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仏の笑顔でCQを叫ぶ鬼のQSOパーティ

#新年あけましておめでとうございます

このnoteをご覧になっている皆さま。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

さて、1月1日の16時10分に発生した大地震「令和6年能登半島地震」。年始早々の災害で被災された皆さんに心からのお見舞いと、そして救助活動などで現地で働いていらっしゃる皆さまのご苦労とご健闘には頭が下がる思いでいっぱいです。

#QSOパーティどうする?無線家のアイデンティティどうする?

アマチュア無線家にとっての年始というのは日本アマチュア無線連盟(JARL)が主催する「QSOパーティ」に参加するのが通例となっています。普段、無線機に火を入れない皆さんもこの日ばかりはアマチュア無線交信を楽しみ、年始の挨拶をすることがとても多いです。

簡単に「QSOパーティ」を説明しますと、1月2日の朝の9時から1月7日の夜21時までの期間、全国的に開催されるアマチュア無線イベントで、普段のイベント(コンテスト)とは違い、レギュレーションもほとんどなく、誰かと競うコンテストでもなく、ゆっくりと年始の挨拶を電波を使ってしましょう!というとてもライトなもの。この期間に20局と交信を行い、その記録(ログ)を連盟に必要書類(サマリーシート)切手を貼った返信用封筒を添えて送ると、記念品としてその年の干支シールをもらうことができます。12年間連続でこのシールをもらうと12支全部の絵柄のシールを揃えることになり、それを専用の台紙に貼ることによってコンプリート(12年)することができます。QSOパーティで唯一のレギュレーションであり記念品的なものがこのシール集めとなります。(コンプリートした台紙を連盟に送ると特製の盾を購入することもできます)

2022年の9月からアマチュア無線を始めた私にとってもこの「QSOパーティ」というのは特別なイベントで、普段から無線運用していてもこの期間は特に胸を高鳴らせながら参加するイベントです。そう、去年までは!

地震の翌日(1月2日)から開催するQSOパーティ。流石に震災の翌日から「パーティ」はないだろう?とJARL本営から中止・延期のアナウンスがあるかなあと思っていたところ、

この度の石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」により、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と一日も早い復旧、復興がなされますことを心よりお祈り申し上げます。
なお、余震も続いておりますので、非常通信周波数はクリアにし、交信時のブレークなどには十分聴取した運用にご協力をお願いいたします。

一般社団法人 日本アマチュア無線連盟 会長 森田耕司

JARL公式サイトより転用

と、会長の森田さんからアナウンスがあったのみ。
「え?やるの?年内最大イベントであるQSOパーティ、このタイミングで、やるの?」という信じられない対応に驚愕したのでした。

震災とアマチュア無線にはなんか「幻想」のようなものがあると思っていて、それは「アマチュア無線が災害に強い」とか「災害時に役立った」いう無線家の自己肯定感に直結している過去の栄光的な幻想がある。なので今回の震災があったときに「ぐっ!」と身を固くした無線家も多かったと思う。

想像していただければわかると思うのだけれども、建物の下敷きになったときに「ラッキー!手元にハンディタイプ無線機があった!」なんてことは恐らくなくて、過去の事例と照らし合わせると救援物資や医療物資の交通整理や誘導などで有効的に使用されたというわずかばかりの功績があるぐらいで、無線機を持って山で遭難をしたわけではないので、正直、急な災害や大規模の事故でそこまで役に立つとは思えない。

もしも。
もしも、瓦礫の下に生き埋めになっていたとして、もしも、手元にあった無線機のマイクを握っていたとして、どれだけ電波が飛ぶのだろう?と思うのは当然で、もしも、その電波を受信して救助に役立てるのであれば、どういう状況が理想的なのか、とも考えることができる。答えはシンプルでその微力な電波に耳を澄ますアマチュア無線家が全国各地にいて、その情報を必要な関係各所に伝達すること、つまりは緊急時、災害時には電波を出さずに、受信に徹することが、唯一、いかなるSOSの電波をもキャッチできる状況といえるのだけれども、そんな理想的な状況震災真っ只中のQSOパーティで賑わう状況完全に相反します

アマチュア無線の災害時での有効性。つまり、アマチュア無線家のアイデンティティでもあった「災害に強い」を強調するのであれば、QSOパーティは中止・延期して緊急時以外の送信を全て自粛し受信に徹するべきであり、逆に「災害に強い」というアイデンティティを放棄するのであれば普段通りに遊べばいいと思う。とはいえ、JARLというのはアマチュア無線の魅力の一つとして「災害に強い」を謳ってきているし、我々アマチュア無線家も中継地点に頼らない独自の電波を送信・受信できることは「緊急時」に役に立つとも思っている。つまり、アマチュア無線は災害時に役に立たない訳がないという幻想があり、それは令和6年においては妄想なのである。妄想の中で生きる趣味人なのである。

僕が今回のQSOパーティにまつわることで問題と思っているのは以下の点。
一つ目は1月1日の16時10分になる数分までは「明日のQSOパーティ、楽しみだなあ」と思っていた被災された無線家たち、仲間たちを思えば、日本アマチュア連盟(JARL)は今年のQSOパーティを延期、中止するべきではなかったのか?という素朴な問題点。この震災のせいで参加できなくてシールを入手に必要な交信数をクリアできない局長さんがいるのではないか?二つ目はまたそんな仲間たちを尻目に「あけましておめでとう!」をいう「パーティ」わざわざ連盟で開催する必要はないんじゃないか?ということ。

多分、最初の問題点は今後JARLから救済処置がとられるだろうと思うんですね。被災地域の方は後日、何らかの形で連盟に連絡すればシールはもらえるだろうと。二つ目の問題点は今後、遺恨を残すんじゃないかなあと思っています。端的にいうとアマチュア無線のアイデンティティクライシス災害時に役に立つ可能性を潰す所為を連盟名義で行なってしまったこと。そしてアマチュア無線家自らの手でSOS信号が届くかもしれない最も緊迫した期間の周波数をクリア(送信なしの受信のみの待機の状態)にできなかったこと。つまり災害にアマチュア無線界隈は無頓着であることを証明してしまった。その責任は個人個人にあるのだけれども、基本的に、アマチュア無線家はアマチュアなのでそこまでの責任感があるとは思えないので、やはり、JARLが率先して緊急事態特有の緊迫した空気を作り出せなかったことに問題がある。(その緊張感のない感じは上記の森田会長のコメント通り)

僕のアマチュア無線家としての感情としては、いつ何時、どんな状況でも、勝手に電波を出していいのが、アマチュア無線家の特権だと思っています。そんなのは個人の自由。たとえ、その交信でSOSの叫びがかき消されたとしても、CQを出していたその人には何の責任もないし、言及するべきではないし、そんな周波数にSOSを出した奴が悪い!で片付けていいと思うぐらいです。とはいえ、そんな状況下、そうなる可能性が平時より格段にアップしている中で、わざわざそんな失態的なことには関わりたくないし、したくもないので普通は運用を差し控えるよね、とは思うし、同じ国民として当然でしょ?とも思う。したがって、アマチュア無線家としては「どんな状況でもQSOしたい〜!」とか「シールが欲しい〜!」というのはよくよく分かるし理解できるけれども、個人としては「え〜!こんな状況でよくできるな〜!尊敬するなあ〜!」と少しだけその方の人間性が怖くなったりするものです。

で、結局何が言いたいかというと、いろんな状況がまぜこぜになっている混沌状態なのだから、連盟でちゃんとQSOパーティに言及するべき、せえよ!ということ。そこから「逃げた」連盟の責任はとても大きい。今後、僕はJARLを利用するけれども、もう期待はしないことに決めました。この組織は今の状態ではいずれダメになる。そうなったとしても、別に僕の命に別状はないし、どうでもいいとは言わないけれども、ザマアミロ!としか思わないというか、ね。多分、JARL的には阪神淡路の地震の時のように「役にたった」という実績が欲しいだけなんじゃねえかな?と邪推。

#QSOパーティは6日に参加

で、本題の交信記録。今年のQSOパーティは6日だけ参加しました。アマチュア無線が災害にはあまり・ほとんど役に立たないものだし、被災地から離れた群馬でCQを出してもほとんど影響もないし、QSOパーティの干支シールも欲しいし、何よりもアマチュア無線が好きだから。と言っても、6日まで待ったのは仕事があったせいもあるけれども、被災地の状況はともかく、僕の中での自粛するしない以前の心のありようが落ち着いたからなのでした。

今年初の運用は多々良沼公園(JA-1325)。POTA運用もかねて。

◾️430MHz/70cm/FTM-6000+10eleCQアンテナ◾️
JJ1NDP
JG1MLS
JF1IGK←30回目の交信でした!TNK!
7K1PQL/1←6回目の交信でした!TNK!
JG1BMN←3回目の交信でした!TNK!
7K3HAJ/1
JK1KLL←2回目の交信でした!TNK!
JK1NOU←8回目の交信でした!TNK!
JF1EVS←2回目の交信でした!TNK!
JI4OMC/1
JI1DUV
JH1MKU
JN1IDY
JE1TCG
JK1TMS/1
JK1TXR←2回目の交信でした!TNK!
7L2QAD
JA2IJJ/1
JE1LIO
JE1GUA
JH1NAB
JA3LRO/1
JM1GFU
JG1WKM/1
JI1OMM/1←7回目の交信でした!TNK!
JF1FBS
JE1DRH
JI1QMB←2回目の交信でした!TNK!
JE1NZZ
JK1RGA
JK1QCX/1←4回目の交信でした!TNK!
JF1LMC←2回目の交信でした!TNK!
JK1OXG/1
JK1MWD←4回目の交信でした!TNK!
JN1TWM
JE1WRG/1←3回目の交信でした!TNK!
JG1LUI
JK1RHX
JI1DIK←9回目の交信でした!TNK!
JE1PLR
7L4BOP/1
JA6FN/1
JF0RMQ←2回目の交信でした!TNK!
JJ1KVN
JF1FTG/1←5回目の交信でした!TNK!

以上、4時間の運用45局の局長さんと交信できました。ありがとうございました。実は2時間弱でシール獲得の20QSOはクリアできていたのですが、プチパイルが続いて、結局45QSOもしてしまいました。少しだけ、ほんの少しだけ、反省。やはり、僕もアマチュア無線狂いなのだなあと自己嫌悪。とはいえ、それも僕なので仕方がないっす。
今回からPockeTechさんのANT078#バックパックPOTA 用に車から下ろして、10エレのキュービカル・クワッド(CQ)アンテナの実戦投入となりましたが、き、き、キレるねー!という印象。ちょっとの角度で受信が全然違います。
「あー!これは厳しいなー!」という声掛けでも「ちょっと話してください!アンテナ、回します!」了解度24になる感じ!まあ、これがいいことなのか悪いことなのか微妙なのですが、よく飛んで、よく受けれてることだと理解しました!(違う?)
ただ、このアンテナの実力を「うはー!」と実感するにはもっとロケーションがいいところでビーン!と飛ばした方がおもしろそうだなあと思いました。それか逆に山間部の谷とかで反射を使うとか?
とりあえず、このアンテナでの運用を続けてみようと思います。モビホ(SB7)からPockeTechさんのANT078に変えた時のような感動はあまりないですけれども、きっと、いいはずなのだ!

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