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ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 第2ステージ

スヘルトーヘンボスからユトレヒトまでの175.1㎞平坦ステージ。実にオランダらしい(そしてブエルタ・ア・エスパーニャらしくない)ド平坦ステージにて、今大会最初の大集団スプリントが期待されることとなった。

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総合系・スプリンター系の注目選手10選


アクチュアルスタートと同時に飛び出した数名はすぐに集団に吸収されるが、続いて飛び出した5名をメイン集団は追いかけることはせず、早くも逃げが確定することとなった。

ユリウス・ファンデンベルフ(EFエデュケーション・イージーポスト)
イェツ・ボル(ブルゴスBH)
パウ・ミケル(エキッポ・ケルンファルマ)
シャビエルミケル・アスパレン(エウスカルテル・エウスカディ)
ティボー・ゲルナレック(アルケア・サムシック)

だが、一度は3分以上にまで開いたこの5名とメイン集団とのタイム差はなかなか落ち着かず、目の前まで接近したかと思えばまた広がり、それでも1分以上にはそれからは開くことがほとんどなくなった末に残り70㎞地点のこの日唯一の山岳賞ポイントが登場。

登坂距離2.1㎞、平均勾配2.4%の4級山岳。逃げ5名の中から25歳のオランダ人、ユリウス・ファンデンベルフが先着し山岳賞ジャージ獲得を確定。EFとしてはツールに続き、最初の本格的山岳賞ジャージの獲得を決めることとなった。

その後、残り58.5㎞地点でこの5名が今度こそ捕まえられる。一旦、先頭は一つに。

そして残り45㎞地点から今度は大ベテラン、ルイスアンヘル・マテ(エウスカルテル・エウスカディ)が単独でアタック。その後、残り21㎞地点まで24㎞に渡り独走を続けることとなった。

そして残り21㎞地点からはそれ以上の逃げが生まれることなくフィニッシュへ。途中、大きな落車がいくつか起こり、残り25㎞地点ではグレゴール・ミュールベルガーが激しく右肩のあたりに擦過傷を作り、残り18㎞地点の落車ではロット・スーダルのステフ・クラスが鎖骨を骨折?横たわり、身動きができない状態となっていた。

残り16.7㎞地点の中間スプリント争いではマッス・ピーダスンが先着し、サム・ベネットが2番手につけてそれぞれマイヨ・プントスを巡る意志を強く示すこととなった。


そして最後の大集団スプリント。

残り1㎞の地点で集団の先頭はUAEチーム・エミレーツ(イヴォ・オリヴェイラ?)。その後ろにはチームDSMやグルパマFDJの選手らが続いており、その背後にフアン・モラノに率いられたパスカル・アッカーマンの姿が。

ボーラ・ハンスグローエはこの時点で前から10番手以上の後方に。

残り700mの段階でモラノが先頭に立ってリードアウトを開始するがさすがに早すぎる。その後方にいる、マッス・ピーダスンを牽引するトレック・セガフレードの選手(アレックス・キルシュ?)が良い位置。

残り500mの左カーブにてトレック・セガフレードが先頭を奪い、2番手にピーダスン。その後方にアッカーマンが付き、ティム・メルリールは単身でアルケア・サムシックの選手と肩をぶつけ合いながら、アッカーマンの番手を奪い取ろうともがいていた。

だが、ここで、沈んでいたはずのボーラ・ハンスグローエが上がってきた。エースのサム・ベネットを牽引する稀代の「運び屋」ダニー・ファンポッペルが、左カーブで収縮した先頭集団の只中に一気に突っ込み、そのままアッカーマンの番手を無理やり掴み取った。

この煽りを受けてメルリールは誰も前にいない空間に突き飛ばされることに。

そしてそこからファンポッペルが再加速。

結果、トレック・セガフレードのアシストよりも後にエースを発射させることに成功し、最高速度を叩き出したベネットがそのまま先頭を突き進んでいった。

年齢表記はすべて2022/12/31時点のものとなります。

フィニッシュ直前の落車の影響などもあり、かっちりとしたトレインを最後まで組めたチームはどこもなく、UAEやトレックがアシストをしっかりと使えたものの、最終的に強さを見せつけたのはやはりダニー・ファンポッペルであった。

そしてメルリールはツール・ド・フランスなどで見られるようなアルペシン・ドゥクーニンクの十分なアシストがあれば、もう少し勝利に近づけたような気がする。あの場面で単独だったのは・・・。レース途中であまりにもアシストの力を使いすぎたのがやはり影響があったのか?


フィニッシュ直後の時点では、総合系でもタイムを失っている選手がちらほらいるようだが、このあたりはのちに変更がある可能性はある。

第3ステージも引き続きオランダでのド平坦ステージ。サム・ベネット箱の勢いで連勝を果たすことができるのか。


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