企画のスタート28
「シティーハンター」1987年4月放送開始させるため、毎週必死のシナリオ会議が続きます。当時の放送ラインナップ見てもいろいろ奮闘の様子が見て取れます。まずお正月に当時の編集者・堀江信彦さんに指導してもらった内容を実行せなばなりません。それはこの作品を「モッコリ主導」にすることでした(ちょっとニュアンスは違いますが😓)。幸いボクも日本サンライズ植田益朗プロデューサーもソコに1ミリも異論はございません。むしろ原作のソコを笑って楽しんで読んでたので、方針変更?は極めて迅速に行われたのです。
とは言っても設定説明を含んだ2話分のシナリオはできてます。初期の原作をベースに、新宿の裏社会で生きる、主人公・冴羽獠と彼を取り巻く人物ストーリーの根本は変えることができません。そこでまず第1話を獠と槇村に限定、冒頭の仕事も「モッコリエアロビ❣️」なんてセリフから始めました。第2話はそもそもの北条先生描く「シティーハンター」最初の読み切り?エピソード。そして初期の原作を覆うハードボイルド感をドラマストーリーに差し支えないように減らし、槇村が殺された第5話で香がパートナーとしてつくことになったところではっきりと空気を変えていきます。
そんなオーダーを受けてくれる脚本家は、過日ここでお伝えした実写畑でも活躍してる実力派の面々。シナリオの打ち合わせは西武線上井草駅改札口出て目の前の建物3階で行っていました。今その場所はありませんが、上井草駅周りには数軒その頃のお店が懐かしくも残ってます。そして一番ハードボイルドな第5話をお願いしたのが井上敏樹さん。原作では槇村殺害は全米のシンジゲートがらみだったのですが、アニメではそこを追い求める方向ではないので少し設定を変えてもらいました。
その井上さん、ボクは初めてシナリオ会議で会ったのですが、最初からその豪放磊落な態度が面白く、同学年と知りそれから30年以上いろいろお付き合いしてます。そして基本みなさん手書きの時代ですが、彼の書くシナリオの表紙は毛筆で書かれ妙な迫力を醸し出してました。第5話最初の仮サブタイ「グッバイ槇村」これが彼によるおどろおどろしい血がしたたる筆文字縦書きになってると思ってください。あのコピー残しておけばよかったなあ、どこかにある気はするけど。
写真は高橋留美子先生描く「半妖の夜叉姫」もろは。とわとせつなは紹介してたのにもろはだけここでお見せしていなかった。そしてこの子は他の2人といろいろ異なってるのですよ。
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