私の"特別な夏"
旅を何度もしていると、そこの場所、出会った人との別れ、終わりは必ず来るもの。
最終日や別れの時には
「 早かった 」
「 あっという間 」
「 明日からはまた日常に戻るのかー 」
「 みんなといれないの寂しいな 」
と、思ったものの終わりは自然に受け入れていた
けど、
ある夜、月を眺めながらはっきり思った。
「 このまま終わらないでほしい 」
「 この時間がもっと続けばいいのに 」
寂しいわけでも、切ないわけでも、悲しいわけでもない
そんな感情からきた思いじゃない。
なんでか、いつかくる終わりを受け入れたくない私がいた。
そう思うほどに素敵な時間を過ごした。
7月中旬から8月いっぱい。静岡県下田市にいた。
なんでそこに行ったか、何をしていたかは書かない。
どう書いても、絶対に誤解と偏見が生まれてしまうから。
言えるのは、
そこに行くべきだと、思ったから行った。
そして大事な出逢いがあった。ってことだけ。
たぶん、ここでの時間が今後の私の人生に大きな影響を与えると思う。
出逢うべき人に出逢って、一緒に過ごしたこの夏。
その人と、初めて会った時、ひと目見ただけで「この人いいな」って思った。
話してて「この人いいな」って思うことはあるけど、一言も話してないのに、見ただけなのに。こんなこと思ったのは初めて。
きっとこの時からもう何かが始まっていたのかもしれない。
初めて会った時から、いろいろご縁がつながって、下田で再会。
実は、再会したときはお互いの名前と簡単な肩書きしか知らないという程度だった笑
呼び方もすごく他人行儀で笑
今思うと、私はよくそこへ行ったし、その人はよく私を呼んだなって笑
再会した当初は、何も思わなかったけど
話していくうちに、一緒に過ごすうちに、気づいた。
「似てる」
ぱっと見、肩書きとか、自己紹介をするときに言うようなことは何一つ共通していることはないんだけど
人間としての性格というか、本質が似ているというか、波長が合うというかなんと言うか…
生きていく上で、こうじゃないと嫌ということが同じというか。
代表的なのは、「誰かと一緒に時間を過ごしたい」ってこと。
(ひとり時間はちょっとだけでいいし、基本ひとりではつまらない笑)
これ、今まで誰にも分かってもらえなかったから、同じこと思ってる人間がいたことにびっくり!
それ以外にも、ほんとうにどうでもいいような、ちょっとした共通点がたくさん見つかった。
そんな似ている人と一緒にいた時間は、合わせようとしなくても、
「わかる!私もそう思ってる!」の連発。
考えてることが大体一緒だから、純粋に楽しく、それこそ私らしくいられる時間だった。
過ごした時間の中でたくさんの思い出はあるけれど、他の人と圧倒的に違うのが、感情の表現。
「ありがとう」
「好き」
「楽しい」
この言葉たちを何回言ったんだろう?
相手を喜ばせたくて言っているんじゃない。
恥ずかしいなんていう感情はどこかに置いてきた。
自分の中の思いが溢れて、伝えたくなっちゃうの。
傍からみたら多分、バカップルくらいの頻度と深さで笑
相手にどう思われてもいい、相手のおかげでこの幸せな時間を過ごせているという気持ちから、とりあえずこの感謝と幸せを伝えたいって思っちゃうの。
こんなにも人に思いを伝えたくなったことは初めて。
ありがたいことに相手もそれをちゃんと受け取ってくれる
そして何より同じように返してくれる。
私はもともと思ったことはすぐ口に出してしまうからストレートコミュニケーションはいつも通りっちゃいつも通りなんだけど、同じ熱量で何度も返されたことなくて
だから嬉しかった。
気持ちが満たされる
満たされるというよりも、もうだばだばに溢れてるという方が適切かな笑
知り合いというには、もう距離が近すぎて
友達というには、言葉の重みが足りない気がして
家族というには、なんかしっくりこなくて
既存のことばでは、わたしたちの関係性は表せない。
でも、ことばで表せたらなんかいいじゃん?
誰かに説明するとなったらなんかことばがほしいじゃん?
ずっとぴったりなことばを探していたけれど、何もしっくりこなくてそして諦めた。
けど、この関係性を表す言葉は見つけられなくても、私からみたその人のことを表すことばは見つけた。
「とくべつなひと」「たいせつなひと」
今までのどんな関係性のジャンルにも振り分けられなくて、唯一無二だから。
こういうことも伝えたくなって伝えたら、
「同じ事を考えていて、" だいじなひと "、" たいせつなひと "の二択だった。」って返ってきた。
まぁーた、考えてること一緒笑
どんなことばでも言い表せないこの関係性は、7割くらいははしゃいでるきがしていて、その時は面白くて楽しくて心地よくて……太陽から光を浴びている感じ。
でもたまにくる3割は、楽しいけれど、穏やかで、ちょっと切なくて、心は落ち着いている……最初は夕方の海を眺めているけど、だんだん暗くなってきて、夜の海や星空を眺めているときの気持ちに近い。
このどっちもを一緒にできる人って、私は今までいなくて。
基本的に前者しかいなくって。後者がいたとしても世界観が違うことがほとんどで、"頭では理解できるけど心では共感できない"状態でしっくりこなかった。
だからどっちも一緒にできるこのひとは「とくべつなひと」なの。
考え方や過ごし方が一緒だとしても、今まで生きてきた時間は大幅に違う。というかたぶん共通点無し。
だからこそ気づかせてもらえた、もらったものがたくさんあった。
私の笑顔を何度も褒めてくれて、自分の笑顔がちょっぴり好きになった。
私の笑顔をひまわりに例えてくれて、ひまわりが目に入るようにった。
曲の歌詞をすごく味わうから、音楽は曲調派の私が歌詞を味わうようになった。
私の撮る写真にすごく価値を見出してくれた。
私のつくる"ことば"の良さを伝えてくれた。
私の感性を、褒めるを超えて大好きになってくれた。
まだまだたくさんあって挙げたらキリがないの
私の目に全く映っていなかったものが、目に映るようにしてくれて
私が既に見ているものの見方を変えてくれた。
とても感謝しています。
別れのとき、涙は出なかった。
なんだか心がとても澄んでいて。
悲しいとか寂しいとかそういう感情が出てこなかった。
最後に手を振った時も、むしろ清々しい気持ちだったのに。
別れる直前にもらった手紙を帰り道に読んだ。
最初は途中までしか読めなかった。涙が溢れてきてしまって…
最初は私の好きな曲なんですよ~と軽いノリで紹介したけど、気づけばこの日々のテーマソングになったPADWINPSの「正解」を聞いた。
今の心情に歌詞のリンクしているところがありすぎて、この日々を思い出して泣いた。
なんで泣いたのか自分で分からなかった。寂しさもあるけど、なんかそういうんじゃなくて。
ことばにしなければいけないとしたら、幸せからきた涙かなって思う。
だって
しょーもないことでふざけあった夜も
時間も気にせず、深い話をしたあの夜たちも
案の定、次の日は寝不足で、睡眠時間と起床時間を報告し合っていた朝も
目的地も決めずに、気の向くままの昼間のドライブも
朝早く目が覚めてしまって二度寝できないから、澄んだ空気を一緒に感じたあの朝も
海で音楽を聴きながら思いを馳せたあの夜も
1週間の休暇中なのに、ずっと頭からあの人たちが離れなかったあの日々も
お互いに心をふるふるさせながら、一言も話さなくても分かっていたあの時間も
バカみたいに愛を伝えあったあの瞬間も
普段早口の私が、心で感じて、ゆっくり話していたあの時間も
おとなたちが子どもにもどる瞬間をみたあの時間も
普段飲まないくせに楽しすぎてお酒にのまれたあの夜も
言葉に上手くできなくなった私が、言葉を探している時に、じっと待ってくれたあの時間も
プレゼントをもらって嬉しかったあの時間も
サプライズが成功して、片やはしゃいで、片やふるふるしていたあの時間も
涙が止まらなくなって慰められた最後の夜も
どの時間も幸せでしかなかったから。
今までいったどこの場所よりも、心が動いたこの日々。
出逢えてよかったと心から思う。
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