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企画のスタート134

 原則的に時系列でボクの手掛けていたアニメのお話をしています。TVシリーズが自然と中心になるのですが、「シティーハンター」は実は3本の劇場作品をお送りしてきました。かなり前にお話しした1989年6月公開「愛と宿命のマグナム」、そして1990年8月25日に公開された「ベイシティウォーズ」と「百万ドルの陰謀」です。
「愛と宿命のマグナム」の好評を受けて、それではもう一度劇場版をやりましょう、と当時の製作配給担当日本ビクターの小松茂明さんとサンライズ植田益朗プロデューサーと合意はしました。ですがその頃は「3」の真っ最中で、現場もいろいろそれどころではなかった時期。「でも90分の長尺は無理でも、45分くらいの中編2本ならいけるかも」と言い出したのは植田さん。それってどーゆー理屈?って聞いてみると、まあ現実的にチームを二つ作る、それが別作品ならこだま兼嗣監督をリーダーにスタッフ的にも可能になる、とのこと。
 まあ確かにこのタイミング、“機を見るに敏“とも言うし、スタッフが充実してる今、とにかく手にできる切符は全部使っていこう、とばかりにまずシナリオに入ったのでした。ベイシティの方はずっとシティーでハードボイルド的ストーリーを生み出してくれてる平野靖士さん、百万ドルの方は初期から文芸担当もしてくれてて「3」「‘91」でもシナリオをやってくれる外池省二さんにお願いすることに。もちろんお願いする時はタイトルのようなテーマは決まっていません。ですがどうせシティーの世界でもう一度劇場にアタックするなら、中編と言えどもスケール感にはこだわりたいと。
 この両作品、スーパーコンピューターに関わったバトルものの舞台を、30年前に今の姿を想像できなかった当時のお台場あたりに想定したのも、100万ドルのスパイ陰謀事件を取り扱ったのも、なんだか当時のやる気がみなぎってて良い思い出ですね。写真はサンライズさんのHPから「百万ドルの陰謀」イメージボードです。

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