Taxua山
ハノイの北西、Son la省の中央を流れるダー川沿いの道を登り、雲海を見下ろす標高1500mの山がTaxua山だ。
ここに住むモン族の方々は、穏やかで静かで真面目だ。
最初にアクーさんにお会いしたのは7年前。
お香のような香りがするお茶に一目惚れした。
どうやって淹れても失敗しない、そもそもの茶葉に力がある。
山の斜面に張り付くように集落がある。
集落の中に樹齢1000年近い古茶樹が数本あり、その実生の種を裏山に植える。製茶の中心となる茶樹の樹齢は80年くらい。
樹齢1000年と言われる古茶樹には、ランやシダが生えている。
ハノイの茶商が、これらがお茶の栄養を奪っているとして、とり去ろうとしているのを止めたことがある。
ランやシダは茶樹を足場にしているだけで、暗い森の中から、茶樹に絡みついて上に登って、太陽の光を得て光合成をすることが目的だ。
モン族の方々の生活は、いたって質素で、板張りの隙間から光が漏れる家の中央に火がある。
薪を切り揃えることはなく、長い薪を火にくべて、燃えたら押し込むシステムだ。
火のまわりに小さな椅子を置いて人が集まる。
湯を沸かしてお茶を淹れる。
若いお母さんは家事と育児に追われ、おばあちゃんと犬とにわとりが自由に歩き回っている。
最近、中国の会社と提携して、中国に輸出するモン族の会社ができた。
茶葉に蒸気をあてて固めた餅茶にする。
中国茶と偽るのではなくTaxuaブランドとして売り出す。
若い社長は、人が好いだけのベトナム人の顔ではなく、ビジネスマンとしてのオーラがある。すでに民族衣装は着ていない。
餅茶にすることで価格をあげるが、中国のお茶に比べると相当安い。
Taxuaブランドへの模索が始まったところだ。
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