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企画のスタート18

 吉祥寺での奇跡の出会いについて落ち着いてからすぐに、日本サンライズ・植田益朗さんに電話しました(こーゆー電話はいつも公衆電話からなんですよ)。少しでも早いうちに今の連載しているキャラクターの流れにしよう、というのは一致したのですが、問題は原作使用許可です。植田さんの方で仕込んでくれたシナリオは打ち合わせも経て、力量あるベテラン脚本家二人のおかげでとにかく提出レベル。堀江さんの意見は入れ込めませんが、とにかく原作の骨格を生かし最初なので何人かのキャラクターを紹介しながら、冴羽獠が起きてる事件をユニークに解決するパターンでした。問題は絵コンテでしたが、これもあるスタッフの年末年始を奪ってなんとか完成。新年早々の編集部にそれを届けて2日後に植田さんと再訪しました。
 後で堀江さんに聞いたことですが、「シティーハンター」は放送できるの?と思えるモッコリ要素はあるものの、「キャッツ・アイ」の北条司先生の作品だし、他にもアニメ化希望はあったそう。つまりキー局からのオファーもあり、そして制作期間の短さも不安材料で、在阪局のytvではいかがなものか、との討論もなされたそうです。でも「こんなにやりたいやりたいって言ってきてるんだから、やっぱり一番やりたいヤツにやらせてみようよ」っていう堀江さんが意見を押し通してくれたそうです。
 「とにかくここまで言ってくれてるし、そして課題の内容レベルも確認できたので、今回は諏訪さんたちにお任せすることにしました。こうなった以上は時間がなかった、などの理由でジャンプアニメの名を汚さないようにして下さいね」後藤広喜編集長はちょっと笑顔も交えて言ってくれてたはずですが、発言中にその顔を見る余裕はボクにはありませんでした。嬉しすぎてアタマが真っ白でした。植田さんと一緒に編集部を出る時に、握手してくれた後藤さんと堀江さんの笑顔だけは今でも脳裏に焼き付いています。
 さあ、ここからエンジンフル回転です。すぐに一緒にずっと行動もしてくれた上司の森本博政部長に報告。改めて“シティーハンター漬け”の日々がスタート。まずはシナリオそしてスタッフ集めです。続きます。
 写真は今も麹町に残る路地。日テレから一本外れたこの路地に「入一(いりいち)」という定食屋がありました。昼も夜もお世話になりました😊

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