J1第9節　広島vsFC東京(2023.04.22)明暗分かれた2人のイニシャルD。

　FC東京戦、また勝てなかった。。
強いとは感じなかった。ボール保持局面で特に組織的な攻撃は仕掛けてこない。DFも整備されていたとは思えない。CFが強烈だったのと、ルーズボールを奪われ早く攻められた。そして左右に長友1世＆2世の5バックで守り切られた。
　実況が言っていたが、アルベルはSBの攻撃参加の重要性を説いているようで、SB中村の1G1Aは結果としては良かったのではないか。SB中村はハーフレーンにポジションを取るシーンも見られ、試行錯誤している感じはあった。(WGをサイドレーンに張らせてハーフスペースを走る攻撃参加。浦和の酒井がやるやつ)
　広島はボールを保持して引かれた相手を崩すことは課題ではあるが、中央突破のプランはないのでサイド起点の攻撃を仕掛けることとなる。そのサイド攻撃から決定機を何度か作っていたので現状やるべきことはやったと言う内容。ただ点が取れない。

東京スタイルはディエゴ・オリヴェイラと共に。

　よく「重戦車」とセンターフォワードの選手を形容することがあるが、ディエゴオリヴェイラ(以下、D)のプレーはまさしくそれ。
Dは強く、早く、そして強い。広島の3CBも屈強であるが、Dは彼らを背負ってキープすることができる。
　立ち上がりの東京の攻めは、その強いDにまずロングパスを単純に当てる。セットプレーから得点後も基本的には、ＤＦラインからパスを細かく繋ぐではなく、Ｄを中心とした前線の選手に早くパスを供給し、ルーズボールを奪って皆でゴールに突進するショートカウンターの発動。というのが東京の狙いだった。

広島のプレッシング

　東京が「Dを中心とする前線の選手へ手数をかけずにボールを供給した」という攻めを選択したのは広島のハイプレスが嵌っていたとも見れる。

　東京がDFラインからパスを繋ごうと試みたシーンは何度かある。最終的にゴリゴリ体をぶつけながら前進した場面はあったが、綺麗に前進させた場面は一試合通してなかったと思う。

～広島のハイプレス～
★低い位置で東京のSBがCBからボール受ける。
⇒広島のWBがプレスを掛ける。
⇒東京SBの前方の位置にWGまたはDMFが入り、パスコース確保。
⇒広島左右のCBが東京のWGにプレスを掛けて前を向かせない。
⇒最終的にはギャンブル性の高いパスを前線に出す。

　東京のDFラインからのビルドアップは25:00くらいのシーンが一番うまくいったと思われる。Dと松木のゴリゴリ感は多少あるが。松木の腕力が目立ったシーン。新潟戦で目の当たりにした触れることのできないパス回しとは全然違うが。

2失点目は防げた？

　越道のイージーなパスミスからのこぼれ球をDに拾われ進撃。3vs3のシーンとなるが、Dが緩やかに前進しながらセンターからハーフスペースに流れる。

Dが進撃開始。3vs3。

Dが緩やかにサイドに流れる。

Dと距離を保ちリトリートする佐々木。

佐々木は大外の中村の上がりは認知していた。

Dがゴールに向かうドリブル開始。
(SB中村が自身を追い越した直後に。)
佐々木vsD＆中村の1vs2が形成。

あ

ああ

ゴ～～ル

仕方のない気もする。大外を使うために溜めて絶妙なタイミングで中にドルブル仕掛けたDがうまい。中村もよく長距離スプリントから冷静に中央のパスコースを確認した。
だがしかし、
？野津田スプリントしてDマーク、佐々木が大外カバーのスライドできた？
？佐々木が速い段階でDにチャレンジ&野津田が背後カバーは？

広島の得点

　ナッシムがサイドに流れて東京のCB引き付けて、そのスペースの川村スプリント。PA内で粘って松木ともつれながら森島にパス。森島落ち着いて決める。

〇東のキックフェイト＆正確なロングキック＆イケメン
〇ナッシムのサイド流れ。
〇川村のスプリント＆キープ＆パス。
〇森島のスプリント＆シュート

後半広島のD投入と繰り返すサイド攻撃。

　広島にもＤはいる。最近好調のドウグラスヴィエイラ(以下、D2)。後半広島はCFのナッシムと交代でD2を投入。
　ナッシムはサイドに流れるプレーや守備貢献ができ、勿論シュートも上手いのだが、万能タイプと言ったところ。対するD2は中央に居座るポストプレーヤー兼ゴールゲッター。
何度か惜しいシーンはあったものの、今日は不発。

　広島はWB＆SB＆IH＆DHが協力してサイドの深い位置と、隙あらばポケットを取りに行くという攻め方。片側サイドが詰まったら逆側サイドへ展開するプレーも見られ、固められた守備をこじ開けようとする意志は伝わってきた。
　中央崩しからシュートまで行けたのはエゼキエウと塩谷のパス交換からPA外から塩谷がシュート放ったシーンくらいかな。(他はあまり印象に残っていない。)
　惜しいところまでは行くが入りそうで入らないゴール。結果的には得点を奪えず敗戦となった。

左サイドで突破が難しく、東→満田→塩谷と渡った場面。　　　　　　　

絶好調の東さん

　今や広島の中心で替えの利かない選手となった。何故途中交代したのか、そう言えば黄カードもらってたか。
　攻撃時にも比較的低い位置で周りを活かす長短のパス。ワンタッチで逆を取るジダンみたいなトラップ。良質なセットプレー。ドリブル突破はないが今広島で見てて一番ワクワクする選手。今年1年は海外行かず広島で活躍してほしいものだ。

さいごに

　FC東京はアルベル監督の戦術浸透が進めば今後ますます良くなっていくチームではあるので、未完成の今回は勝っておきたかった。ホームだし。Awayではもっと厳しい戦いになるのは間違いないが。
　振り返っても勿体ない試合であった。だって被シュート3本で2点取られるなんて。。
　広島は特に戦い方を変える必要ないと思うし、(現戦力では)簡単に変えられない。スキッベも敗戦は運がなかったと言っていた。(鹿島戦は運が良かったと言っていた。)
気になったのは満田がシュートを打てなかったことか。

　次節は昨年何故か4戦4勝(4敗でもおかしくなかったが運が良かった）のC大阪。厳しい試合になりそうだが、5月の日程見たら落とせない。