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企画のスタート88

 アニメの作業として、キャスティングの前にするべき作業は膨大です。音響作業は基本的に後半戦なので、声優さんや音楽のイメージは固めていきますが、実作業までいくのは結構ギリギリの放送数ヶ月前というパターンが多いですね。「YAWARA!」の場合もそうでして、まずは作画作業に至るまでの各種段取りが続いていきます。でも放送時期が半年延びた事も味方につけて、少し早めにシナリオの打ち合わせに入れた事が良い方に向いてたと思います。
 その放送時期と放送枠ですが、1989年4月時点で月曜日夜7時30分に放送してたのはアニメ「美味しんぼ」です。月曜日夜7時から放送してた「シティーハンター」を1988年4月に移動させた代わりの枠になりうるのは、19時から平日毎日放送されてた帯番組「追跡」の下、同じ月曜日のこの枠かもという話は出ていました。その際は「美味しんぼ」は火曜日の夜7時30分に移るという仮設定も。
 実は歴史的に続いているNTV制作枠とYTV制作枠の取り引きかけ引き?ですが、営業事情もあったりで簡単な編成的交換になるわけはありません。制作現場のボクとしてはそーゆー認識でがんばろうと思ってはいましたね。「シティーハンター3」が同じ時期に日曜日夜19時、となるわけですが、この枠は春夏期はプロ野球もあり、人気番組ゆえの(あえて書かせて下さい😓)臨時的措置という面もある事は理解してました。プロ野球中継の存在は今考えるよりずっと大きなものでしたし。
 1989年10月スタートと内々に決まった事を受けて、ときたひろこ監督を中心に、井上敏樹さん、菅良幸さん、高橋義昌さん脚本家と毎週シナリオ打ち合わせを加速させます。一番大切なトコロです。連続物であるがための放送リズムも鑑みて、井上さんが作成したシリーズ構成がすべてのベース。猪熊柔と滋悟郎の登場や猪熊家、松田との出会い、本阿弥さやかと風祭進之介ら登場人物関係は、1話2話3話で見事に洗い描かれていきます。これは原作の確かなキャラクターやストーリー設定に、ライターさんたちの前向きなオリジナリティも加味された結果が出てたと思います。次は主題歌ですね。
 写真は昨日に引き続き渋谷シリーズ?山手線ホームから見た再開発真最中です。

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