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【初心者向け特別コラム】アメトイを開封してみよう!NECAプレデター編

みなさ〜ん!アクションフィギュア、集めてますか〜?

 本日は特別コラムということで、海外メーカー製アクションフィギュアの開封から遊ぶまでの流れについて解説していきます。

「いやいや、完成品フィギュアなんだし開けたらすぐ遊べるでしょ?」

と思ったそこの貴方!…ごもっともです。本来はそういう風に作られているはずの商品ですから。

 しかし、そう上手くいかないのが海外メーカー製フィギュアなのです。否、日本の一部大手メーカーを除けば大半のアクションフィギュアはたとえ国内企業製でも開けてすぐには遊べない可能性があります。これだけ聞いても「なんのこっちゃわからん…」という方が大半だと思うので実際に新品フィギュアを開封して説明していきましょう。

※本記事は筆者の経験と勘で書いています。ご容赦ください。

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 というわけでNECA『プレデター2 シティハンター・プレデター(バトルダメージver.) アルティメット7インチ』をご用意しました。宇宙から来た謎の狩猟民族がロサンゼルスで人間を狩りまくるSFアクション映画『プレデター2』(1990年公開)の終盤にて負傷したプレデターの姿を再現した可動フィギュアです。

・NECAって何者?
National Entertainment Collectibles Associationの頭文字をとってNECA。海外の大手フィギュアメーカーのひとつで、主にSFアクション映画やホラー映画、コミック作品などのキャラクターを製品化しています。プレデターの7インチフィギュアはかなりの人気で、今までに100種類以上発売されてる長寿シリーズ。

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 パッケージ正面を開くと中身が見えるウィンドウボックスタイプ。正直このまま飾っても十分見栄えが良いのですが「フィギュアは開封してこそ真の輝きを発揮する」という考えの下、開封していきましょう。(この形式の箱なら開けた後も元通りにして収納できるし)

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 このように透明なブリスターに全パーツが綺麗に収まってます。取り出す際に邪魔になる腰や腕の辺りの透明バンドはニッパーで切ってしまえば簡単に取れるのでオススメ。

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 出ました。プレデターが(倒置法)
 この状態でフィギュア本体を手で持ってみると、ちょっと握った程度では関節がピシッと固定されていて動かないのがわかるかと思います。だからと言って無闇に可動部を腕力任せに動かしてみようとするのはやめておきましょう。

 これは関節の保持力が高い優秀なフィギュア…という単純な話ではなく、新品状態では可動部の素材が"癒着"しており実際に固まってしまっているということに因るもの。原因は塗料だったりコーティング剤だったり接着剤のはみ出しだったり色々ですが、とにかく開封直後は関節がガッチガチなのです。アメトイ開封時に気をつけるべきことは癒着だけと言っても過言ではありません。こいつをどうにかしたいというのがまず一つ目の課題です。

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 第二の課題、それはパーツの歪み。
 アメトイ系アクションフィギュアでは柔軟性のあるPVCという軟質素材をメインに使っているものが多いです。硬いプラスチック(ABS樹脂とか)に負荷をかけると白化したり割れたりしますが、PVCの場合は少しの負荷であれば歪むだけで済むので壊れにくいのが長所。ですが、何事も長所が裏返って短所になることはあるわけで「負荷をかけたまま放置すると歪んだ状態がキープされてしまう」のが欠点になります。
 上記画像のプレデターの頭部ですが、軟質素材の髪の毛がくしゃくしゃの状態でキープされてしまっています。箱詰めの際に歪められた状態で長時間放置されたことが原因でしょう。ちなみに指で曲げても戻ってしまうので治りません。寝癖プレデター。


・いざ準備

そんなわけで「関節癒着」「軟質パーツ歪み」の二つの問題を解決するために用意するものがこちらです。

熱湯…やかんや電気ケトルで沸かしておきましょう
耐熱容器…ボウルでもお椀でも丼でも構いません。フィギュアが丸ごと入るサイズだと便利です。
タオル
割り箸

…即席麺でも食べるのか?と言いたくなるラインナップですが、これさえあれば大体なんとかなります。

・作業開始!

 さあさあここから作業パートでございます。事前に注意事項ですが

・熱湯を取り扱うのでヤケドに注意。
素手でやると多少手が荒れる恐れがあります(気になる人は作業用の薄手のゴム手袋等の使用推奨)。
・作業にそこそこ時間が掛かる場合があります。
・返品交換の対象外になる可能性があります。
・当記事で紹介する手法は筆者の自己流ですので真似する場合は自己責任でお願いします。

一向に構わん!という方はそのままお進みください。

・激闘!熱湯かけ流し編

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 まずは空の耐熱ボウルにフィギュア本体と交換用頭部、交換用手首を投入。

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 フィギュアめがけて熱湯を容赦なく流します。温度が高ければ高いほどPVCは柔らかく、癒着部は剥がし易くなるので、沸騰して加熱をやめてから1分程度待ったくらいのお湯が良いと思います。フィギュア全体が浸るくらいにしていきましょう。

 ここで留意すべき点は「もし透明な硬質プラスチックパーツがある場合、その箇所には直接熱湯をかけない」ということ。急な加熱で割れる危険性があるためです(だいたい平気ですが)。そういう時は冷水を適量混ぜて温度を下げておきましょう。
 それ以外であれば特に気にせず行って問題ないと思います。表面の塗装やコーティングが剥がれるリスクはそれほどない(多分)ので安心してかけ流していきましょう。

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 30秒程度で引き上げてタオルに乗せます。この時、割り箸で掴めばヤケドの心配が少なくて便利です。

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 珍味 プレデターの頭。
 実はこの時点で髪の毛の歪みが治っています。熱湯に浸けたことで柔らかくなり、本来の形状に自動的に戻ったというカラクリです。

・柔軟!湯上がり編

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 タオルに乗せたらまずは水分を拭き取ります。ヤケド注意ポイントです。

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 その後、固まっていた関節部をじっくり動かしていきます。このとき急に力を加えると熱で柔らかくなったパーツを歪ませてしまうため、マッサージのつもりでゆっくり根気よくほぐしていって下さい。
 画像で腰から下が外れているのは腰に巻いていたポーチを一旦外して邪魔にならないようにする為。と言っても無理に分解はしなくて大丈夫です。

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 特にNECAのプレデターで厄介なのは股関節および太腿ロール可動。ここら辺は温めとほぐしを何度も繰り返して行う必要があります。少し抵抗を感じるな〜という辺りで力をかけるのを一旦やめて温め直しましょう。一連の動作を3回くらいやっても動かなくて諦めて、しばらく放置して自然に冷めてから動かすとやっと可動するようになるくらいです(実体験)。

・作業完了!

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 上手くいけば全身の関節が適度な保持力になり動かせるようになります。上手くいかずに関節がちぎれたり壊れたりすることもあります。おまけに作業が終わる頃には手指の皮が熱と摩擦でボロボロかもしれませんが、健康な人体はフィギュアと違って勝手に治るのでこれで良いのです。

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 自在にアクションが決まる!NECAプレデターのアルティメットシリーズは関節構造が優秀なので、そのポテンシャルを引き出すためには癒着治しが必須と言えます。

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 リストブレイド伸縮、右太腿にディスクブレイドを収納、背中にスピアを取り付け可能など武装の多いシティハンターらしくギミック盛り盛りのすばらしい一品です。今回商品レビューはメインじゃないのでこのくらいにしておきます。

・最後に

 個人的には歪みや癒着を治す方法としてはこの熱湯法が最もお手軽で失敗のリスクが低いと考えています。ご参考までに。フィギュアの楽しみ方に正解はないのでわざわざこんな事をしなくても誰も咎めませんが、「折角なら動かして遊びたい」「理想的な姿で飾りたい」という場合は工夫しながらあれこれ手間をかけてあげるのも良いかと思います。

 あと、色々書きましたが結局運次第なところもあるので本当に困ったら購入した店やメーカーに問い合わせるのが一番です。あくまで私なりのやり方を載せただけなので一切責任は負いません。どうしても自力でどうにかしたい方はすべて自己責任というのをお忘れなく!それでは、良きアクションフィギュアライフを。

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