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献杯

去年までの同僚が突然逝った。

なんでも、亡くなる前日、自分で歩いて病院に行ったのだと言う。体調が悪そうなのは周囲も気づいていて、誰もがすぐに病院行ったほうがいいと忠告していたのだが。自分よりも2年若い。本人の無念と残されたご家族の心中を思うと、胸がはりさけそうになる。年末に仕事の引継ぎをしたばかりだったのに・・・その日は大雨だった・・・まさに涙雨・・・

コロナで非常事態宣言下、家族葬で送るとの連絡。だが、つい先日まで一緒だった仲間だ。お邪魔で申し訳ないとは思いながらも、コロナ対策をして葬儀に参列した。自分と同じように、いてもたっても居られない同僚が複数いた。皆、同じ気持ちだったのだろう・・・

ご焼香して、最後のお別れでお棺にお花を入れた。「ありがとう」と言葉が出た。ただただ合掌。彼とは「乗りが合う」とは言えなかったが、鉄道や車やクラシック音楽など趣味の共通点が多かったのでよく話は弾んだ。仕事でもプライベートでも陽気でアグレッシブだった彼が「お先に」と微笑んでいるように見えた。本人、まさかこんなに早く天空に駆け上がるとは予想もしていなかっただろう・・・突然、「天気の子」のような場所に行ってしまったのだから、雲の上で「こりゃ早まったか」とポリポリ頭を掻いていそうだ。彼はそういうヤンチャなところが魅力だった。これを書いていて、画面が涙でぼやけてきた。友よ、また会おう。それまでしばし待て。

献杯



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