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企画のスタート49

 「シティーハンター2」の制作も間髪入れずに始まり、1988年のスタートは前年と変わらない忙しさ。でも違うのが前年のように、企画が通るのか通らないのかという大きな負荷を背負ってない事。誰と何をやっても作品の血となり肉となる、誰とどう話しても番組の進歩や進化につながる。まだボクが20代にこーゆー勢いを体験できた事は大きかったと思います。
 その4月からの「シティーハンター2」の放送時間ですが、ytvは土曜日夕方6時、というのは社内のことでもあり、前年から言われてました。ただNTV他の局の時間はなかなか決まらない状態が続いてました。各地のTV局に対しては番組販売の形になり、その枠はすぐは決まりません。でもそんな事は関係なく、現場では番組のシリーズ構成をはじめ、何を軸にどんな展開をさせていくか、こだま兼嗣監督を中心に毎週トコトン話し合います。
 「シティーハンター」放送の特徴の一つでした30分一話構成は、広く浅い視聴者対象としては見やすくていいのですが、冴羽獠たちの活躍を起承転結しっかり描くにはどうしても尺足らず(時間不足)となります。なので「シティーハンター」よりもオリジナルの前後編ストーリーを増やして、獠たちの活躍を骨太なモノにしようという方針を立てて、シナリオライターさんたちにそーゆーオーダーをします。シティーのシリーズで作品のカンを捕まえてもらった優秀な脚本家たちは、それこそ主人公たちにいろんな方向からスポットを向けたユニークなプロットを次から次へとあげてきてくれて、2のシリーズは全体の半分くらいがオリジナルストーリー作品となりました。
 北条司先生の原作マンガもちろんモッコリ面白さに満ち満ちてまして、原作をこだま監督らが直接絵コンテに起こしていく作業も並行していきました。この作業を番組では“構成”とクレジットしてます。これ、決して簡単なそして単純な作業ではなく、多くの原作マンガがアニメ化の際、当然のようにライターによってシナリオに起こしてから、絵コンテ作業に入っている事実をみてもわかると思います。原作のストーリー流れを30分のアニメとして置き換えていく作業には、演出などを理解してるセンスが必要な事は明白です。シティーからこの手法を取り入れたこだま監督、その10年近く後の「名探偵コナン」でも見事にコレを成熟した作業にして番組作りに活かしていました。
 写真は最近発掘された😓「GET WILD」デモカセット。これ、植田益朗さんの字?結局「シティーハンター」で1年放送され続けました。

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