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企画のスタート40

 絵と音が車の両輪となるアニメ作りにおいて、アフレコの後に来るダビングは本当に奥が深い作業です。効果音ひとつでキャラクターの存在感を確立させるコトもできます。なのでプロによってキャラクターを意識して作られた音楽なんて、面白い作品を作るのに最強の武器になることは言うまでもないですね。
 「シティーハンター」音響監督の浦上靖夫さん(=うらさん)は、ストーリーの緩急とそこに登場しているキャラクターの音響バランスが抜群です。アフレコしてる時から、まだついてない曲が音が頭を支配してるに違いありません。
 エピックソニーの長崎行男さんは1枚目のサウンドトラック盤リリースの企画を出してきます。アニメ番組のサントラ盤なのに、なんと収録曲10曲がすべて歌入り。今ならこーゆー戦略もアリなんでしょうが、基本、作品が必要とする楽曲を制作するワケですよ、予算もあるし。もちろんBGMとなる劇版も快調制作中、コンポーザーに矢野立美さんが加わってきます。後で思えばこの辺からモッコリ音楽方面には磨きがかかりましたね。
 長崎さんからそーゆー楽曲群を提供されて、うらさんはますます燃えます。「シティーハンター」の後半作品にはほとんどと言っていいほど、挿入歌として歌入り楽曲が使用されてます。だいたい、日本語でセリフが入ってるのですから、英語歌詞ならともかく、日本語歌詞の楽曲はかぶせて使いづらいと思うのが普通です。ところが楽曲のエネルギーパワーを、登場人物の行動に注ぐかのように合わせていくのがうらさん。これは「シティーハンター2」にあった事ですが、神谷明さん演じる冴羽獠のセリフにかぶせて、神谷明さん歌う挿入歌を合わせちゃう。ええっ?って思うけど、これがやってみると1+1が3になっちゃってるようなマジックに。「シティーはシーンごとのセンスを合わせて楽しい冒険ができた」は後のうらさんのセリフ。まだ20代だったボクもマジ勉強させていただきました。
 番組への使用頻度が高いのは北代桃子さん楽曲かな。「FOOTSTEPS」なんか昨年の映画「新宿プライベートアイズ」にもいい所で使用されてたし。そしてボクが一曲というなら大滝裕子さん「MR.PRIVATE EYE」。さわやかな風に吹かれる探偵さん、ってな曲世界が大好き、映画にも使用してもらえたし、何より映画タイトルに影響与えてたりして。
 写真は久しぶりに大阪本社を訪問、大阪城を撮りました。背景がNHKになるんですね。

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