クラシカ・ドゥ・アルメリア2021
今年最初のスペインでのレース、クラシカ・ドゥ・アルメリアが南スペイン・アンダルシア州東端のアルメリア県で開催された。
例年、トップスプリンターたちが覇を競い合うスプリンターズワンデーの今年緒戦でもある。今回は残念ながら例年ほどの豪華さはないものの、それでもジャコモ・ニッツォーロやフェルナンド・ガビリア、そしてマーク・カヴェンディッシュなどの有力スプリンターたちが集結。
今年最初の「最強」候補スプリンターは誰だ。
↓レースプレビューはこちらから↓
逃げは4名。
サヴァ・ノヴィコフ(エキッポ・ケルン・ファルマ)
アンヘル・マドラソ(ブルゴスBH)
サミュエーレ・リヴィ(EOLOコメタ)
サミュエーレ・ゾッカラート(バルディアーニCSF・ファイザネ)
集団牽引はジャコモ・ニッツォーロ率いるキュベカ・アソスが中心。
例年通り風が強く、体力の消耗を避けたいプロトンはスローペース。
コースの前半はそれなりに登りが存在するが、とくに有力スプリンターたちが欠けることはなく残り20㎞を切っていく。
しかし、ここで落車が発生。モビスター・チームのイバン・ガルシアと、ボーラ・ハンスグローエのジョルディ・メーウス。
ガルシアはこの日の優勝候補でもあり、メーウスもまた、先日のエトワール・ド・ベセージュ第1ステージでプロ初ステージながらいきなりのステージ6位で期待しかない男。
また、ドゥクーニンク・クイックステップもエース格の1人であるアルバロホセ・ホッジが足を痛めている様子。
残り14㎞で再び落車が発生。アンテルマルシェ・ワンティゴベールマテリオの選手とエウスカルテル・エウスカディ。
アンテルマルシェはエースのダニー・ファンポッペルをアシストするための兄ボーイ・ファンポッペルとヨナス・コッホが落車したようで、ダニーの勝利に黄信号である。
さらに同じタイミングでドゥクーニンク・クイックステップのマーク・カヴェンディッシュがパンクで脱落。
ホッジとカヴェンディッシュの2大エースを失い、ドゥクーニンクは早くも残るエース、フロリアン・セネシャルで勝負をしないといけない状態に。
そしていよいよ、集団スプリントへ。
残り1㎞を先頭で通過したのはAG2Rシトロエン・チーム。
オリバー・ナーセンの弟ローレンス・ナーセンが、チームの新エーススプリンター、マルク・サローを牽引する。
しかし残り1㎞でアシスト1枚はあまりにも少なすぎる。やがて先頭は崩壊し、モビスターの選手が1人抜け出そうと試みる。
これを吸収するドゥクーニンクの選手2名。チームの生き残りのベルト・ファンレルベルフと、彼が牽引するセネシャル。最後の右カーブを曲がり、ファンレルベルフが全力のリードアウトを開始する。
その背後にはトレック・セガフレードのエドワード・トゥーンス。その後ろには、ジャコモ・ニッツォーロ!
残り150mでスプリントを開始したニッツォーロ。あとはもう、圧倒的だった。
セネシャルの2倍くらいのスピードがあるのではないかと思ってしまうくらいの勢いで突き抜けていき、後輪を捉えたセネシャルも横に並ぶどころかついていくことさえできず、フィニッシュ地点では車輪1個分くらいの差をつけられてしまった。
今年のクラシカ・ドゥ・アルメリアは、正直ユアンやアッカーマンなどが出ている例年と比べると豪華さが不足していたように思う。
結果として、ニッツォーロが頭一つ二つ抜けている面子となっており、それが如実に結果に反映された形だ。
一方、本来であればそこへの対抗馬となりえたはずのフェルナンド・ガビリアが、手も足も出ない17位に沈む。
決して予想外ではない。正直、2019年シーズンの後半からずっと、スランプ状態である。
そこからの脱出は果たして成るのか。
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