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企画のスタート54

 「シティーハンター2」はおかげさまで自分で想定した視聴率を超えて好調スタートできました。主題歌も劇版音楽も板についてきて番組としての安定感を得た感じでしたね。ゲストヒロインも声優界の美人声優しか呼ばれない(ウソです)なんていうジョークなウワサも飛び交い、「ワタシ呼ばれてないけど」なんて女性声優から言われたりすると、番組がそれだけ浸透してる事をヒシヒシ感じてました。
 それはそれとして、アニメ企画活動は続けていました。放送想定枠も無いのになぜ?と自問自答しながらですが、自分がこれは、と思ったマンガは、その可能性だけでも確認したく。もし可能性があるのなら、そこから放送枠探し、となるのですが、自分があたためてる企画を持ってる、という事は社内に動きがあった時すぐに対応できる事になります。というわけで面白いマンガを求めて出版社アタックなのですが、大阪本社の会社に入社したのに東京に来ている恩恵を受けました。好きな雑誌の出版社はとにかく行ける距離にあるのですから。
 講談社に初めて行った時は、この神殿のような建物が出版社?ってマジ思いましたね。あれは確か1988年の初夏でした。「モーニング」誌を訪ねたのですが、電話でアポを取って出てきてくれた人がなんと栗原良幸編集長でした。とは言ってもその時点でのボクはその人の凄さをまだちゃんと把握できてない状態。隣の喫茶店に案内されて二人でお話。ボクは当時連載中の2作品を一緒にして「トムとジェリー」みたいな「モーニング劇場(仮)」なる企画を熱っぽく語ります。静かに聞いてくれた栗原編集長は開口一番「君は何をそんなにあせっているのかね」。そのマンガをどんなに好きか、アニメにしたらどんなに面白いか、をがんばった結果、落ち着け、と諭されたのです。アホでした。
 トータル2時間近くお相手していただき、成果は何もなかったものの、その後パーティーなどでお目にかかるたびにご挨拶できる仲にはなれました。後に「スピリッツ」と「モーニング」で「西の白井、東の栗原」と言われてる人と知り、知らぬがホトケとはいうものの、そんな人に直談判なんてよくやったなぁ、としみじみ。でもこれが後の1992年に「よみうりテレビはゴンになる」なんてキャッチフレーズのキャラクター「ゴン」(モーニングに連載された恐竜キャラクター)の成立につながったんですよ。
 写真は、企画を出すときはいつも神頼み、ではありませんが、最近ご縁あってお参りしてる、雨の靖国神社です。

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