見出し画像

さらに「ハケンアニメ!」

 しかしここ何日か、エンタメ業界の人ならずともSNSでの発言が目立っている気がします。それは映画「シン・ウルトラマン」「ハケンアニメ!」の関連なのですが、すごく良いことというか嬉しく感じてます。それにこの2作にはスタッフに何人か知人もいて、なんだか他人の映画の気がしない。
 特に「ハケンアニメ!」の方は、あまりにアニメ制作世界に特化していて、ボクとは違う立場の人たちの話でありながら、明らかにつながっているスタンスでスクリーンに没入してました。そして作品内には今あるアニメの労働環境とか、最近も歴史を重ねていろいろ言われる内容があることもわかってはいますが、この映画の面白さはそこで減るものではないでしょう。
 ボクにとってこの映画のスゴさはまず筆頭に劇中作品にある。と思ってます。作品フライヤーにも書いてある「サウンドバック 奏の石」と「運命戦線リデルライト」。絵コンテからキャラクターデザインまで映像に使用されてるこの二作、どう見ても既存もしくは新作完パケ作品ではなく。なんとこのプロットも原作の辻村深月さんによるものだそう。当然必要な部分のみを制作してるとのことですが、映画そのものを貫くテーマというか背骨みたいなものを感じさせてくれてもはや圧巻。今漂うアニメ業界の空気がその二作のバトルで語られてる、これが面白くないワケがない。冒頭の写真は作品HPからです。
 原作の初連載が2012年、もう一昔前なのにアニメ制作に取り組むサマはそのまま現在に通じている。これは辻村さんのアニメに対する鋭い視線と、それ以上に“アニメが好き”なスピリットが反映されているゆえかと。ボクが辻村さんに取材されて一番嬉しかったのも、アニメの話に目をキラキラさせて身を乗り出してくれるところでした。
 「ハケンアニメ!」「シン・ウルトラマン」。両作ともエンタメ業界関係者はもちろんですが、そうじゃない方々にこそ観てほしい意欲作です。そして自由な感想を期待したいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?