アニメコナンの始まり
各社関係者のおかげもありまして、いろいろな準備も功を奏して、とにかく1995年5月下旬からTVアニメシリーズ「名探偵コナン」の制作がスタートしました。あ、監督ですが、実はボクが「魔法騎士レイアース」と一緒に手がけてた作品がありました。それがTVスペシャル「シティーハンター ザ・シークレットサービス」です。監督はもちろんこだま兼嗣さん。実はこの作品、1995年春には完成しててあとは放送を待つばかり。その制作中にもミステリーが好きというこだまさんと何度かコナンの話をしてたりして。なのでこだまさんともコナン制作のスケジュールの話も出来ていて、最初の打ち合わせから参加してもらいました。
まずしなければならないこと、それは番組の方向性を決める事。制作開始の頃は放送時間が月曜日夜7時か7時30分か未定でした。「ストリートファイターⅡV」「魔法騎士レイアース」どちらかの後番組となるわけです。ボクは番組を作るにあたって自分のしたい方向を加味した“青図”を描きます。「名探偵コナン」を面白く読んだ自分の気持ちをいかに番組にシンクロさせるか。それを言葉にするのなら「シティーハンター」の頃から考えてた「アニメドラマを作る」となります。ターゲットはまずは小学生〜中学生、ですが、兄弟姉妹がいるとするのなら、下の方が背伸びして上について見ていきたい、そんな感覚を持たせる番組にしたいと思ったのです。こだま監督や東京ムービー新社の吉岡昌仁プロデューサー、柳内一彦プロデューサーとも話し合い、その方向性を確認しました。
すぐにシナリオ制作に入らなければならないのですが、その脚本家を集めるのにちょっと工夫をしました。まずはシナリオ作りのキーマンに入ってもらいます。それが今もストーリーエディターのクレジットで活躍してくれてる飯岡順一さん。言ってみれば「ルパン三世」を手がけている当時の東京ムービー新社だからこそできたスタッフィングであり、アニメコナンの色合いを決めるひとつの要素になったと思います。
写真は5月6日にリリースされた記事「『名探偵コナン 緋色の弾丸』興行収入56億円を突破!」の写真です。アニメの最初を書くのですからもう一度しっかりとキャラクターを見つめたいと思います。
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