立会人から見た選挙開票の効率性改善案
まだ下記の記事をお読みになっていない方はこちらからぜひお読みください。
先日の上記の記事をアップしてから、Facebookなどを中心にかなりたくさんの反響をいただき、「こうしたらもっと良かったんじゃないか?」という改善アイデアもたくさん出てきました。なのでここに書かれていることは、私が考えたことばかりでなく、他の市民のみなさんの考えたことも多数含まれています。私が体験した開票現場の状況とあわせ、そういった中で、私なりの視点で、ぜひ選挙管理委員会に今後活かしていただきたい内容をまとめてみました。
はじめに言っておきますが、これは選管を批判することは目的ではありません。
私はこの数年前、投票率の向上についてどうしたら良いかなどについて考え、期日前投票所の増設について陳情を出し、議会でも採択、市役所のほうで検討されて実際に期日前投票所が増設されましたし、Facebook上では【選挙に行こう!目指せ投票率日本一】啓発のためのプロフィールフレームをつくったりといった活動も地味にしてきました。また、市内では他の市民の方も、投票済証をお店に見せると割引などの特典がうけられる「選挙割」のポスターをつくって広めたり、といった活動もSNSを中心に展開されています。
ですから、こういった市民の改善案もしっかり選管に取り入れていただき、次に活かしていただきたいのです。実際、今後もしもこういった投票率向上の取り組みが活きてきて、投票率が仮に10%向上すると、票は10,000票程度多くなります。そうなると、改善しないまま同じ方式でやっていくのであれば、もっとひどいことが起きる可能性は充分にあります。
こういった改善案も、公表せずそのまま意見として市に送る、という事も出来ますが、議会を通すわけでもないこの意見を、しっかり検討して取り入れていただくには、悩みましたが公表するほうが良いと判断しました。ですので、この記事の内容は公開後、市にお送りしたいと思います。
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■票束の回し方について
基本は手があいた立会人をつくらず、全員がよどみなく同時に票確認をする状態をつくることをめざす。
↓↓↓↓そのための対策↓↓↓↓
・立会人作業管理リーダーを置く
立会人全体の状態を見て、適宜指示を出す立会人係のリーダーと、数名のスタッフを配置。(立会人工程以外の各工程ではリーダーはいたのか。)
・ハンコ欄に番号をふる
立会人の票確認後のハンコ欄が空欄でした。立会人はそれぞれ番号がふられて、椅子のうしろに番号が貼られていましたが、これが書かれていません。椅子に貼った番号は最初に立会人が座るための位置を指定するだけの機能だったことになります。付票のハンコ欄に立会人の番号をふり、同じ場所にハンコを押すようにすればまだ確認していない立会人が誰なのか一目瞭然です。これだけで作業効率の大きな部分は改善できたのではないでしょうか。
・この上で最初に全員の前に票束を均等に置く。そして一定方向に流す。
・票束が滞留して渋滞ができたらスタッフが空いている立会人にまわす。
・予行演習をする
事前にこの流し方やだいたいどのくらいの時間がかかるかを、今まで開票にかかわわったことのない職員を10人集めて予行演習をし、どのくらい時間がかかるかを計測しながら改善点を洗い出す。机の並べ方なども予行演習をして最適な状態をつくる。
・予行演習を通して全体にかかる時間を予測しておく。
・票束の確認方法やまとめ方について
・票束は輪ゴムをかけたまま確認すると候補者の名前の上のほうは見えません。説明であった確認方法では確認方法として単に見たフリをするレベルとなってしまい、妥当ではないと思います。
・ダブルクリップで100束を止める方法も検討してみほしいと思います。試したところクリップを止めたまましっかり確認できました。ただ、票束の廃棄時に作業が発生するなどの問題もあるかもしれませんね。
■立会人説明会について
・票束の確認方法について、説明会の中で模擬束を立会人に実際に手にもってもらい確認をやってみる、というくらいしても良かったと思います。
これがあれば確認がなかなか進まなそうな方に、あらかじめ適切に助言できたのではないでしょうか。
・また無効票、有効票に関する説明もほぼありませんでした。手引きにはテキストのみで書いてありましたが、こういった事例は無効、有効というのを、事例を明示してあらかじめ説明してほしかったと思います。今回はあらかじめ自分で予習していた事をもとに確認していました。
■ハンコ
説明会のときに、ハンコはお持ちですか、と確認されたときに、立会人から「シヤチハタでも良いですか」と質問がありました。そのときに、「基本はシヤチハタではないほうが…ちょっと不明なので確認します」といって結局シヤチハタでもOKという結論になっていました。このことから、シヤチハタはむしろ非推奨のようでしたが、こんなにハンコ押すならむしろシヤチハタのほうが良かったと思います。
手引きにシヤチハタでも可と書いておいてもよかったかもしれません。
■立会人が洗い出した疑問票の扱いについて
・会場では「これはどうなの?」となった疑問票について、その立会人にはその回答について職員が有効無効を伝えたがそのまままた束の中にいれて流していたので、また別の立会人が同じ確認を職員にするという事が多々ありました。また、その疑問票について、立会人全員が集まって確認したほうが良いという意見が立会人から出て、しばらく議論になってしまった場面もありました。
一度質問などがあった疑問票について、全員の立会人がなるべく時間をかけず、その情報を共有する手段が必要ですが、この対策は考えられていなかったと思われます。
また、機械集計、職員仕分け後の疑問票は、集まって確認していましたが、立会人が洗い出した疑問票は全員確認のものとそのまま流すものと2通りあったのではないかと思います。
■投票箱の確認時
・投票箱の中に鍵の入った封筒などが入った状態で置かれていて、立会人が確認しづらかった。(封筒の中には票が紛れ込んでいないのか?など少し心配になりました)
またフタが中に立てかけられたりしていました。これもしっかり外に置き、中がすぐ空だと確認できるようにしたほうが良いです。
こういった事の配慮にもこの作業リーダーが必要です。
■選挙録の捺印時
最後に2名の職員が別々に数ページの選挙録に立会人のハンコを借りて各ページに割印、捺印していました。(一冊につき、80カ所くらいの捺印が必要)この選挙録捺印だけでも20分ほどかかっていたのではないでしょうか。
この捺印方法についても、たとえば2冊を同時に立会人の前にもってきてハンコを借り、捺印してしまえば時間短縮になります。
■休憩について
8時10分に集合して5時20分に解散になったので、9時間以上会場にいたことになります。
その間休憩らしい休憩が一切ないということ自体が異常。どんなブラック職場なのでしょうか。(こまぎれにある待ち時間は休憩にはなりません。)
立会人の集中力も切れますし、むしろ作業の効率も悪くなります。
数時間の滞在時間に短縮できたとしても、20〜30分程度しっかり休憩はいれて、軽食もとれるようにしてほしいと思います。
(事前の案内に長時間にわたる可能性もあるので、必要に応じて軽食や飲み物を持参することを書いておくなど。)
たとえば立会人の確認作業について、半数ずつ休憩に入ってもらうなども出来ると思います。
■回示点検方式が前提なら、翌日開票も視野に入れる。
翌日だとしても時間短縮しないと立会人、職員の負担が大きいので、改善はもちろんお願いしたいと思います。
■当落ラインの僅差の票差のため、立会人の確認を慎重にやることは重要。
今回の事があったからといって、安易に随時点検方式に変更はしないほうが良いと考えます。確定票はしっかり確認するべきです。改善点はたくさんあります。
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■発表の仕方について
機械集計と職員の仕分けの時点で、23:20に1,100以上、23位までがほぼ確定しており、立会人にはその後の発表時間にこの資料が配付されています。
(23:20の時点では、立会人にこの数字は開示されておらず、資料が配られたのは、公表時と同じ時間の、02:20)この時点で速報を出してもらえば大方の候補者、支援者は安心できたと思います。速報はあくまで速報なので、速報としての発表ならこれで良いのではないでしょうか。ちなみに、選管に確認したところ随時点検方式の場合は立会人確認前のこの機械集計後ですぐに発表されるそうです。
※開票立会人に2:20に配布された資料
報道などを通してさまざまな批判が起きたのは待ち時間が長すぎたことが主な原因。
正直立会人への心ない批判にはかなり腹がたち、前回の記事投稿となりましたが、待っていた方のストレスが大きくなったことは確かだと思います。僅差で票差が出るのは当落ラインの候補者であり、僅差の票については立会人の確認でしっかり見る、という流れにすると良いと思います。
私の感覚からいうと、選管、立会人、会場観覧者、また自宅や事務所で開票情報をやきもきしながら待っていたみなさん、すべてに悪気はなかったはずですが、様々な不手際により全員が不幸な状態に陥ってしまったのではないかと思います。
こういった不幸な状況に対して、誰か特定の対象者に責任を押しつけ、批判が行くことは決して良い方向には行きません。
次回に向けて、ぜひどの立場の方も誰か特定の立場の人のせいにするということなく、改善に向けて前向きに取り組むという気持ちを持っていただけたらと思います。
以上が私なりの改善案まとめです。