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企画のスタート83

 実は「シティーハンター2」の放送が終了する1ヶ月前に、ボクが初めて経験する出来事がありました。そうです、劇場版「シティーハンター 愛と宿命のマグナム」の公開です。1989年6月17日のコトでした。「シティーハンター2」の好調を受けて劇場版のお話が上がったのは前年の夏、折しも日本ビクターさんからリリースされてた「シティーハンター」のTVシリーズビデオソフトの売れ行き(もちろんVHSビデオ)が好調で、ここで思い切って映画に挑戦しようとなります。ちなみに日本ビクターの窓口は今も交流のある小松茂明さん。この頃から見事なサーファーで、その背の高い健康的な肌の黒さは眩しいほどのナイスガイ。この方にはシティーがらみで後日、いっぱいお世話になることになりますが、それはまたのお話。
 映画のシナリオはボクと同学年脚本家、遠藤明範さん。そう言えばこの日記でお伝えした、ボクと共同脚本の槇村の話(78.79話)を書いてもらった後、彼のTVシリーズがほとんどないのはこの映画に取り組んでいたからなのです。というわけで初体験の劇場版シナリオ作りはすごく大変、遠藤さん、ホントお疲れ様でした。特に冴羽獠の拳銃の凄腕感を、劇場版スケールで魅せようとした点がひとつのポイントでした。ドラマ終盤の獠がとった行動、それを本人が説明するセリフは本当に何度も何度も文章を吟味しましたね。
 アフレコも2日間にわたり、長尺アニメを制作する苦労を良くも悪くもたっぷりと味わさせていただきました。でもそれを吹っ飛ばしてくれたのが劇場公開初日イベントです。配給が日本ビクターさんという事で、この映画に対して交渉した公開映画館は、東京、大阪、名古屋、各1館じゃなかったっけ。でもその映画館でのファンの歓迎を初めて目の当たりにして、こだま兼嗣監督や獠役の神谷明さんらと手をつなぎ喜んだことを覚えてます。シティースタッフにとってすべてが初めてだった劇場公開、おかげさまで好評によりもう一度チャレンジする事になります。でもこだま監督以下、次作制作をそれほど喜んではいなかったのです。だってすることいろいろいっぱいあり過ぎるんですもの。
 写真は前も後ろも同じサンライズHPよりその劇場版ポスターです。「ハードボイルドが心に染みる」本当にがんばってたよなあ。

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