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物理と数学(2)


イントロダクション

ミレニアム懸賞問題

2000年3月24日、数学における7つの重要未解決問題

ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題
リーマン予想
P≠NP予想
ナビエ–ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
ホッジ予想
ポアンカレ予想(解決済み)
バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想

に対してクレイ数学研究所は100万ドルの懸賞金を掛けた。

これらのうち、ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題は、"4次元ゲージ理論と呼ばれる "場の量子論" に関する問題である。

基礎物理学ブレイクスルー賞

「科学界のオスカー」("Oscars of Science")とも呼ばれるブレイクスルー賞

セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)
マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)
プリシラ・チャン(Priscilla Chan)
ユーリ・ミルナー(Yuri Milner)
ジュリア・ミルナー(Julia Milner)
アン・ウーチツキ(Anne Wojcicki)

によって2012年に創設された。受賞の対象となる

基礎物理学
生命科学
数学

の各分野における優れた研究には、ノーベル賞を優に超える300万ドルの賞金が授与される。

直近の2023年9月14日に発表された基礎物理学ブレイクスルー賞には、

統計物理学 および 場の量子論 への多大な貢献と、それに伴う物理学および数学の様々な分野における多様かつ広範囲な応用に対して

という受賞理由によって、"2次元共形場理論" と呼ばれる "場の量子論" における偉大な先駆者である

ジョン・カーディ(John Cardy)
アレクサンダ―・ザモロドチコフ(Alexander Zamolodchikov)

の2名が選出されている。

数学の力で理論物理学を調べる

2010年1月22日に出版された論文において、

ルイス・フェルナンド・アルダイ(Luis Fernando Alday)
ダヴィデ・ガイオット(Davide Gaiotto)
立川裕二

の3名は、とある "4次元ゲージ理論" と "2次元共形場理論" の間にこれまでには知られていなかった不可思議な一致が起きることを発見した。

現在では AGT対応 と呼ばれるこの現象へと辿り着くために、まずは中学校で初めて習う「古典力学」からスタートして、「場の量子論」と呼ばれる理論に至るまでのガイドマップを示していく。(予定)


参考文献:立川裕二「場の量子論の数学と二次元四次元対応」
参考文献:瀧雅人「AGT 対応:予想から証明へ(解説)」

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