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きみはEntertainment


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「絶対に欲しい!!!」


叫んで床を転げ回った。




時は戻って今年の4月、お友だちの招待でパラゴンのZeppライブを見に行った。

画面で見慣れたメンバーの
アイドルの輝きに、驚き、見惚れて、あこがれた。

セトリの中にちょこぼの楽曲カバーが組まれていて、イントロが流れた瞬間どきんとした。
うれしかったんじゃなくて、くやしかったのだ。後輩である彼らが、満員のZeppでちょこぼの曲を披露していること。(わたしがくやしいって何?)(わかる)

たぶん会社の人たちは来場なり配信なりでこのライブみんな見ているだろうし、自分なんかより"ちょこぼは"どう思ってこのライブを見るんだろう?とすごく気になった。

ライブそのものはめちゃくちゃ楽しく、1から10まで魔法みたいに輝いて見えて、帰ってからもしばらく余韻の中で生きた。だいすきな友だちが連れて行ってくれて、初めていっしょにライブを見れた というのも大きな理由のひとつかもしれない。

始まる何日も前から終わったあとまで、ひとつのライブを自分の中で楽しみ尽くせること、しばらく無かったな、とふと気づいた。

ちょこぼのライブがめちゃくちゃ好きだ。
現場へ行ったらいつも楽しい。

でも最近のわたしは、なんだかいつも「次回」を追いかけている。

現場に行くためには、現場にいる時間よりその他の部分での作業が多い。自分の仕事や生活をしつつ、イベントのスケジュールが出たら予定を調整したり、チケット取ったり申し込んだり、交通手段を調べたり、いっぱい特典券取ったらコンビニを回って支払いしたり、いつも数字を気にして、自分がオタクを始めてから「マメじゃない奴はここでオタクできない」というのを散々思い知ってきた。
だから、いつも現場にいる人に対して、楽しそうでいいなぁとか使うお金とかばかりに目がいきがちだったけど、自分がそれをやってきた今は、それだけ裏で頑張っているということなのだとわかる。

次のイベント何だっけ、チケ発、支払い期限いつだっけ、てか今払ったの何のチケットだっけ(まずい)、今日はこうだったけど次はこの衣装あの曲あの髪型やるだろうか、話し忘れたこと次に話そう、とか

常に次とそのさらに次を追いかけて
いつのまにかそれが当たり前の感覚になったし、未来に期待することで今日を回してきた。

推してるちょこぼと たまに覗く他のグループのイベントでは、自分が参加する回数が全然ちがうから、パラゴンに対しては "次回" を考える機会がそもそもほぼ無いし、他のグループのライブは節目の大きいものを見に行くことが多い故に、規模の大きさの違いなんかももちろんあって、楽しみ方に違いが出るのは至極当たり前かもしれないけれど

ひとつひとつのライブ体験を噛み締める楽しさを、最近の自分はちょこぼに対して感じられてないよなーというか、もうはっきり言ってパラゴンのライブが楽しくて大きくて輝いていて、うらやましかったのだ。


始まる前からもうワクワクしちゃって
始まったらめちゃくちゃ楽しくて
終わらないでと本気で願って
終わったあとも思い出すたび胸が熱くなる

そういう体験をしたい!

わたしが エンタメ に求めてることはそれなんです。


※注
今言いたいのはちょこぼがつまらんとかでは決してなくて、わたし自身が趣味と向き合う姿勢の話ね。



2月の頭から推しメンが流行り病でしばらく不在になり、彼のいないライブを興味半分に見に行って、わたしは心にものすごい打撃を受けた。
そのあとすぐ彼は復帰したものの、わたしがライブを見に行かないうちに今度は別のメンバーたちが体調を崩し、イベントの中止や延期が重なり、だんだん何となく、アレ?応援するって何だっけ?という気になっちゃって、だけど現場へ行ったらなんだかんだ楽しくて、モヤモヤを抱えたり押し殺したりしつつ日々をやり過ごして、みたいなところで


ツアーのお知らせが出た。

1ヶ月半で6都市 全22公演。
いや突然走るやん。


自分のやる気もツアーの詳細もあまりわからないまま悩んだ末に、家から近いとか休みが取れるとかそういう理由で行きやすそうなところだけとりあえずFC先行で申し込んだ。あとは推しメンのソロとかキメ公演がありそうだったらそこだけ一般で買おうって思った。

そのあとだった。
ポイント制導入のお知らせが発表されたのは。


自分が彼を応援し始めてから今日まで、手紙を貰えるチャンスが2回あった。
1度目はイベント来場ごとに貯まるポイントカードで、わたしはポイントが足りず貰えなかった。2度目は記念ライブの特典で、来場したら必ず貰えるというものだった。今考えてもとんでもねーなと思うが、彼は彼を選んだ全員分、住所まですべて手書きで書いて送ってきた。

今回のこの特典、わたしとしては
相手と時間を積み重ねてきた"今"であることで、前回よりずっと価値があると思った。


「絶対に欲しい!!!」

誇張なしに、叫んで床を転げ回った。


16公演……どこなら行けるだろう?仕事の休みは取れるだろうか?何日休めばいいんだろう?てかいくらかかるんだいっ( ◠‿◠ )(きんにくん)

大慌てでスケジュールとお財布とにらめっこした。

16行くなら22も同じじゃん?誤差なんじゃん?!休み取るためにどうせ誰かに頭下げるなら全部まとめて休んじゃっても同じなんじゃん?!?とだんだんワケわからんくなってくる。

だけど実際、全通なんか
めちゃくちゃ大変じゃん?????????


同じセトリのライブそんなに見なくていいだろ(笑)という自分と、その日の推しメンはその日にしかいないよ!という自分。

いろんなことをツアーまでにどうにか準備出来たとしても、ライブ当日、決まった時間に動く、外に出る、電車に乗る、人と話す、なにかひとつでも出来なくなればそこで終わり。もちろん体調を崩してもアウト。(これに関しては自分だけでなく周りも)

自分の中で「やりたい」気持ちと
「できる」現実がぶつかり合った。


オタクをやっていていちばん好きなのはライブを現地に見に行くことで、それは最初から今までずっと変わらない。

こんなにライブをたくさん、このペースで見れること、もう無いかもしれない。

そう思った。


それに「全通」に対しての憧れもあった。(ミーハー)

去年のツアーは、月1くらいのペースでゆっくり回っていて、全部見には行ったものの、己の感覚としては「全通したぜ!」という感じではなかった。

ちょこぼに対してというより「自分が」オタクやってるうちに「全通したぜ!」を納得してみたかった。


否定されるのも肯定されるのも怖くて、だれにも相談しないまま、残りのチケットを買った。

後悔したくない と思った。
行かなくて後悔することも、行ってもつまんなくて後悔することもあるかもしれなかった。

ひとりで計画的にあちこち出かけなきゃいけないことにも、めちゃくちゃ不安だった。



推しメンの涙で衝撃のスタートを切ったツアー初日

本当に、よかった (語彙の突然死)

初日のあの瞬間をうまく言語化できずポエマーオタクとしては誠に遺憾だけど、ライブって現場に行かないと感じられない熱が絶対にあって、それはもうどんな言葉を積み重ねても「体験」できない。じゃあ書くなという感じですが書き残したい、それほどの瞬間が、あの日あそこにあった。彼が気持ちを素直に吐露していたのも、そこまでいろんなものを見聞きし体感して積もり積もったものを抱えてステージに立ち、現場の空気を肌で感じたからこそだったと思う。


わたしは、ちょこぼってMC苦手だ〜と思ってきて、それは隠さず公言(文句)してきたし(すんな)、だけど少なからず彼ら自身にもその意識はあって、昔一度「ライブMCなくしてみる?みたいな案も出た」というぼやきをしていた記憶があるんですが

ぜんぶ面白かったんですよ ツアーMC


これマジで個人的に最後まで楽しくライブに通えた最大の要因かもしれない。

えっ ちょこぼ 面白いじゃん……

(褒めれば褒めるほど失礼の穴を掘り進めるスタイル)(失礼ドリル)(ガガガガガガガ)


毎回 目まぐるしく変わるセトリもすごかった。
新しいシングルやアルバム曲、ついに一新されたユニットの披露、毎回ちがうソロ演目やカバー曲も大きな見どころになっていて、本当にかっこよく、いつどこの公演を見ても面白かった。

考え上げられ作り込まれ、たくさんたくさん練習した先に、このステージがあるんだと思うと、公演ひとつひとつが感無量だった。7人が並んで歌い踊り、笑うのを見るだけで、幸せだった。


始まる前からもうワクワクしちゃって
始まったらめちゃくちゃ楽しくて
終わらないでと本気で願って
終わったあとも思い出すたび胸が熱くなる

*ChocoLate Bomb!!は
わたしのあこがれた、エンタメだった。


ポイントカードの特典はもちろん、新規のお客さん向けに撮影券を配ったり、後方席や学割として安く買えるチケットを出したり、メンバーも朝から手売りしたり、ひとりでも多くお客さんを呼ぼう!という気合いが目に見えたのがすごく嬉しかった。

やる気ないアイドル、応援できませんからね😄(何様辛口評論家)


顔も態度も誰より強気な推しメンの、不安の滲みを感じた瞬間があった。

ツアー序盤、今日ものこのこ現場にやって来るわたしに、推しメンがめずらしく「全通なの?」と聞いてきた。普段わたしは推しメンに「次は○○日に行くよ!」みたいな報告をまったくしないし聞かれないので、面食らった。

今思うと間を持たせるための話題のひとつだったかなと思うけど、コイツは全通するかもと思ってもらえるほど自分が現場に通い続けられていることも、彼がそれに気づいていることも嬉しかった。

彼は昔からライブの集客を人一倍気にしている印象があるけど、やっぱり全体の数はもちろん"自分のオタク"がどのくらい着いてくるのか気になるものなのだろうか…さすが強気に見えて繊細女さんじゃん…………などと何気ない彼の一言に背景すべてを勝手に想像しつつ
「チケットは買った」と答えた。あまりにも可愛くなさすぎるが、まあチケットは買ったので事実である。

「そんな答え方する人初めて」と彼は眉をしかめていたけど、全部行くよ!と力強くうなずけるほど、自分の体も心も強くないことはわたしがいちばんわかってた。


メンバーの手売りで当日券を出すほどチケットが売れ残っている現実も、あらためてこのツアーでたくさん眺めた。

言い方変てか間違いかもしれないけど、そのおかげで、急に誘って来てくれた友だちと連番でライブを見ることも出来た。
わたしは当日何枚もチケットを用意する余裕はとてもなく、別の友だちが手配してくれたので、実質招待してくれたのはわたしじゃなくて彼女なんだけど、それを鼻にかけることもせず「ライブ見てもらえて嬉しい」と言う友だち、めちゃくちゃやさしくかっこいい。頭が上がりません。本当にありがとう。
来てくれた友だちのことも、もともとだいすきだけど、さらにだいすきになってしまってもうだいだいだいだいだいすき宣言します!(G-タイガー先生もありがとうございます!)


理由はいろいろあるんだけど、普段からだいたい単番なので、友だちと連番でチケットを取った公演はとくに楽しかった。
席(指定席)でばったり友だちと連番になることも多くて、そういうときはライブを見る気持ちも少し変わったりして、たくさん笑った。

せっかくあちこち遠征するなら、いつも会えない画面の向こうのオタクにも会ってみたい!と思って、今回は自分としてはかなり頑張っていろんなひとに声をかけたし、わざと目につくように SNSでもいろいろやってみたり、少しは他人に心を開けたのでは…と思う。(当社比)


全通してみて何より良かったと思うことは、すべてのステージを見れたことでした。(あたりまえ体操〜🎶)
大好きなライブ、同じ演目を、何度もちがう角度から見て比較できるなんて、本当に贅沢の極みだった。

あと個人的にスゲーーーやっぱライブって面白い!と思ったのが、ライブにおける照明の力。

むかし平井堅のライブを観ながら「ひとりで歌うことを大きな会場でショーにする」ことに対して、照明の力ってものすごいデカいな、と感激したことがあったんだけど(ちなみに平井堅はMCめちゃくちゃ面白い)

今回同じセトリをいろんなライブハウスで見たことで、会場ごとに照明が全然ちがって、同じ演目もこんなにちがって見えるんだ!!!ていうのがすごく面白く興味深かった。わたしもやってみたい。


推しメンやメンバーの存在はもちろん
感じる熱気、みえる光、きこえる音が身体に響く
その日のお客さんのリアクションやマナー
居場所によって変わるステージの見え方
いろんなことがすべて組み合ってやっとひとつのライブを体感できる

遠征したときにおもう、わたしが知らないところに世界は広く存在していて

電車やバスの窓から見える知らない誰かの家、その街で暮らすたくさんの人がいて、駅や街の人混みですれちがう人たちの会話、知らない路地で嗅ぐ匂い、美味しいご飯を好きなひととたべる時間、髪を乾かしながら思い返すその日のライブ、明日へのワクワク、誰かと出会って誰かのことを思い出したり

いつも東京で会うあの子はこんなに遠くから通っているんだ…とあらためて誰かの無言の努力をおもったり、会えたとき「会えてよかった」と笑い合える人たちと出会うこと

ちょこぼがちょこぼじゃなかったら、
彼らがアイドルじゃなかったら、
そこに惹かれて集まったみんなとも出会うことはなかったかもしれなくて

あらためて人や世界と繋がるきっかけを、ちょこぼにたくさん作ってもらってきたなあと思った。


ひとりじゃなくなること
オタクをしていていちばん価値を感じることです。


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二度と来ない日々を使い切ったあと
君の1ページに 僕がいりゃいいな


彼らはそう歌うけど
わたしにとって というか、人間誰しもにとって、この歳のこの季節は二度と来ない日々であり、わたしはその時間を彼らに使い切ったこと、胸を張って「よかった」と言いたい。


推しメンの誕生日に「一瞬でもあなたを温めることが出来たら、生きていてよかった」と言葉をまとめたけど、こんなわたしも、だいすきな誰かの1ページになれたでしょうか。

なれてたらいいな。





追伸

これ読んでないだろうけどどんなときも見守って応援してくれた家族、近い友だちひとりずつ(アンタに言ってんだよ!)(指差し)、本当に本当にありがとう。ひとりではとても無理でした。

ゆじまるちゃん、手紙、墓まで持ってくつもりなのでよろしくブルドッグ♡