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企画のスタート59

 さて1988年秋、小学館ビッグコミックスピリッツ編集部の奥山豊彦さんと偶然の2度目の再会からアニメ「YAWARA!」はスタートしました。1986年夏に連載がスタートした浦沢直樹先生の「YAWARA!」はすぐに人気沸騰、ボクが企画を持っていった時にはすでに実写映画化の話が決まってたほど。そんなわけで作品の面白さは太鼓判なのですが、それをすぐさまTVシリーズに、となるのは当たり前なんですが簡単ではありませんでした。
 まずはよくあることですが、企画のライバルの存在です。同じくアニメ化の名乗りをあげてきているのがキティ・フィルムさん。高橋留美子先生の「うる星やつら」「めぞん一刻」と立て続けに大ヒットを飛ばした当時のアニメ界を代表する制作企画会社。その企画プロデューサーはベテランらつ腕の落合茂一さん。そして小学館も落合さんやキティの手腕を高く評価しており、キー局でもないytvの若僧プロデューサーなど入るスキマもない感じが、それからの奥山さんとの会話からもヒシヒシ伝わってきたのです。
 ちなみにまだ20代だったボクはその当時の少ない人間関係から、この企画を「シティーハンター」を一緒に成功させてる植田益朗さんに相談してました。なので制作会社はサンライズということになります。さあどうするか。
 その当時は小学館もセキュリティは厳しくなく、ボクは週一編集部に通ってましたね。毎週決まった曜日に校了日という週刊雑誌制作の最終工程に近い必要不可欠な作業があるのです。担当してる漫画家先生によってはなかなかその締め切りに間に合わないこともあり、この校了日を編集者のみなさんはそれぞれの行動をするのですが、可能な方は校了を済ませてお疲れ様の食事会へと突入するコトも。なんとその席に奥山さんに誘っていただきそこに結局毎週合流させてもらうことになり、そうなると各担当作品を受け持つ編集者さんと知り合えることになって。ボクのマンガ好き論をビール飲むに任せてその人たちと語り合える、ボクにとってはチョー至福な時間を味わっていたのです。…すみません、飲んでる話で全然結果にたどりつきません。続きます。
 写真は嬉しいこのタイミングでytv同期の藤門浩之さんが送ってくれた「アニメだいすき!DATA BOOK」1990年8月発行のコピー。「アニだい」と番組を呼んでた当時を、この資料も元にしてこれからもお伝えしていきますね。

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