンステージの山頂フィニッシュ。本来であればアルケア・サムシックのナイロ・キンタナが筆頭優勝候補だが落車して総合からは脱落している様子。体にダメージがないならばステージ優勝の可能性は十分あると思うが、果たして。

同じく有力候補のジェイ・ヴァイン(アルペシン・フェニックス)もエドゥアルド・セプルベダ(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)も落車しているらしいのでどこまで走れるか。

無事なメンバーとしてはケヴィン・コレオーニ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、アンリ・ファンデナベーレ(チームDSM)、ハーム・ファンフック(ロット・スーダル)などに注目したい。味わいのある戦いが繰り広げられそうなクイーンステージ、楽しみだ。


ジロ・ディ・シチリア2022 第1ステージ

2019年初開催の、その名の通り南イタリア・シチリア島で開催される4日間のステージレース。

2020年はCovid-19流行のため中止。昨年も秋開催だった中で、今年は再びこの時期に戻ってきて3回目の開催となった。

但し、出場選手はかなり薄め。ワールドツアーチームはアスタナ・カザフスタンチームとアンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオとトレック・セガフレードの3つだけ。しかもアスタナは育成チームのメンバーも入れていたり、トレックも6名しか連れてきていなかったり。

全体的にもコンチネンタルチーム中心の出場となっている(19チーム中11チームがコンチネンタルチーム)。

第1ステージはド平坦集団スプリントステージ。実績から言えばマッテオ・モスケッティが抜け出ていると思われており、最終盤も完全にトレックが集団の先頭を支配したままモスケッティを発射させたが、正直、かなり早すぎた。

最終的にモスケッティの横から抜け出る形で、元ガスプロム・ルスヴェロ所属、今回はイタリア選抜チームの一員として出場しているマッテオ・マルチェッリがチーム消滅の悔しさを晴らす勝利を掴み取った。

UAEツアーでも6位や4位に入るなど、ワールドツアーチームの一流スプリンターにも負けない走りを見せていたマルチェッリ。

しかしその直後、例のロシアのウクライナ侵攻による影響で所属チームのガスプロム・ルスヴェロが消滅。現在はチーム運営が新たなスポンサーを探しているものの、しばらく在籍していたイタリア人ライダーたちはイタリアナショナルチームの一員としてレースを転々としていた。

そんな中掴んだ勝利。その喜びは格別で、上記写真でも感情を爆発させている。レース直後、彼女らしき方と抱擁しているシーンも非常にインプレッシヴだった。


パリ~カマンベール2022

北フランスのノルマンディー地方で開催されているワンデーレース。別にカマンベールという地名があるわけではなく、カマンベールチーズの産地を舞台としており、優勝者に体重と同じ重さのカマンベールチーズを商品として渡されるというレース、のはず。レーススポンサーがカマンベールチーズ生産者。

過去ブノワ・コヌフロワやリリアン・カルメジャーヌ、アレハンドロ・バルベルデなどのパンチャーや、ナセル・ブアニやブライアン・コカールなどの登りも強い軽量級スプリンターが勝利を飾っている、パンチャー向け丘陵レース。

本当にフィニッシュしか見られていないが、最終的に逃げていた5名が逃げ切りを決め、その中からアントニー・デュラプラスが抜け出して独走勝利。

2015年のツール・ド・フランス初日に逃げに乗っていた印象が一番強いようなとにかく逃げ好きの選手のイメージだが、なんとこれがプロ2勝目。しかも1勝目が11年前のレースだというから驚きだ。

地元ノルマンディーの選手であり、チームも元はブルターニュ・セシェという名前だった地元ノルマンディーチーム。

今ではキンタナやバルギルなど有名選手が溢れているが、その中でも生え抜きのこの男が地元勝利するのは非常に喜ばしいことである。

なお、これでアルケア・サムシック、今期8勝目。ワールドツアーチームを含めたランキングでも7位で、プロチームではアルペシンに次ぐ2位。

そもそも、UCIポイントランキングではそのアルペシンも抜いて実はプロチーム首位。ワールドツアーチームも含めると4位につけている。

キンタナの好調にも支えられているとはいえ、チーム全体としてもかなり状態の良い今年のアルケア。

これからどこまで伸ばしていけるか。

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