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錦鯉、大きな栗の木の下で

テレビに出ている人たちは、みな功成り名を成した人々。一家言を持ち、何かしら老成している。何をもって老成しているかは何とも言えないけれど。振り返れば己が未熟さを思い知る毎日。もちろん日々の生活の中でかかわる人々は、老成もしていないし、一家言を語ることもない。そんな中で、過ごす時間は甘美で息苦しい。大した苦悩もなく、ただ心が疲れ切って前に進めないのを、騙し、すかして何とか身動きする。息を止めて、重い体に力を込める。大きな栗の木の下で、落ちてくるイガイガを期待しながら、当たらないようにとビクビクする。中の栗の実は、いつになったら手に入るのやら。

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